◆割烹着を染める(着物)◆ | 頑固オヤジの、ばり雑言!!

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真っ当な、和の文化を残したいもんだわさ。
 
劣化し続ける和文化に警鐘を鳴らすべく、
思いの丈を書き綴った強面親父の言いたい放題!

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四半世紀以上の長の付き合いの履物問屋の若女将が、店が新しくなったのに合わせて着物を着るという。

 

大女将はいつも着物、てんで、若女将にも着物を着ろと言い続けて10年以上、新しい店はワンフロアーなので着物で階段を上がる必要もなく、やっとその気になったよう・・・。

 

先月初め浅草雷門の履物問屋へ行った時、これから着物の上に割烹着を着ると若女将が、これを着ると割烹着を持って来た。

 

 

食い物屋じゃないんだから白い割烹着は似合わない、染めてやろうか?と何時もの悪い癖。鼠にするかと問うと、「あんな色が良い!」と置いてあった物を指差し若女将が言った。

 

 

確定申告が終わり木版画の摺も終わった先日、割烹着の染に取り掛かった。品物を見ると生地に撥水加工をしてある、このままだと染められないので、先ずは撥水加工を取り除く。

 

 

 

撥水加工を取り除くには京都西陣の職人たちが言う、石鹸炊きをしなくてはならない。

てんで、中性洗剤を溶かした湯に割烹着を入れ、暫しグツグツ煮るのである。

 

 

近ごろのガスコンロでは長い間、火を点けたままにはできぬ。てんで、卓上コンロで湯を沸かすがなかなか沸騰しないので、御覧の様に蓋をした。

 

ガスボンベを三本使い、何とか石鹸炊きを終わらせた、染は二日後に・・・・。

 

 

 

半襟の染はちょくちょくやるが、その時使うのは小さな鍋、今回は湯がたっぷり入る御覧の寸胴を使う。

 

色を見て、どんな染料を使えばいいかは直ぐにひらめく。今回は4色の染料を使った。

 

 

 

 

薄めの染液を作り木綿の端切れで色を確認しながら、思い描いた色に染液を近づける。染めたばかりでは本来の色が分からないので、染め終わったら端切れをドライヤーで乾かし色を確認。

 

 

納得できる染液になった所で、本番の染。普段は正絹ばかり染めるので、ポリと木綿の混紡を染めるのははじめて・・・。

 

 

染め上がった後色止めをするのだが、ポリと木綿の色止めに使う材料は違う物。てんで、それぞれに使う材料を混ぜて使ってみた。

 

 

 

 

色止めが終わった後、よく水洗いをし、乾かしたのがご覧の写真。襟のレースと本体の色の違いは素材が違う為。

 

 

 

乾いた割烹着にアイロンをかけ、いつでも浅草に持っていける状態にした。浅草へ行く前に築地に行かなければならないので、忙しい日々が暫く続く。

 

小説を書き、木版画の摺が終わったら割烹着の染色。その間に毎日オマンマを作ったりこまごまとしたものを片付けたりと、貧乏暇なし!

 

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