29年  | ひとり息子は大学生

ひとり息子は大学生

一人暮らしの息子を遠くから見守る母のつぶやき

今年もやってきた1月17日。

 

 

あれからもう29年経ったのね。

そりゃ、母も年取るわけだ。

 

 

 

でも。。。

 

 

 

年が取りたくても取れない、

あの日で時が止まってしまった

友人、同級生、先輩後輩たちが

たくさんいる。

 

 

 

年が取れることに感謝しないとね。

 

 

 

29年前、妹は高校3年生だった。

 

14日、15日とセンター試験があって。

 

 

あの年は15日が成人の日で祝日。

日曜日だったから翌16日は振替休日。

 

 

妹、ギャーギャー言いながら自己採点。

 

 

そして17日は

3年生全員が揃って登校する日だった。

 

 

 

あの地震がなければ。。。

あの地震さえなければ。。。

 

 

 

一緒にセンター試験を受けたのに

リサーチ結果を見ることなく、

亡くなってしまった同級生もいた。

 

大好きだった先生も亡くなってしまった。

 

楽しかった高校生活が一変。

 

 

 

日常がこんなに突然、

失われることがあるなんて。

 

 

出願はしたものの、

妹は受験勉強どころではなくなった。

(もともとすごくデリケートな子だったので余計に)

 

 

家が全壊、ご両親が亡くなったりで

この年の受験をあきらめる子もいた。

 

北は北海道、南は鹿児島まで

転校を余儀なくされた同級生も。

(震災で転校した児童数は26,000人に上る)

卒業まであと少しなのに。

もちろん、別れの挨拶などない。

 

 

妹を見ると、ショックが大きすぎて

やる気が起こらないと言うのが正確なところ。

 

 

 

ライフラインは断たれ、水汲みが毎日の仕事。

 

 

 

だけど、

しばらくするとポリタンクを持った妹が

「やっぱり勉強がしたい」と言い出した。

 

 

自分は命があって、家も全壊を免れた。

勉強できるだけ恵まれている。

 

 

その日から猛勉強再開。

 

 

無事、第一志望に合格した。

 

 

 

今年、

能登半島地震で被災した受験生の姿が

当時の妹と重なる。

 

 

共通テスト前だったから

余計に不安だっただろうな。。。

 

 

あと少し、どうか最後まであきらめないで。