虫ガールと恐竜ボーイ -10ページ目

虫ガールと恐竜ボーイ

虫をこよなく愛する娘と恐竜を愛する息子の日常を綴った日記です。
だんだん虫に慣れてきた母の写真・絵付き。

親のやる気に反して中学受験を志している我が虫ガール。
彼女にはかなり行きたい志望校がある。
それは

東京農大一中。

いろんな学校が来る説明会に行ったとき、
「生き物好きな子が多いです」
「生物部の人数が一番多いです」

と言われてかなり惹かれたらしい。


そこで、お友達も誘って9月末の東京農大一中学校祭「桜花祭」へ行ってみました。

門の前で待ち合わせて中へ入ると、
まず入り口で配られるパンフレットの表紙からして一味違っていた

普通は女の子やら男女やら風景だったりするわけですが、
ここは「鯉」だった。
しかも中高生らしくない渋いタッチ。

すげー!


まずは楽しみにしていた二号館の化学部・生物部へ向かう。
2階の化学部で人工イクラ作りなどを満喫してから3階の生物部へ。
かなり広い部屋いっぱいに生き物が展示されていた。

まず入り口に超カッコイイ軍鶏的な鶏がいた。
足に刺されたら大怪我しそうな爪がつき。
娘は当然触りたがるが、係員も軽くOKしてくれる。

どうですかこの爪!!

聞くと野生に近い種類なので退化せずに残っているんだそう。

続いて小鳥、魚の透明標本、ばかでかいカエル(噛むらしい)、
いろんな生き物の骨格標本、コンクールで入賞するような金魚などなどが
かなり広い部屋いっぱいに展示が並べられていた。

こんなに生物部が生存権を認められている学校は初めてだった
母の先入観では、生物部って大抵マニアックな部で、
数人の生き物オタクが細々とやってる感じだよね?


それから昆虫ゾーン。
ここにはカブトムシやクワガタの標本と並んで
生きたゴキブリがいた。
よりによってなぜこの晴れの舞台にゴキブリを選んだ・・・

と思っていると、おそらくゴキブリを愛して止まないであろう説明員のお兄さんが
「これはヤエヤマ(多分)オオゴキブリと言って、普段は森に住んでいて、
 人の家で悪さをしないきれい(?!)なゴキブリです」

と説明。続いて
「触ってみる?」
と近くの男の子に聞く。→断られる
そのお父さんに聞く →断られる
その隣にいた娘に聞く →「ウン」

やっぱりorz

さっき断った近くの父親がビクッと顔を上げ、
信じられないという表情で娘を見たのを私は見逃さなかった。


娘の友達もつられたのか「ウン」
・・・え、さわるの??

逆に私が驚いた。
生き物好きな子でしたが、ゴキブリに触るほどとは思わなかった。


その後、
「お母さんはなんで触らなかったの?かわいいよ!」
と娘に責められた。
いや、・・・特に聞かれなかったし・・・ね・・・。
そしてかわいいという形容詞にはちょっと同意しかねる。

実のところ彼女らに育て上げられた今の私なら
触れないことはなかったかもしれませんが、
いやでも見た目ほとんどゴキブリだよ…?


それから
「農大の生物部の生徒は道に生き物の死体があると喜んで持ち帰って
 解剖したり標本にするんです!」

と嬉しそうに語る男子とか、
ヘビを愛して止まない女子とかにいろいろ話を聞き、
金魚すくい(無料)にチャレンジして終了。

農大すげー!

母は感動した。
そして娘は
「うちぜったいここに入る!」
と決意を新たにした。

いやでもその前に偏差値があと10ぐらい必要なんですけれどもね。
 

しかし大抵の私立校が「東大合格率」「英語」でしか特色を出せない中、

この路線を貫くのは賞賛に値すると思いました。

こういう学校、他にもあればいいのに。

 

時が前後しましたが、9月にトンボサミットというイベントがありました。
毎年全国を回って開催しているようなのですが、
今年はたまたま横浜開催だったので、

ジュニア生物調査隊として子供2人が参加してきました。(親は見学)


会場は横浜あーすプラザのホール+いくつかの部屋でしたが、
当日会場に着いても係員さえプログラムが分からないという
今まで経験したことがないレベルのアバウトさ
に衝撃を受けました。
それなりに大きい大会らしいのに、この状態でどうやって運営するんだろう・・・?

