京都で食べる富山のご当地ラーメン!富山ブラック | コン美味食文化論

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いけずな京女が、コンビニエンスに現代ニッポンの食文化を探求中。食のクロスロードを縦横無尽に放浪してます。

 ラーメン王国・京都に挑む全国各地のご当地ラーメン。
 その中から選りすぐりが集うのが、JR京都駅ビルにある「京都拉麺小路」です。
 現在、札幌から博多まで7店舗が出店中。(ついでに、佐世保バーガー「ログキット」も同じフロアです。)


コン美味食文化論-店頭


 本日ご紹介するのは、富山県代表「麺家いろは」さん。
 その看板ラーメンが、「富山ブラック」です。


 海の幸薫る黒醤油、これぞ噂の富山ブラック!!


 ご存知でしょうか。
 スープの色がとても濃くて黒=ブラックに近いことからその名がついた、富山のご当地ラーメン。
 その由来は、いつものwikipediaによりますと。


 1955年頃、富山市中心部で富山大空襲の復興事業を行っていた食べ盛りな若者たちの昼食として、また汗をかく肉体労働者のための塩分補給として醤油を濃くしたスープのラーメンを作ったのが起源である。このときは屋台であったが、後に屋号を「大喜」として富山市西町に店を構えた。2000年頃、当時の店長が閉店を決意したがとある企業が屋号を買い取り、さらに多店舗展開した。この頃、富山のラーメン情報を扱う電子掲示板で前述の大喜に加えめん八、竜豊、万里といった富山県内の比較的黒いスープのラーメン屋を総称して富山ブラックと呼ぶようになり徐々に浸透していくことになる。
 (出典:ウィキペディアフリー百科事典)


 従って、ご当地の「富山ブラック」はかなり塩辛いといいます。
 これにはもうひとつ理由があり、労働者たちは白飯を持ち込んでこのラーメンをおかずにして食べていたので、味の濃いスープが必要だったのでした。


コン美味食文化論-ポスター



 だいぶ前にテレビの旅番組で、野際陽子さんと氷川清さんが富山で「富山ブラック」を食べるシーンがありましてね。
 麺を一口すすった野際陽子さんが「ご飯!ご飯!」と叫んで席を立ち、氷川清さんを連れてスーパーに走って白いご飯を買い求め、二人でラーメンをおかずにご飯を食べて納得、と。
 もちろん演出でしょうけど、なかなか説得力ありましたよ(笑)


 しかしあまりにも塩辛いままでは、他府県で商売はできません。ましてや減塩減塩言われる昨今においてをや。
 結論を先に述べますと、「麺家いろは」さんのスープは、色は真っ黒ですが塩辛さはなく、後味は意外とすっきりしています。


コン美味食文化論-スープの話


【麺家いろは 黒醤油スープのはなし】


①秘伝の魚醤を長時間煮込んだ真っ黒いタレ
②丸鶏と野菜でじっくり仕上げた上品で繊細な丸鶏スープ
③特許出願中の「白エビの殻干し」をはじめ、海洋深層水、昆布、かつお節など、海の素材から生まれたコクの深い魚介系スープ。


 これらをバランス良く一体化させたのが、麺家いろはの黒醤油スープです。

 初めて食べる人は、味覚の記憶にない味に、「味が分からない!?」と思うかもしれません。
 ところが今では常連になった人のこんな声があります。「最初はこんなものかな、と言う程度にしか感じなかったのが、二度目には案外旨いじゃない、に変わり、三度目にはこんなに旨かったんだ、と急に美味しく感じて、自分の味覚の変化におどろきました。それ以降は、一週間も食べずにいると、どうしても食べたくて仕方がない衝動に駆られます。」と。
 私は、麺家いろはを創業した当時、全くスープ作りを知らなかった為に、澄んだスープの支那そばを作りたかったのに、どうしても真っ黒なスープにしかならず、「まあ旨けりゃいいか。」とそのままスープ作りの手法に取り入れてしまい、今では、当店の秘伝となっております。
 その当時から、極力、化学調味料を抑えて、健康に配慮すると共に、毎日食べても飽きない、本物の旨さを追求し続けて参りました。これからも黒醤油らーめんがお客様の味覚の記憶に残る味として多くの人に親しんでもらえる様、研究を続けたいと存じます。
      麺家いろは 会長 栗原 清


 ということで、先述の「大喜」などとは由来を別にする「富山ブラック」のようですが細かいことは、言わないっと。

コン美味食文化論-ブラック


 
 ようやく出てまいりました、「濃厚黒醤油 富山ブラック」です。


コン美味食文化論-スープ


 スープ、あくまでも深く濃い色。
 塩辛くはないと言うても、かなり味は濃いぃです。

コン美味食文化論-めん


 
 麺も黒く染まってます。


コン美味食文化論-チャーシュー


 チャーシューも、黒に交わればこんがり小麦色。


コン美味食文化論-ペッパー


 ここに、黒胡椒をたっぷり振り入れていただくわけですから、かなりパンチのきいた味になりますねえ。
 やっぱりご飯が欲しくなるわけですが。
 ご安心ください、席を立って地下食料品売り場に走る必要はありません。

コン美味食文化論-ねこまんま


 
 店員さんに「ねこまんま」をお願いすれば、ご飯を持ってきてくれます。(私はしません)

 食後に喉が渇くこともなく、魚介の旨みだけが余韻として残る美味しいラーメンでした。
 濃厚命、な京都のラーメンたちに慣れた者にとっては、これしきなんでもありません。最も、現地ではどうなのかわかりませんが…。


コン美味食文化論-エプロン


 余談1。
 スープの色が色だけに、服に飛び散るとカレーやミートソースと同じ悲劇が起こります。
 なので、自信のない方は紙エプロンをつけましょう。


コン美味食文化論-米焼酎


 余談2。
 ご飯のおかずもいいけど、きっとお酒のおつまみにもなるよね(笑)
 富山は米どころであり酒どころ、清酒はもちろんですが米焼酎も、酔い…と違ごて好いのがあるんです。
 若鶴酒造さんの「本格米焼酎 秘蔵 蔵人の戯れ」
 これが飲んでみればあら不思議、まるで炊きたてのご飯のようなふっくらとした香りがするんです。
 これ、絶対「富山ブラック」に会うと思うんだよねー。
 「麺家いろは」さんでは生麺とスープのセットも販売してるから、今度おうちで試してみましょう。


〈若鶴酒造 本格米焼酎 秘蔵 蔵人の戯れ〉
内容量:720ml
原材料:米、米麹、清酒粕
アルコール分:25%



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