クドカン氏の新ドラマ「新宿野戦病院」をみた。
五十歳過ぎて、ますます攻めてるなあ、クドカン氏は。
新宿は30代、いや、かろうじて50代までわが街みたいな感じがあった。
お酒飲むエリアね。
猥雑さが好きだった。
江戸時代から新宿は猥雑なのよ。
なんせ飯盛女のいた宿場でありんすから。
基本的に柄がわるい。
そこにアナーキーさの残光みたいなの感じてたけど、いまじゃ近寄りもしない。
魔除けに遭った小泉八雲「怪談」における平家の亡霊みたい。そう、「耳なし芳一」の…
そういえばアタクシ、首にされた職場で落武者とも陰で言われておったんですよ。
クドカンさんて、黒澤明のにおいがするなあ。
昭和20年代の。
クドカンさん自身は、黒澤さんの「どですかでん」が好きだと言ってたけど、原作は山本周五郎で、クドカンさんもたしか動画配信で「季節のない街」撮っていましたな。
日藝のひとと「季節のない街」「どですかでん」は相性いいね。そんな気がする。
「不適切にもほどがある!」では阿部サダヲさんが渥美清&植木等さんをアウフヘーベンしてたけれど、「新宿野戦病院」の小池栄子さんは、日系薩摩人を演じていた社長シリーズのフランキー堺さんが元ネタなんで、くすくす笑いました。
60代後半以上じゃないとわからないだろうが。
このあいだ銀座で浪曲聴いてきました。
軽演劇とかヴォードヴィルの時代になってきた。
来週のNHKのBSは、植木等さんと桑田佳祐さんをフィーチャーするが、ふたりともヴォードヴィリアンである。
朝ドラでヒロインが歌う「モン・パパ」ね、あれは戦前のエノケンさんの持唄ですよ。
歴史の遠近法の逆転が生じてきて、森繁久彌さんより最近エノケンさんの方がえらくなってきている気がする。
エノケンさん、植木等さん、桑田佳祐さん、戸田恵子さん、玉川奈々福さん(浪曲師)、みなさん卓越したヴォードヴィリアンである。
では、住めばミヤコ蝶々じゃけえ…