私たち生物がもつ重要な能力のひとつに「自己増殖能力」が
あります。
そして、さまざまな形質が親から子へと受け継がれます。
そのときに重要な働きをしているのが「DNA」ですね。
先週末の実験プログラム『野菜からDNAを取り出そう』を紹介します。
つかう野菜はこれです。 ブロッコリーです。
ブロッコリーの緑色の部分をつかいます。
そこを実体顕微鏡で見ましょう。
これは、ブロッコリーの花(つぼみ)です。
はじめに、実験方法や注意事項をききます。
さあ、実験開始です。
DNA抽出のための水溶液をつくります。
食器用洗剤と食塩が入っています。
洗剤のちからで細胞膜や核膜などを溶かします。
食塩は、DNAのねじれをほどきます。
つぎに、花のつぼみをすり鉢でつぶします。
なかなかつぶれません。力も必要なので、みんなで協力します。
すりつぶしたら、さっきの水溶液をすり鉢に入れます。
10分間、水溶液に浸します。 タイマーで時間を計ります。
その10分のあいだに、花のつぼみを観察したり、
DNAについての説明を聞いたりします。
10分たったら、茶こしで固形部分を取り除きます。
ゆっくりと、こします。
ビーカーの中の濾液にDNAが溶けています。
そこに、無水エタノールを静かに入れます。
しばらく観察します。
まだかな~? 何が起きるのかな?
黄緑色の濾液と透明なエタノールの境界に白色のモヤモヤが
見えてきました。
このモヤモヤの中にDNAがはいっています。
DNAはアルコールに溶けないので、見えてきたんです。
なお、DNAは親から子へ形質を遺伝するだけではありません。
身体が大きく成長するときや、細胞が成長しきったときなどに、
私たちの身体をつくる細胞は分裂して新しい細胞をつくります。
このときにも、古い細胞から新しい細胞へDNAは受け継がれて、
自分の形質を維持します。
突然、違う人や違う生き物の細胞や身体になることはありません。
体内で細胞分裂が日々行われていることを意識することはあり
ませんが、たまには考えてみるのも楽しいですね。