いま、星空にはきれいな『赤い三角形』が見えています。
みなさんは、もう見つけましたか。
これが見えるのは、ここ1か月の間です。
明るい星がたくさん見える冬の星座にまざって
赤い火星が明るく見えているんです。
その火星とベテルギウス(オリオン座)、
そしてアルデバラン(おうし座)が
三角形にならんでいます。
ベテルギウスもアルデバランも赤色なので
「赤い三角形」です。
12月下旬になると、とても細長い三角形に
なってしまいます。
その形の変化を観察するとおもしろそうですね。
いま、火星と地球が接近しているので、
火星が明るく見えているんです。
この『火星接近』は、なぜ起きるのでしょうか?
地球が火星に追いついて、追い越していくときに
火星が近づいてくるように見えるんです。
今回の火星接近で、
地球と火星が最も近づくのは、12月1日(木)です。
プラネタリウムソフトで見てみましょう。
小型の天体望遠鏡とコンパクトデジタルカメラで
撮影しました(下)。
天体望遠鏡で見ると、上下左右が逆さまに
見えるので、北極冠が右下になってます。
左上は、少し暗い色に見えますね。
太陽の周りを公転する地球の軌道は、
ほぼ円形です。
それに対して、火星の公転軌道は、やや楕円形です。
そのため、2年2か月毎に起きる「火星接近」は、
その度ごとに地球-火星間距離が異なります。
火星は、宵のころ東の空に見えます。
今は、マイナス1.8等級の明るさで輝いています。
肉眼で、すぐに見つけられると思います。
晴れている日に、火星を探してみましょう。
----- おまけ -----
太陽系の惑星探査技術の進歩はめざましく、
火星表面の地形・地質が詳しく調べられています。
火星の風成砂丘(斜交層理)の調査から、
過去・現在の火星における大気循環が
解明されつつあります。
もはや、太陽系天体の観測・調査は、
地球の観測・調査と同じような方法で行われる
ようになりつつあるんですね。