不安も残る中、子供達は発表準備や係があるというので別れ、
まずはダンナと展示を見ることにした。

沖縄にいるはずのトンボが横浜で大発生しているとか、
トンボ柄を象った伝統工芸品の展示とか、
大量のトンボ標本を眺めていると、
「ホールで講演会があるらしい」という話を小耳に挟んだ。


立ち聞きしてみると、どうやらテレビ番組「池の水全部抜く」に出ている
久保田さんの講演があるらしい。

番組の存在は何となく知ってたけど、
民放※なのでほとんど見ていなかったというレベル。
  ※芸能人のトークが多すぎるのと、CMに入る時の引張り感がイライラするので嫌い
なのに、実際に講演を聴けるとか会えるとかになると
急に面白そうな気がしてきてにわかファンになるのが人間の不思議なところ。

会場へ向かう人たちにそそくさとまぎれてついて行く。

講演は今までのロケの成果とよく出る外来種、
池の水抜き(かいぼりという)の意義やコツを説明してくれたり、
「コイは実は外来種で水を濁らせる原因になるので
本来の日本の水辺を取り戻すには駆除すべき」
とか、
へー!と勉強になる話をいろいろ聞けたし話も面白かった。

「生き物」業界は狭いせいか、
こんなプログラムがないレベルのアバウトな会で
テレビに出ている人に会えたりするのがなんかすごい。


そのまま講演を聞いていたらダンナが寝始めたので外へ昼食に出かけ、
そろそろ子供達の発表時間になるので(13:00とだけは聞いていた)
ホールに戻って待機していると、何やらパネルディスカッションが始まった。
???これじゃないよね?次かな?と数分待ってみましたが、

討論は本格的に盛り上がりはじめ、全く終わる気配がしない。
「もしかして場所が違うんじゃ・・・」と慌てて退席。
その辺を歩き回って探してみると、
地下の会議室でちょうどジュニア隊の発表が始まったところだった。
セーフ!!
危なかった。発表なんだからホールだろうと過信し、
聞き耳を立てていなかったのが失敗だった。
発表は無事に終わり、続いて中学生のもっとマジメな発表があってから
ホールに戻ってまとめの会だった。

このときもそんな感じのことを小耳に挟んだので
子供たちについてホールに戻る。
プログラムが分からなくても聞き耳を立て周りを観察すると何とかなるということが分かった。
最近はお膳立てができすぎていることが多いけど、
これぐらいでも別にフツウなのかもしれない。
一つ不思議なのは、スタッフっぽい人にちゃんと聞くと「分かりません」といわれるのに
小耳には挟めるのはなぜだろうという点だ。
どういうメカニズムになっているのか興味が沸く。

まとめの会、ジュニア隊の子供たちはパネリストの目の前の席をズラリと占める。
パネリストたちは最近生物に興味のある子供が減っている中で
たくさんいる元気な子供たちに喜んでくれたのと、おそらく子供が飽きないように

「ここにいるような子供たちは今や絶滅危惧種だからね」
とか話題を振ってくれる。
一人が言うと他の人もこのフレーズが気に入ったらしく、こぞって「絶滅危惧種」と言われたw
ちなみに娘はちゃんと聞いていたが、アホ息子の方は最前列に居座りながら眠っていた・・・

ちなみに「池の水~」の久保田さんはこのときまでずっといたので、
「すごいなー、頼んだらサインとかくれたのかなー」
と後で子供に言ってみたら、

「もらったよ」

と。

え・・・??

ジュニア隊全員でもらったらしい。
マジか!!
中には元からの大ファンで、「夢が叶った・・・!」と感動している子もいたらしいです。
にわかファンでごめんなさい。
でも、かいぼり応援してます!

今回のキャラ弁。切り取った直後はけっこういい感じだったのに、

ご飯に置いて少し置くとこんなにしぼんでしまった。

と、いうことは彼らが食べているときはもっとショボイのか・・・。ゴメンよ・・・

 


娘の通う学校では、学校行事で多摩川の生き物を観察する
「ガサガサ探検隊」というのがあり、
俳優の中本賢さんが川遊びと川の生き物についていろいろ教えてくれる。
5年生対象なのでちょうど娘の学年にあたる。

平日なので見に行けないのですが、

ジュニア生物隊で鍛えられている娘、さぞや活躍しただろうと思っていたら
他の子に遠慮したとかでイマイチ捕らなかったらしい。
なんだよ・・・
虫好きも学校では若干表に出せなくなってくる悲しい年頃。


で、このガサガサ探検隊の大人向けが開催されたので行ってみた。
どんな感じなのか見てみたかったし、
あとは娘と違ってガシガシ行く息子を連れて行きたかったというのがある。


