海外在住のみなさん、こんにちは。
今日は心理学らしく「自分」の話をします。
よく、人間関係で「他人から見える自分が気になる」というお悩みがあります。
「みんなからどう思われているんだろう」
「すごくしっかりしているように見えるみたい・・本当はそんなことないのに」
などです。
この「他人から見える自分」を重視しすぎて自分がダメに見えてくると、周囲に合わせようと頑張りすぎたりして辛くなります。なので、カウンセラーとしては「他人の目を気にしないでね!」「あんまり他人と比較しないでね」と言ったりすることがあります。
ところが、「他人から見える自分」よりもっとダメ出しがきついのは、実は「自分が見ている自分」のほうなんです。
「自分ってなんでこんなこともできないんだろう」
「この性格なんとかしなきゃ」
「もっと本気出さなきゃ間に合わないぞ!」
など、みなさん、こころの中でブツブツつぶやく………いや、もしかしたら大声で、叫んでいる言葉がありますね?
私も、あります(笑)
この、自分が見ている自分。
自分が自分に投げかける言葉。
自分が自分に接する態度。
これが、「自分が自分との間に築いている、人間関係」です。
自分を円の中にいると考えると、一番外側にあるのが、他人と自分とを分ける線。
でも、その円の中にももう一つ円があって、自分が外から見ている自分がいて、見られている自分が一番小さい円の中にいます。
自分の中に、自分を見ている自分がいて、鏡の中に見られている自分がいます。
心の中に「自分を見ている自分」と「見られている自分」があって、そこにも「関係性」があるんですね。
関係性と言ってもピンとこないかもしれませんが、私たちが日常的に言っている言葉を取り上げてみましょう。
たとえば、
「本気出すぞー」
「集中するぞー」
「視野を広げてみよう」
これを、自分との関係性という視点で見れば
「本気出すぞー」→「自分と対話して、どこまで行けるかリミットを確かめてみよう」
「集中するぞー」→「自分と目の前のことの間に、排他的な関係を築こう」
「視野を広げてみよう」→「自分と対象との間を新しい視点で見てみよう」
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、なんとなく関係性の考えがわかるでしょうか。
こういうちょっとした態度とか感情も、【自分が自分に言ってあげる言葉=自分と自分との関係】に翻訳することができます。
こんなふうに、私たちは小さいころから、他人と築く人間関係と同じように、自分と自分との人間関係も築いてきたんです。
さて、この関係性、時によって、ものすごーくシビアです。
他人には甘いのに、自分にはものすごく厳しい。そんな癖がある人はいませんか?
たとえば、人生に後悔が多い人がいます。
「あんなことしなきゃよかった」
「もっとこれをしておけばよかった」
「一生悔やまれる」
これを関係性の視点から見ると、どうなるでしょうか。
「今の自分の視点から、過去の自分を批判する&断罪する」という関係ですね。
批判すると、批判している自分は正しい大人の立場で気分が良いかもしれませんが、批判されている鏡の中の自分は、ちっちゃくなっています。
後悔ばかりだと苦しくなるのはそのためです。
鏡の中の自分にも、ちゃんと心があるんですね。
私が尊敬するカウンセラーのルイーズ・ヘイは、「自分を愛する10の方法」の中で、自己肯定感を高める方法の第一は「自分を批判しない」ということだと言っています。
「自分を批判しない」ことを本当にできるようになったら、他の9つは必要ないとも言っています。それぐらい、自分を批判しないことは大切だということです。
後悔が多くて苦しいとき、自分と自分の関係性があんまりうまくいっていません。
でも、自分と自分との関係性は、変えられる。
ここがとっても大きいポイントです!
ルイーズは上記の「自分を愛する10の方法」に加えて、ミラーワークを重視しています。
鏡に映った自分に「大丈夫」「全部うまくいく」「大好き」などの、ポジティブな言葉を語りかけるというものです。
暴力とネグレクトを受けて育ったルイーズは、自分の顔を鏡で見るのが大嫌いでした。
ましてや、自分の顔にポジティブなことを言うなんて、嫌悪感が満載でした。
でも、鏡に映る自分を、まずは貶めたり批判したりしないでそのままじっと見ること。
(肌チェックやダメ出しもなしで)
そして、徐々にできるところから褒めていく。
ミラーワークが抵抗があったら、日常で自分にやさしい態度をとることを心がけていきましょう。
無理しない
がんばりすぎない
自分を労わる
自分を認める
「がんばる」「やる気を出す」ときは、こんなことを考えて見ましょう。
「がんばる」「やる気を出す」を、自分との関係性という視点から見ると、2通りあります。
1、「インスピレーションやモチベーションを持ってきて、自分に与えてあげる、自分を応援してあげる」
2、「自分にもっと厳しくして、自分を追い込んで成果を出す!」
1は自分にやさしいがんばり。
2は自分に厳しいがんばりです。
鏡の中の自分は、どちらが喜ぶでしょうか。
さらに、「自分と自分との関係」は、他人との人間関係に影響します。
人から「がんばれよっ!」って言われて、素直に「よし、がんばろう」って思える時と、「がんばってなんて言わないで!」と反発する時と、ありますよね。
この違いは、自分と自分との関係性によります。
1の場合は、がんばれと言われて素直に「応援された!」って思えるけれど、
2の場合は、まるで鞭で自分をビシバシ打っているような感じなので、人の言葉によってさらに追い込まれます。
「もう十分がんばっているのにこれ以上何をしたらいいの?」ともなるわけです。
自分にやさしい態度をとり続けていると、他人との関係がまるくなってくる不思議が、ここにあります。
心理学では、自分と自分との間の関係性が、他の人間関係の基礎になっているということが、よく言われます。
自分と自分との関係を、優しく、やわらかく、愛あるものに変えていくことはできます。
カウンセリングが役に立ちますので、手を伸ばしてくださいね。
参考記事:
日々のアファメーション(考え方編)
日々のアファメーション(ルイーズ・ヘイ編)
アファメーション(メディテーション編)
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