✳️【立証されていない南京大虐殺】
小林よしのり ラーベは日本兵が見境なく略奪の限りを尽くしていると日記に書いた。「特に好まれたのは壁掛け時計だった」という。
この先も作戦行動がある兵隊が壁掛け時計をどこに持っていってなにに使うのか?
一方、1月2日の日記には、道路に中国人が市を出し、大盛況の様子が書かれている。
城門が閉ざされ、外部との出入りが禁じられているこの時期、中国人たちはいったいどこから商品を調達したのか?
なによりも当時、蒋介石も毛沢東も国際連盟の決議も、再三日本を厳しく非難しているにもかかわらず、「南京大虐殺」について一言も言及していないのはなぜか?
納得いく説明をしていただきたい。
『再審「南京大虐殺」』ではその他の論点についても、中国側の出した「証拠」では虐殺は一切立証されていないことを明確に暴いていく。
著者の1人、竹本忠雄氏は言う…
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戦後半世紀余り、日本は、この問題で外からなにを言われようとも、一貫して沈黙を守り続けてきた。
ここに初めて我々は沈黙を破る。
ただし、中国式金切り声ではない。
被告席に立たされた日本の、低温で立ち昇る、しかし清明公正なる陳述である。
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小林よしのり 今後、海外に留学、居住する人には、この本は必携である。
そしてフェア・プレイ精神と知的好奇心を持つ1人でも多くの人に読んでもらってほしい。 小林よしのり〈新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論2〉より
✔️【真相〈「おまえが言うな」状態〉】
冗談も休み休み言ってください。
納得いく説明をしていただきたい?
フェアプレー精神と知的好奇心を持つ人に読んでほしい?
そっくりそのままお返しします(笑)。
ただ、これだけで終わったらおもしろくないので、2、3書いてみたいと思います。
【壁掛け時計略奪の情報操作】
まず、「日本兵は好んで壁掛け時計を盗んだ」という記述。
たしかに〈南京の真実〉117ページにそのような記述がありますが、そのわずか11ページ後の128ページにはこのような記述があるんです。
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ここに署名しました540人の難民は、広州路83~85号の建物の中にぎゅうぎゅうに押し込まれて収容されています。
今月の13日から18日にかけて、この建物は3人から5人の日本兵のグループに何度も押し入られ、略奪されました。今日もまたひっきりなしに日本兵がやってきました。装飾品はもとより、現金、時計、服という服、なにもかもあらいざらい持っていかれました。比較的若い女性たちは毎夜連れ去られます。トラックに乗せられ、翌朝になってようやく帰されるのです。これまでに30人以上が暴行されました。女性や子どもたちの悲鳴が夜昼となく響き渡っています。この悲惨なありさまはなんとも言いようがありません!
どうか、われわれをお助けください!
南京にて、1937年12月18日 難民一同
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また、172ページには次のようなことが書かれています。
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午後2時、クレーガー、ハッツ、私の3人で、ドイツ大使館に行った。3時に、日本大使館の田中、福田両氏と一緒にローゼンたち3人がやってきた。我々はクレーガーがどこからか接収してきたシャンパンで歓迎の意を表した。ローゼンは、盗まれた車の変わりに、豪華なビュイック一台と、ドイツ大使館用の公用車を一台、日本から借り受けた。ぜったいに返すものかと息巻いている。それからみなでシャルフェンベルクの家に行ってみた。家中ひっかきまわされ、目も当てられない状態だ。大切にしていた品の中でも彼が特に残念がったのは、シルクハットとネクタイだった。なにしろ40本もあったのだ。今度また休暇で日本へ行ったら、みなでぬかりなく目を光らせ、シャルフェンベルクの高級ネクタイをしている奴をとっつかまえてやろうということになった。
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このように、どこにも「壁掛け時計」という言葉は出てきません。
小林よしのりの言い方だと、日本軍は来る日も来る日も壁掛け時計ばかりを盗んでいたかのような印象を受けますが、そのような事実はまったくなく、日本軍はありとあらゆるものを略奪していたことがわかると思います。
つまり壁掛け時計うんぬんという記述は、小林よしのりおよび〈再審「南京大虐殺」〉の情報操作にすぎないというわけなのです。
ついでに言ってしまうと、「壁掛け時計を盗んだあとも作戦行動がある」などと言っていますが、その根拠はなんなのでしょうか?
【〈封印の昭和史〉に書かれているのだが……】
また、蒋介石と毛沢東が南京大虐殺に触れていない理由なのですが、なんと大虐殺なかった派の小室直樹と渡部昇一の〈封印の昭和史〉という本の68ページに、その理由が書いていてあるのです。
興味がある方は自分で調べてみてください。
しかし──〈新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論2〉の前作〈新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論〉の参考文献に〈封印の昭和史〉が載っているのです。
よって小林よしのりは蒋介石と毛沢東が南京大虐殺に触れていない理由を知っているはずなのですが……。
【清明公正とは片腹痛い】
最後に……。
私は〈再審「南京大虐殺」〉を読んでいないのでよくわからないのですが、小林よしのりによると中国側が出した証拠に対して検証・論破を試みる、という内容なようです。
が、それだけでは論破に成功したとは到底言えません。なぜなら「南京大虐殺はあった」と主張する研究家は日本にも多くいるからです。それも誰をとっても強いです(笑)。
私は彼らの知見をベースにしつつ、自分なりの視点・推理・考察を
まじえてこのブログを書いているのですが、〈再審「南京大虐殺」〉が清明公正とはかけ離れたものであることがよくわかってもらえたと思います。
【まとめ】
●〈再審「南京大虐殺」〉は全然清明公正などではない。
●小林よしのりはやっぱり〈南京の真実〉をろくに読んでいない。