映画「堂々たる人生」石原裕次郎・芦川いづみ | 武蔵野舟木組 2024

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               さすらい

60年前の映画が面白い。

肩の凝ろない映画、娯楽映画と言うのは、最近は殆ど見る事が無くなったが、日活らしい楽しい映画のひとつがこの映画だ。大衆作家である源氏鶏太の原作の映画化。

スーパースターの石原裕次郎と、未だに人気のある芦川いづみの二人の共演。まだ20代の二人の若々しさが伝わってくる映画だ。

 

小さな玩具メーカーの社員の裕次郎さん。行き付けの寿司屋の娘が芦川さん。その玩具メーカーを乗っ取ろうとする大メーカーをやっつけて、新商品で会社を救うと言うお話。

寿司屋の主人が桂小金治さんで、妻の清川虹子虹子さん。会社の社長が宇野重吉さんで、裕次郎さんの同僚が長門裕之さん。悪漢役の社員が藤村有弘さん。富豪の社長が東野英二郎さんと、当時の日活らしい俳優さんが顔を揃える。

 

実は楽しいのが、当時の町の様子や生活が見れる事で、実はこれが一番楽しかった。(笑)

 

東京の町

大阪の町

東京駅

当時はまだ新幹線が無いので、普通の列車だし、窓が開くから見送りの人と話も出来る。

列車内には食堂車もあるし、タバコも吸える。向かい合わせの座席も、今は少なくなった。まだまだ和服姿の女性もたくさん歩いていた。

 

羽田空港

東京国際空港なんて呼んだ事がないが、当時はまだA滑走路とB滑走路しかない時代だ。全日空(ANA)

はまだ国際線の定期便は無く、日本航空(JAL)国際線が無かった。JALのバックも見て取れる。

 

浅草寺

60年前と変わらに浅草寺。今はこんなに空いているのは見た事ない。

バスガイドさんが、それこそ田舎のおじさんおばさんを連れて歩いている。ガイドさんの帽子、こんな感じて被ってたな。裕ちゃんの背広姿カッコイイし、芦川さん可愛い。(笑)

 

公衆電話

中原早苗さんは、裕ちゃんを好きなバーのホステス。

電話ボックスも懐かしいし、公衆電話の色も懐かしい。まだ赤い緊急電話のダイヤルもないし、勿論カードなど使えない。映画の中では、全て黒電話が大活躍だ。

 

当時のアパート

当時の映画を見ていると、今と全然違うのは、ドア。このアパートに限らず、ドアが今と全然違う。今は殆どが鉄扉になっているし、ドアノブの違ったりする。この形のトースターも殆ど見る事ないな。

 

寿司屋の居間

一番目に付くのはやはりテレビ。ブラウン管の白黒テレビにダイヤル。テレビの上にレースが置かれて植物が飾ってある。昭和だなぁ~と感じる。座卓はデコラの盤で、灰皿は必ず置いてあるし、所かまわずタバコを吸ううシーンがある。

 

富豪の家

東野英治郎さん、この時はお幾つだろうか。まだ50代半ばだが、随分と老けてる役を幾つもやっている。

変な話綺麗な体してるな。でこのデッキチェアー見ると、昭和の時代のボンボンベットを思い出す。

サマーベットなどと呼ばれ昭和50年代、山済みにして良く売ったものだった。金持ちの家と言えば、必ず芝生を植えてあったのも思い出す。金持ちではなかった、我が家も芝生を植えていたものだ。

 

まぁつらつら思い出すのが好きなさすらいとしては、こうした映画を見るのが好きだ。

「堂々たる人生」暇な時見る事をお勧めする。昭和の時代が幸せだった事を思い出させてくれる。