さすらいさんちの話 4/28 | 武蔵野舟木組 2024

武蔵野舟木組 2024

               さすらい

 

明日は、カミサンの納骨の日。

長く仏壇の前に居たカミサンの遺骨も家から消えてしまう。

 

花を飾り、毎日お水を取り替え、日に何度と線香をあげる。

仏間の様になっている部屋も、綺麗に広々としているが、カミサンの位牌も、明日からは仏壇の中に入ってしまう。

 

長いカミサンの闘病生活の中で、必ずやって欲しいと言われている事がある。

愛犬のウメは、3年前に亡くなり、遺骨は常に我が家のリビングにあり、沢山の写真と共に家族を見守っていてくれた。我が家に居た14年半、常にカミサンの布団の中で一緒に寝ていた。

そんな事から、カミサンからは「ウメと一緒にお墓に入れて欲しい」との事だった。

 

当然、動物と一緒に墓に入る事は許される霊園ではない。

そんな中、葬儀のアドバイザーから、「骨壺に一緒に居れたらどうですか。私も犬を飼っているので、自分の時は、そうしようと思っています」と言われ、そうする事に決めた。

 

先日、娘が我が家に来た時に、二人でカミサンの骨壺にウメの遺骨を入れた。

火葬の時にも驚いたのだが、体重が35キロほどしかなかったカミサンだが、火葬場の人が驚くほど骨太だったらしく、骨壺が一杯になるほどだった。

ウメは2キロほどの小型犬だったが、ギリギリ骨壺には収められた。

 

明日は、すでに墓には刻印が書かれている。

お坊さんに来て貰い、位牌への御霊入れと納骨を同時に行う。

 

実は、私には生まれて一週間で亡くなった妹がいる。

それが、亡くなったカミサンと全く同じ名前、同姓同名なのだ。だから墓には、同じ名前が刻印される事になっている。生まれた年も一緒という、不思議な縁ではあるが、墓の中で仲良くして欲しいと思う。