ビッグイシュー 定例会 書初め4年目 | Maki Murakami Official Blog

1月16日(木)太陽☀



凸凹 月に1日と15日の2回発行されるビッグイシュー


ホームレス販売者が


1冊300円で販売すると160円が収入になります。


http://bigissue.jp/latest/index.html


そのロンドン生まれのビッグイシューに日本で関わる


販売者、スタッフ・事務局、サポーター、ボランティアが集う


定例会の新年の書初めにお伺いして


4年目となります。



「継続すること」の意義


はやはり大きいです。





凸凹 そもそものきっかけは


友人にビッグイシューという雑誌があると


紹介され


何度が定例会にお邪魔しておりましたが


ある新年の会の際に


今日は書初めをします。。。とのこと。


友人が私が書道の先生で・・・と話しますと


その場で講評を頼まれました。


それ以来、毎年お声をかけていただくように


なりました。




凸凹 ご縁を感じますね ドット


とスタッフの方とも


お話しいたしました。




凸凹 友人はビッグイシュートレインという活動に関わっており


http://www.bigissuetrain.com/


私も参加したことがあります。


偶数月に1回、


HPにある予定の日曜日に


池袋発朝10時の外回りの山手線の


5両目あたりに


ビッグイシューを持って乗り


読むというシンプルな活動。




凸凹 知っている人同士で話したり


我関せずという雰囲気で


ただ黙々と読んだりとまったくの自由。


無理のない参加、


さりげなくビッグイシューの認識を高める


という息長く続けられそうな活動です。




凸凹 ビッグイシューを通じて


そのほかにも様々な活動が繰り広げられています。




凸凹 スタッフの方に、


私がお伺いする前の書初めは


いかがでしたかとお尋ねいたしましたら


偶然にも


書初めがはじまったのが4年前とのこと。


それまでは、恒例となっている


手づくりお雑煮とおせちの会食だけで


書初めはなかったそうです。


その後、新年の抱負を筆で書いてみよう


ということで書き初めがはじまり


その会にたまたま私が参加していたということでした。




凸凹 今年の書き初めには


2014年の馬や新年にまつわる手本を


いくつか用意いたしましたが


基本は自由な書。


「岩」「森」やお子さんのお名前


「大吉」「うたう」「青空」「VOGUE]


ご自身の好きな歌うことやファッション


「やせる」「目く 聞く 心く」で


「目配り 気配り 心配り」と読まれた方も。




凸凹 墨量多めで潤いのある表現の方。


清澄な唐代の楷書のような線質の方。


不安定なバランスなのに一点の重心を保つ方。


「のし紙」にしたいような字配りの方。


ふつうは大きくする右祓いを途中までにして


「表現の停止」を利かせている方。


などなど


今年の皆さんのそれぞれの活動の方向性が


感じられるようでした。




凸凹 講評をさせていただきながら


Tシャツのデザインにしたい書


ビッグイシュー誌に掲載したい書


日本酒のラベルにしたい書


などなど・・・目白押し。




凸凹 高齢者福祉施設でも書道ボランティアを


続けておりますが


「素人」の方々の作品には


とてつもない魅力があります。




凸凹 書を学んでいると


「作為がある」とよく注意をされます。


臨書をして、また他人の書をみて


いいところを学び続けるうちに


もっといいものを書きたくなる。


これは当然のことですが


そこに自然の表現から離れて


「作為」が生まれ


自分の作品意図ばかりが先行してしまうのです。




凸凹 ところが


「素人」であると文字通り


「素」なのです。


奇をてらわない


自分の生きてきた道がそのまま表わされるところが


力強く、繊細で、深みのある線の所以だと思います。




凸凹 その魅力を


社会的な役割、タスクをもって


筆で表現していただける機会があれば


と日ごろから思っております。




凸凹 いつか


一般消費財のパッケージデザインや


雑誌の題字などの


デザインコンペティションということで


皆で同じ文字に挑戦したり


同じコンセプトから異なる作品を作りだす・・・


というようにタスク付きの活動もしてみたいなと


思います。





凸凹 それだけで、参加者のみなさんの


ひと筆ひと筆の意味


書に打ち込む時間の質


自分の存在が


異なってくるはずです。



凸凹  4回目となったビッグイシュー定例会での


書初めで感じられた


新たな変化があります。




凸凹 それは


おそらく、私や私の書の講評のスタイルが


「先生」として定着したからだと思いますが


大変たくさんのご質問、コメントで


いつにもまして


活発なコミュニケーションが起こったことです。




凸凹 たとえば、半紙の裏表の見分け方について


「先生!」と手をあげてのご質問がありました。


通常「表」といわれるのは?


みなさん、つるつるした方・・・とのお答。




凸凹 それでいいのですが


つるつるした方には「ドーサ」という薬が塗ってあって


墨が滲まなくなっています。


墨をにじませる表現をしたいときには


裏のざらざらしているほうを使ってください。


また、半紙をくちゃくちゃにして広げて


そこに書いてもいいです・・・と実演したりいたしました。




凸凹 ある販売者さんからは


私の講評へのコメントや「つっこみ」が続き


時には漫才のようで


来年は講評をお願いします・・・と


私からお願いしたほどでした。




凸凹 私が初めてビッグイシューの定例会に


お伺いしたころ


私が関わっていた活動のひとつが


「Please 書 Me!」





凸凹 ホームレスの人たちに食べ物をお配りすることも


支援のひとつの方法として参加してみましたが


それだけでは得られない


コミュニケーションの機会、場が


社会的な自立や共存のためには


必要なのでは・・・と


当時通っていた社会起業・政策提言を学び実践する


「一新塾」


http://www.isshinjuku.com/


の仲間と立ち上げたプロジェクトでした。




凸凹 代々木公園や早朝の渋谷や被災地などに赴き


書道具を広げて


ホームレスの方や通行する方々などに


一緒に書を楽しみませんかと呼びかける。





凸凹 その書を通じて会話をし


(何故その字を書いたのですか・・・


からかなり会話が広がり、深まります)


よろしければ写真を撮らせていただき


いずれはその写真展も啓発活動のひとつとして


企画したい・・・と思っておりました。


今は、メンバーがそれぞれの活動で忙しくなってしまい


中断しております。




凸凹  が、


その活動の主旨、精神が


ビッグイシューの定例会の書き初めの


4回目にして


ささやかながら


息づいていた…育ってきたと感じた瞬間でもありました。




凸凹 どんなに小さくても


自分も含め


すべての人が


それぞれの場、機会で


役割を担う、そのタスクを全うするために


内在する能力を磨き、発揮する。





凸凹 そこに自分の存在、他人の存在


それぞれの価値を見出すことができる。


それは確実に


着実に


日々の営みの積み重ねから生まれるもので


そんな循環に関われるように


息の長い試みを続けてまいりたいと思います。



クロネコちゃん