1月6日(月)
年末年始、お正月休
Uターンラッシュも終わり
いよいよ平常モードに切りかえとなります。
お正月恒例の箱根駅伝では
非常にハイピッチのレース展開で
2年ぶりに東洋大学が
総合優勝を果たしました。
粒ぞろいの選手たちの安定した走りが
非常に印象的でしたが
何事にも共通するえあろう
ふたつの大きな成功の秘訣が
示唆されたように思います。
ひとつは今の成功の陰に
必ずその道を築き上げた人たちの
足跡のあること。
東洋大学といえば
2年前までの優勝のキーパーソンであった
柏原竜二選手。
駅伝総合優勝を果たした後
東洋大学への一般の入学志願者も増加。
大学改革を語る東洋大学のある教授が
大学の学びの質をあげるよりも
柏原君のような選手を発掘するほうが
いい学生を集めることができるのでは
と嘆いて(?)おられました。
駅伝の分野では
確実に柏原効果があったのではないでしょうか。
大リーグ野球の野茂英雄選手、マック鈴木選手、
オリンピックの各競技や
音楽、芸術、どの分野でも
必ず草分け、パイオニアとなる人のおかげで
その分野の隆盛がみられます。
自分が草分けになるか
そうでなければ、草分けとなった人たちの
存在、その苦労、努力を忘れては
ならないでしょう。
そして、もうひとつの成功要因は
新聞の「顔」欄(読売新聞)に登場した
東洋大学のキャプテン
設楽啓太選手の言葉に集約されるでしょう。
5大会連続で2位に「甘んじた」理由を
部員同士で話し合ううちに
「人任せにするチームの姿がみえてきた」ことから
「全員が自分で決める覚悟を持つ」
ことを実践。
物静かなキャプテンから口うるさく叱咤するように
なったと書かれていました。
この
「人任せにする」風潮は現代の特徴であり
様々な文明の利器や革新的なアイディアの産物でも
あると常々感じております。
会議の手法で「ブレインストーミング」が
採用されるようになったころには
面白くて画期的な視点だと思っておりました。
その後、モデレーターやファシリテーターという
議長とは異なる、参加者の意見を尊重し
議論の内容を引き出していく役割が浸透し
ポストイットを利用した
参加者全員の小さな声もすべてをくみあげる
方式が様々な場でおおいに活用される様に
なりました。また、ネット上での
フラットな意見交換も当たり前になりました。
全員参加、
人前で意見を述べるのが得意でない人も
思いを文字にすることでもれなく参加できる、
すくい落としのない議論ができる
といった観点から非常に有効である反面、
参加者はかなり楽をしながらの言いたい放題、
言いっ放し、ファシリテーターや事務局に
任せっぱなしの風潮が色濃く出てしまいがちであるのも
事実です。
今まで様々な話し合いの場に参加してまいりましたが
非常にレベルの高い議論の条件なのではと思えたのが、
参加者すべてが自分なりに議長などの主体として
その話し合いをどうまとめ、どの方向にもっていくのかを
考えるというものでした。
ファシリテーターや議長になりたがらない人も多く、
その立場になってしまうと
自由に意見が言えないから
と語る人に何度か出会ったことがありますが
「言いたい放題」は
自己満足にすぎません。
年末年始に様々の地域を訪れましたが
ここをこんな風にすれば
もっと人が来るのでは
この部分を都会にあてはめれば
みな元気に年老いていくのでは・・・
といった「いいたい放題的な発想」は
たくさん浮かびます。
それをいかに実行可能なものに
していくかは、
やはり、それぞれの地域で何らかの責任を
もって発言するという立場が
必要になります。
何事も
人任せにせず、
自分で決め、自分で実行し
その結果に責任をもつ覚悟を持つ。
今年の箱根駅伝は
トップのペースが速すぎたため
自分の大学の襷をつなぐのではなく
「繰り上げ襷」で
リレーが途切れてしまった大学も
多かったといいます。
去年だったら、他の年だったら
ちがったのに。
環境、状況が違ってたら
よかったのに。
そう思うことも日常でたくさんあります。
そんな時もやはり
自分で責任のもてる年にしてまいりたいと
箱根駅伝から教えられました。