相談事例(駐在員妻1年、何もする気がおきません) | 海外生活・国際恋愛カウンセリング

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Aさん

夫の駐在で、海外に来て1年になります。奥さん同士の会、語学スクール、料理教室など、はじめは忙しくしていたのですが、だんだん疲れてきてしまいました。


語学も思ったほどできないですし、趣味を広げても充実感が得られません。一日、有用なことをせずに過ぎていきます。とてもむなしさを感じています。


友人も、こちらで本当に腹を割って話せる人に出会っていません。
こちらに来る前は、共働きで私も仕事をしており、大変でしたが今のような悩みはありませんでした。子どもはいません。


夫は私の好きなことをしたらいいと言ってくれます。他の奥様は、現地人の友達を作ったり、新しい場所に一人で行ってみたり、ここでしかできない勉学・趣味に打ち込んだり、海外生活を楽しんでいるように見えます。


私の努力不足なのでしょうか? でももう何もする気がなくて、今は家事も嫌々やっています。
 (*相談内容は、いくつかのご相談事例をまとめています)
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ご相談ありがとうございます。

 

Aさんは、日本でされていた仕事を辞めて、だんな様と一緒に海外に来られたんですね。
そして、新しい土地で、1から人間関係を築き、習い事をし、海外生活を楽しもうとなさった。
この1年間、本当に努力してこられたのではないでしょうか。仕事を辞めるというだけで、大きな生活の変化です。

 

それに加えて、引っ越し、新しい文化、新しい言葉、新しい人間関係・・・。
すべてが暗中模索、無我夢中だったのではないでしょうか。相当頑張ってこられたように拝見します。

 

 「一時的に、日本に帰ってみたらどうでしょう」「別の友達を探してみたらどうでしょう」など、状況を打開するための「新しい行動」をアドバイスする向きもあるかもしれませんが、私はもう少し別なことを書いてみます。

 

唐突ですが、Aさんにとって「充実した毎日」とはどういうものですか? また、Aさんは生活の中で自由を感じやすいほうですか? それとも不自由を感じやすいほうですか? 日本で仕事をしていたとき、自由を感じておられましたか?

 

相談文を拝読していると、Aさんは有用なことをしたいという気持ちが強い方のように思われます。それはたとえば、人の役にたったり、将来のキャリアにつながることだったりするかもしれません。自分が今ここにいていいんだ、価値のあることなのだと確信する何かを探している、つまり生きがいを探していて、それが得られないのがフラストレーションなんだと感じます。

 

おそらく仕事をしているときは、仕事をしていることで有用感が得られていたのですよね。今、だんな様に対して、役に立ちたいという気持ちを抱いておられませんか? 家事も本当は完璧にやりたい気持ちがあるのではないでしょうか。

 

さて、日本で仕事をしていたときに自由を感じていたとしたら、Aさんには何らかの形で仕事をはじめることをおすすめします。問題は、仕事を「仕事しなきゃ」「がんばらなきゃ」という不自由な気持ちでしていた場合です。仕事が楽ではなかったということなので、Aさんはどちらかというと後者と推察して書いてみます。

 

さて、私は個人的に、主婦だとか、定年後のリタイア生活という状況は、自分で自分の価値を認めてあげるということを学ぶための最適の環境だと思います。なぜなら、社会的に「何もしていない」「何もしなくていい」状況だからです。この状況にあると、生きがいを外から取り出してこられた方は、心理的にしんどくなります。自分の価値が、対外的に何かをすることにあったからです。

 

ですが、本来の自分の価値はどこか外で見つけるものではありません。心の中にあるものです。生きがいは外からはやってきません。自分の中からしか取り出せないものです。

 

今、私がAさんの状況が自由だと思う点を挙げますね。
・Aさんは今、仕事をしなくていい。
・Aさんは、時間がたっぷりあり、それを自分のために使っていい。
・Aさんは、旦那さんが稼いできたお金を使って楽しむ。それが仕事。
・Aさんは、いろんな人と会うけれど、その人とつきあうかつきあわないかは、全部自由。
・Aさんは、いろんな習い事に出会うけれど、それをしてもいいし、しなくてもいい。
・実際、Aさんは、何もしなくていい。家でごろごろしていても、ぜんぜん問題ない。
・今のAさんの生活に、「これをしなきゃいけない」という枠は、何もない。

 

とてもがんばり屋さんのAさんは、たぶん「語学はできるべき」「趣味は広げるべき」「友人とは腹をわって話す人べき」「海外生活は楽しむべき」「家事はするべき」「努力はするべき」・・・という「~するべき」を、自分に課しているのです。

まるで、重い石をかたくかたく握りしめて、ぜったいに離すまいとしているようにです。

 

これは、せっかくある自由を全部手放して、自分から不自由の枠の中に飛び込んでいっているようなものです。

 

何ができても、何ができなくても、何をしていても、していなくても、あなたはあなたのままで価値があるし、あなたは愛されるに値します。

だから、認められよう、役に立とうとしてがんばらなくてもよいのです。

 

なので、Aさんへの私からのメッセージは
 ・今ある自由をつかんでください。
・もっともっと自分にやさしくしてあげてください。
ということになります。

 

自分を最大限に甘やかすことができたとき、つまり、自分を罪悪感や、自己不全感(自分は何をやっても十分でない、と感じる気持ち)から解放してあげられたとき、Aさんは、今の海外生活が苦にならないだけでなく、人生のどこでどんな状況に陥っても、怖いものなしです。楽に自分自身でいられることでしょう。

 

今、疲れてしまっているAさんは、まずは「今までよくやった」と自分をほめてあげましょう。
そして、「私は何をしてもしなくても価値のある素晴らしい人間だ」という前提に立って、改めて「私は何をしたいのか、したくないのか」、自分の気持ちに忠実に、感じてみませんか。

 

「他の人から見て何が望ましいのか」ではありません。「私は何を望むのか」です。

 

その結果、あなたは何もしない生活を楽しんだり、やっぱり何かをしたり、はたまた日本に帰ったり、バリバリ仕事を始めたり、するかもしれません。

 

でも、その行動は「~べき」ではなくて、「あなたが本当にやりたいこと」の結果として出てくるものですから、必ず良いものになります。

 

自分を甘やかすことを、どうか忘れずに。
 応援しています。

 

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