摩訶不思議調味料!醤油屋の隠れ味 あけがらし | コン美味食文化論

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コン美味食文化論-あけがらし1



 大阪駅のいかりスーパーで、なんや大層に袋に入れられ、恭しく?販売されておりました。
 ご丁寧に“幻の調味料”とのPOPまで添えてあります。


 なんやなんや、と見本を手にとってみますと、「醤油屋の隠れ味 あけがらし」とあります。

 こういう時はですね、それ以上考えず「商品に呼ばれた」と思ってレジに連れて行くのが正解です>ブログのねた


コン美味食文化論-あけがらし2


 というわけで、おうちにやってきました「あけがらし」
 まずは、袋の中に入っておりましたこれまた大層な説明書きを読んでみませう。


 仕込みからし麹に麻の実をあしらった無添加自然食

 多分唯一当店だけが受け継いできた食材で御座いましょう

 二百余年
 伝承された技法で仕込んだ
 「あけがらし」の他に類をみない
 不思議な風味と味わいは

 懐石料理の食材として、
 又贅沢ですが熱いご飯に乗せれば
 食欲増進の程無比でございます


 …ようわからん。


コン美味食文化論-ロゴ



 製造元である山形県長井市は「山一醤油醸造所」 さんのサイトを見てみましょう。

 原材料は米麹、芥子、麻の実、生絞り醤油、三温糖。芥子は和芥子と唐辛子。


コン美味食文化論-あけがらし3



 これらを調合し、秘伝の製法で発酵・熟成させた、舐め味噌のようなもろみのような外見の調味料です。
 味見してみると、上品な辛さに麹の甘さがからみ、醤油っぽさも残っていて、なんとも不思議な風味です。
 なかなか表現し難いですが、こ・れ・は・お・い・し・い。
 麻の実のプチプチ感と風味もアクセントになっています。

 で、どないして食べんのん?
 
【お召し上がり方一例】
◎熱いごはんに
◎そのままチョイト舐めて酒の肴に
◎豆腐料理の薬味彩りとして
◎浅漬けのお新香盛り合わせなどに添えましても酒徒に悦ばれます
◎野菜に(詳細略)
◎納豆に入れて
◎魚、肉(詳細略)
◎魚介類の天麩羅に塩の代わりに


 え~それでは、(詳細略)の部分を攻めてみましょうか?(天邪鬼なので…)


コン美味食文化論-やきとり1



 というても至極単純、市販の焼きとりを「あけがらし」で食べてみました。

 「こりゃんまい!」以上。(おいおい)


 「あけがらし」は色は濃いのですが実際の味は“ほのぼの”…妙な表現ながらこのことばがしっくりくるのです。
 なので、焼きとりの美味しさを覆い隠すことなく引き立てるんですよね。
 たれ味よりは、塩味によく合います。


コン美味食文化論-やきとり2


 この「あけがらし」は創業寛政元年・山一醤油製造所に江戸時代から伝わり、一族の婚姻など、目出度いときにしか仕込まない門外不出の食べ物でした。
 大正時代に作家・谷川徹三の命名で「あけがらし」と名付けられたとのこと。
 それがなぜ世に出たのかといえば、当代(9代目)があるオフ会に酒の肴として持っていったところ、参加者から「分けてほしい」とのメールがたくさん届いて…がきっかけだそうですから、面白いもんです。


コン美味食文化論-ほるもん


 しかしこれ、ごはんや豆腐もええけど、肉食に向いてやしませんか?
 ハタと思いつき、もつ煮込み丼に添えてみました。
 
 「こりゃ~うんまい!!」以上。(読者ナメてんのか)


 この摩訶不思議な調味料を上手に表現するのは、私の乏しい語彙では、無理でございます。
 どこぞで見かけられましたら、ぜひお試しください。

 まあしかし、日本にはまだまだまだまだまだまだ、知らない食べもんが目白押しのようですねえ。


〈山一醤油製造所 あけがらし〉
内容量:140g
原材料:(大豆、小麦を含む)米こうじ、からし、醤油、唐辛子、麻の実、三温糖



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