学校のイベントらしく、まずは市の教育施設に集合。
着替えて中本さんの解説から始まる。

まずは川についての基礎知識。
上流から下流に行くにしたがって石の大きさが全く違うこと、
川は海の満ち引で淡水域と海水域が変わり、呼吸していること。

そして多摩川は3~40年前までは下水が整備されていなかったため、
家庭の洗剤の泡が一面に広がる死の川だったこと。
それが人々の努力で徐々にキレイになり、今では魚も昆虫も沢山住む川になっていること。
誰も興味を示さず観察に来ないから、そのことを誰も知らないことなどなど。

話すのも笑いをとるのもとても上手だった。さすが芸能人。

息子が早速聞かれてもないことに対して挙手して回答していた。
こういう態度だけはちょっと尊敬できる。
娘もここだけは見習ってほしい。


そしてみんなで川へ。
流れの緩い中州の部分で採集。
タモ網を構えて草の根を足で蹴って隠れている魚や昆虫を追い出す。

今回は魚とヤゴがよく捕れた。
ジュニア隊に通っている息子、魚はそれなりに答えられるが
ヤゴの種類はまだまだ分からず、見たことのないものが捕れると
中本さんに聞きに行く。
コオニヤンマ、コヤマトンボが多かった。

テキトーに捕った中に1匹珍しいらしいのがいて、聞くと
「これは珍しいなー、でも完全に名前は分からないなー」
と言う。
そこでジュニア生物隊を思い出す。
これは観音崎に聞くしかないっしょ!!
「知人に水生昆虫の専門家がいて・・・」
と言うと、
「おっ、それなら持って帰って見てもらうといいよ!」
とのことだったので、1匹いただいて帰ることにした。
息子も
「レアだったら観音崎博物館にあげる!」
とのことだったので、さっそく連絡してみました。
楽しみですが、今回「おっこれは絶滅危惧種!」という虫が結構いたので、
絶滅危惧種なのにそんなに簡単に出るのかー?とちょっと半信半疑でもあります。


あっという間に時間がすぎて正午に解散。
楽しかった。

中本さんはプロではないだけあって、

どちらかというと個々の種名にこだわるよりも、
「みんなは環境破壊とか悪い部分ばかり見ているが、
 多摩川は確実にキレイになっている。ちゃんと興味を持って、
 よい部分もしっかり見て、未来に希望を持とう。」

という主張が強いようだった。
同じように生き物が好きでも人によって主張や考えがいろいろ違うんだなあと思った。


このガサガサ探検隊、多分安全面から高学年が対象なんですが、
この年になると残念なことに本当に嫌がっている女子も多い。
息子のクラスだったらみんな楽しめそうなのになあ。
低学年じゃやっぱり危ないのかなあ。
と考えてしまいます。
 

ある日、息子のクラスに授業参観に行った。
算数の授業だったが、彼は先生の話を全く聞かず、
「1~5までの数字を選んで入れてください」
と言われているのにとか書いてるし、
mmまで測れといわれているのにcmまでしか測らないし、
ノート出せといわれているのに出さないし、
親としては相当イライラする感じだったわけですが、
その休み時間のこと。


みんながわっと自分の班で飼っている生き物ケースに群がった。
「?!?!」

女子3人と男子2人のグループでは、
男子が床にいらない紙を敷き、
女子が率先して水槽からザリガニを出してその上に乗せて愛でる

ダンゴムシばっかり飼っているケースでは、
フタを開けてみんなで手に乗せている。

キャッキャ怖がる女子なんて誰もいなかった。
参観に来ている母親達は後ろから遠巻きに見ている感じだったけれども。


息子はというと、ドジョウを捕った男の子が
世話をせずに死なせてしまったといって
めちゃくちゃ責めていた。
「捕ったとき、ちゃんと責任持ってエサあげてって言われただろ?!」
「・・・・・」
「ちゃんとやらないから死んじゃったんだよ!あーあ、かわいそうー!!」
「・・・・・」


そして責めすぎて逆ギレされて殴られていた。
当たり前だ。

っていうか、偉そうに言ってる背景には
自分が捕まえてきたドジョウはちゃんと生きてるからというのがあるんだけど、
オマエだって自分では世話してないだろ?!
毎日エサやってんのはお姉ちゃんだし、
めんどくさい水槽の掃除はお母さんがやってるんだよ!!
アホめ!



その次の「せいかつ」の時間は、
「自分のヤゴ」の発表だった。
プール掃除のときに救出したヤゴをほぼ一人1匹ずつ名前をつけて
夏休み前までクラスで飼っていたらしい。
その時観察したエサの食べ方や羽化の仕方などをまとめて発表していた。
特に女子が凝った名前をつけていて、
ヤゴに対する愛情を感じられる発表になっていた。


この年頃ってこれがフツウなんだっけ?
それとも息子の影響?
このクラスがすごいの??

