日本の食力~たとえば、飯尾さんのいいお酢 | コン美味食文化論

コン美味食文化論

いけずな京女が、コンビニエンスに現代ニッポンの食文化を探求中。食のクロスロードを縦横無尽に放浪してます。


コン美味食文化論-日本の食力


 すぐ
 そこにある
 「うまい!」の
 再発見!

 それが、
 この国の
 食と農を
 救う


 ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記」でおなじみの山本謙治氏著「日本の食力(しょくりょく)~国産農産物がおいしい理由(わけ)」(家の光協会、定価1,365円)を、今すぐ読みなさい。
 (なんで命令調なんや)
 なぜなら、本書には私が普段ぐだぐだまわりくどく主張していることが、実にわかりやすく、具体的に書かれているからです。
 日本の食文化の多様性(の一例として、富士宮やきそばも登場)、それを支える地域の食材と人々、それを支えるために消費者がすべきこと、食べ物の価値と対価のバランス、等々。

 日本という国の未来がどこに向かえばいいのか、この一冊を読めばわかります。


 そんな本書には、さまざまな「価値ある食べ物」やその生産者が登場します。
 そのひとつ、京都府宮津市でお酢造りを120年近く造り続けてこられている「飯尾醸造」さん。
 私はこちらを勝手に「いいお酢さん」(アクセント注意)と呼んで、尊敬しています。

 富士酢 900ml
¥992
楽天

※モバイル非対応



 いいお酢はいい原料から。
 飯尾醸造さんでは(昭和39年)から地元、京都・宮津の棚田で農薬を使わずにお米を作ってもらい、その新米だけを原料にお酢を造っています。
 しかも、「日本の食力」を読むと、農家の苦労がわからなければいいお米の扱いはできないと社員一同が米作りのお手伝いもしているのだとか。
 そうして手に入れた貴重な無農薬米を贅沢に使う、これだけでもどんな美味しいお酢か、想像できませんですか。
 さらにその酢造りも、麹づくりからはじまっと杜氏がもろみを仕込み、酢酸菌を自然発酵させる“静置発酵法”を守り続けておられます。
 発酵だけで約100日間、じっくり、ゆっくりとお酢を育むのです。
 (現代の酢造りは、空気を吹き込んで8時間~数日で発酵させる“全面発酵法”が主流)

コン美味食文化論-紅芋酢1


 
 こうして生まれる看板商品「富士酢」はあまりにも有名ですので、おいといて、と。
 今回は、先代社長さんが「道楽で造った」と聞き及んでおります(笑)果実のお酢をご紹介しましょう。
 無花果、梨、石榴、林檎、梅、黒豆、赤わいんといったお酢には珍しい材料を使った、色もお味も美しいシリーズ。
 巷によくある「醸造酢に果汁を混ぜたやつ」とは違ごて、それぞれの原料からもろみを造り、発酵させた希少なお酢です。そりゃまあ道楽かもね(*^_^*)


コン美味食文化論-紅芋酢2



  中でもお気に入りが「紅芋酢」です。


 地元、京都・丹後で穫れた紅芋から紅芋麹を造り、さらに発酵と熟成を重ねて紅芋酢を造りました。
 
 鮮やかな紅色、ほんのりしたお芋の甘さ、ツンとしないおだやかな香り。
 お水で5倍に薄めても、その色はまったく変わらずむしろ輝きを増すような気がしました。

コン美味食文化論-牛乳割り


 
 お子様には牛乳で割ると、飲みやすいですよ~。はちみつなど加えると、なおよろし。
 牛乳が少しとろりとして、上等のフ○ーチェ(笑)

コン美味食文化論-ヨーグルトかけ


 
 ヨーグルト(加糖タイプ)にかけても、綺麗ですねえ♪
 脂っこい食事のあとになど、ヘルシーな大人のデザートとしてどうぞ。
 
 さすがに普段づかいできるお値段ではございませんが(使うほうも道楽だな)、パーティや美味しいお料理のある日なんかに使いわけると楽しいと思います、果実酢シリーズ。
 そして、「富士酢」は皆々様ぜひ一度お試しください!
 
 いいお酢をはじめ「価値ある食べ物」を利用することが日本の食力を高め、この国の未来を救います。
 
〈飯尾醸造 紅芋酢 550円〉
内容量:120ml
原材料:紅芋、米



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