最近購入したCDが気に入っている。
T.ブラウン指揮のクレアカレッジ聖歌隊の演奏。
ルネサンス時代後期の作曲家の作品を集めたもの。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3647411
中でも出色なのがトラック2番のアレグリAllegri作曲のミゼレーレMiserereだ。
あまりの美しさに息をのむほど…
この曲は2重合唱だけど、本体はこのクレアカレッジの演奏のようにある程度
人数が多い方がいい。
聴きながら1600年前後のローマカトリック教会に思いを馳せる。
当時の教会の響きと空気はこのような風であったろうか?
バチカンのシスティーナ礼拝堂において復活祭の前週に3日間だけ歌われて
いたという秘曲。
もしかしたらこのクレアカレッジの演奏はやわらかく色付けされているかもしれない。
当時はもっと禁欲的な響きだったんじゃないだろうか?
などといろいろ考えてみる。。。
日本ではフランシスコ・ザビエルが来日しキリスト教を伝えたころ。
ローマカトリックもそのころルター派(プロテスタント)が台頭してきていて大変
だったろうな。
このミゼレーレは当時ローマ教皇庁が曲の神秘性を保つために楽譜を外に
持ち出すことをかたく禁じていた。
1770年(約170年後!!)に父親に連れられてローマを訪れていた14歳の
モーツァルトがこの曲を2回聴いて暗譜し楽譜を書き上げてしまったという話は
有名である。約13分もかかる曲なのに!!
クレアカレッジ聖歌隊はクレア大学の学生から成り、みんな20歳前後の若者だ。
ロンドンの合唱団のレベルが世界一というのは有名で、どこのコーラスもうまくて
響きが美しいけど、このクレアカレッジ聖歌隊は特に恵まれている。
なぜって、常任指揮者ブラウンの音楽性が並はずれて高いからだ。