虫に触れない子が増えているとよく聞きますが、
このクラスを見ていると安心できる。
 

写真は別のときのものですが、ヤゴです。

名前聞いたけど忘れました。コヤマトンボ・・・だったかな?いや違うかも。。

 

モンゴルでデイノケイルスがある博物館に行ったので、
これは日本でも恐竜博に行かないといけないだろうということで
恐竜博へ行ってきました。

いや恐竜ボーイを擁する我が家、もちろん行くつもりではあったんですけど、
彼は骨よりも動く生きてるやつが見たいとか言い出したり、
そんな恐竜博ねーよむしろUSJの世界だよとか、
何だかんだで今まで行っていなかったのでした。

事前にNHKスペシャル「恐竜超世界」の録画を見て予習します。
今回の恐竜博にあわせて放映された番組で、
キレイなCG画像で出展されている「デイノケイルス」「モササウルス」が解説されています。

見ながら息子は早速大きな手で敵を吹っ飛ばすデイノケイルスの戦い方を練習し始め、
娘は子供を守って天敵タルボサウルスと戦う『ニコ』と名付けられた一頭に釘付け。
首を噛まれつつ戦うニコに
「え・・・?!首噛まれても死なないよね・・・???」
と不安になり、大きい手でタルボサウルスを撃退したので安堵したのもつかの間、
最後に倒れて子供を残したまま死んでしまったところで号泣
「うおーーーん!!うおーーー」

うおーんって!!五年生ってこんなに泣く??
そして母ももらい泣き。

と、いうことでモンゴル効果に加えてNHKスペシャルでカンペキに準備が整った我が家。

前売り券は毎回買いそびれるので、今回も前日にネットで購入。
現地で並ぶの嫌ですからね。お盆だったので駅にある売り場すら混んでるかもしれない!

混雑を散々警戒して午後遅めに行ったのですが、
15:00ごろ入ったところ全く並ばずに入れました。
夕方最高!!!
中も人はたくさんいましたが、人で展示物が見えないほどではなかった。
夕方最高!!

子供が小さかったときは午後だと眠くなるしー、とか
一緒にコンパス(小さい子向けの遊び場)の予約も取りたいしー、とか
いろいろ考えて朝並んでいたわけですが、
小学生になると行動時間の幅が広がって嬉しいです。


そしてついにデイノケイルスとご対面。
今回イヤホンは借りませんでしたが、
我が家の恐竜ボーイがイヤホン並に解説してくれましたw

途中で流れるNHKスペシャルの映像は全て(息子の)音声付。
いや、その後何度も見てるとは思ってたけど、、覚えたの???

息子のこの方面に発揮される異常な情熱や記憶力が

違う方向にも向いてくれないかな、といつも思う。



デイノケイルスとは「恐ろしい手」という意味で、
しばらく巨大な前足しか見つかっていずに謎の恐竜とされていたところ、
今回全身が見つかり全体像が分かったというもの。
鋭い爪の巨大な前足にくちばし、背中にスピノサウルスのような帆を持つ不思議な恐竜だといいます。


それから日本で始めて全身骨格が見つかった恐竜「むかわ竜」
これはニュースでもよく報道されていたので知っている人も多いかと思います。
パラサウロロフス等と同じハドロサウルスの仲間です。
置いてあるものがホンモノの化石で、組み立ててあるものはレプリカでした。

そして最後に恐竜が滅びた地層「K/Pg境界」の説明があって終了。
その後の通路では最新の研究経過の紹介があり(撮影禁止)、
化石クリーニングの実演(残念ながら今日はお休み)を通って
おみやげコーナーへ吸い込まれる

特別展の第二の楽しみおみやげコーナー。
ここも土日の昼間はレジ待ち1時間等となっていたようですが、
今回は10人並ぶ程度だった。
夕方最高!!

息子はLaQ(ブロック)のむかわ竜verを買い、娘はデイノケイルスとモササウルスのしおり?を購入。
母は図録と恐竜鳥獣戯画表紙のスケッチブックで悩んでスケッチブックを購入。
そして最後に子供達は1個ずつガチャガチャを回して、
娘が欲しかったデイノケイルスを息子が出したけど自分は違うのだったとか何とかでひと悶着あり、
常設の恐竜コーナーにも30分ぐらい居座り、
そしておみやげ屋にも結局立ち寄って、
ガッツリ3時間楽しんで帰宅しました。

やっぱり科博は楽しい。
今回夕方が狙い目であることを学んだので、
次回以降もそうします。

で、いつも常設展もゆっくり見たいと思いつつ、
特別展を見るとそれで子供が疲れてあまり見ずに帰ってしまうので、
今度は何にもない日に常設展だけ見に行こうかなあ。
と思ったりもするのでした。