さすらいさんちの話 5/12 | 武蔵野舟木組 2024

武蔵野舟木組 2024

               さすらい

 

この写真は、ネットに出ていたKGBが摘発したスパイの道具だそうです。

ビックリしたのは、この中にある仕込み杖が、我が家にもあるのです。

 

それは上から2番目の杖で、父が晩年にフランスへ剣道と居合道を教えに行った時に、お弟子さんがプレゼントしてくれたようで、わざわざ作って父の名前を掘り込んでプレゼントしてくれたようです。

どういうものかと言うと、上の取っ手の部分を回すと、取っ手が外れ、短く太い、錐(キリ)の様なものが出て来ます。殺傷出来るようなモノではありませんが、刺す事は出来るものです。

まさかまさかの品物ですが、父はスパイではありません。(笑)

しかしこの写真を見た時にはビックリしました。

 

父は60代後半の時に、ある先生の推薦でフランスで行われた、剣道と居合道の親善大会に出場し、それ以来、フランス、ニューカレドニア、メキシコなどへ何度も指導に行くようになりました。耳も遠くなり、元々戦争で片目を失い隻眼の剣士ですが、必ず母が付き添って出掛けたものです

 

父も母も英語やフランス語を喋れる訳ではありませんでしたが、母が必死にフランス語を勉強し、片言ながら喋ったり聞き取れたりはするようになっていました。

そして行くたびに、何かしらお土産を貰って来て、珍しいものが今でもあります。

 

先の仕込み杖や、中世のサーベル、革製の長い鞭やブーメランなど、とても珍しいものです。

フランスやニューカレドニアからは、父の指導を受けるために、我が家に泊まり込みでくるお弟子さんたちが、何人も何回も来たものでした。