「オードリー」舞台となる映画撮影所の大京映画は、時代劇映画撮っています。
ここまでの回で、時代劇の撮影の裏舞台もいろいろご覧になって、判ってきたかもしれません。
大部屋俳優さんたちは、生き残りをかける様に、錠島(長嶋一茂)は常に木刀を携えて、稽古を積んでいきます。そして、子役からスタートした晋八(仁科貴)は、演技が認められず、殺陣師になる事を勧められます。
立ち回りの事を殺陣と言います。その立ち回りの演技を付けるのが、殺陣師と呼ばれる人です。
「オードリー」の作品の、劇中劇となる時代劇の殺陣を付ける殺陣師は、東映の剣会(つるぎかい)に所属している上野隆三さんです。
そんな東映剣会のYouTubeがありましたので、映像を見て頂ければと思います。上野隆三さんも登場され、東映時代劇の隆盛を極めた頃の、懐かしいスターたちの姿もご覧いただけます。
時代劇の大部屋の俳優さんたちは、立ち回りの稽古は必須でした。さすらいの友人でもある、東映ニューフェースから俳優さんをされている堀田眞三さんも、演技は文学座で、殺陣は東映で勉強されました。立ち回りと言うのは、時代劇では必ず必要となるもので、これは武道の稽古と同じ様に、練習を重ねなければ出来ない事です。そんな稽古の模様をご覧ください。
東映の殺陣は、子供の頃チャンバラと呼んだ、子供達も真似したものです。
黒澤明監督の時代劇は、リアリズムを追及するような殺陣で、東映のそれとはまた違ったものでした。肉を切り裂く音や、血が噴き出す様な場面も、沢山取り入れています。
さすらいは、「椿三十郎」や「用心棒」の黒澤作品の殺陣師だった、久世竜さん。そのお弟子さんである宇仁貫三さん、東映時代劇の尾形伸之介さん、日活の技斗(主に現代劇のアクション)の高瀨 将敏さんなど現場で殺陣を付けるところを見てきたものです。
時代劇の立ち回りシーンは、訓練に訓練を積んだ、そんな斬られ役が出来る人が居なければ、成り立たないのです。
19歳の晋八君も、「オードリー」の中では、殺陣師として独り立ちして行くのです。