日米の子どもの友達の作り方(クリーク・仲間関係) | 海外生活・国際恋愛カウンセリング

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海外で子育て中のみなさん、こんにちは。

 

今日は子どもの仲間関係について、お伝えします。

子どもが学校で作る友達は、ランダムなようでいて、ある一定の法則がある場合があります。

 

発達心理学によると、子どもは発達に応じて、小学校から高校にかけて異なる仲間集団を形成します。

「ギャング・グループ」「チャム・グループ」「ピア・グループ」と大別されます。

 

ギャング・グループ(小学生とくに4~6年)

・男の子によくみられる徒弟集団

・行動を同じくすることによる一体感が大切

・遊びを共有できないと仲間はずれになる

・親よりも仲間に認められることが大事

・わざとルールを破って楽しむことがある

 

チャム・グループ(中学生)

・女の子によくみられる仲良しグループ

・同じ興味関心(タレントの好みなど)をシェアする

・「私たちは同じね」(境遇・生活感情など)の確認に意味がある

・仲間同士にしか通じない言葉を作り、通じない者を疎外する。

・基本的に同性の集団。

・言葉でつながっていること(SNSなど)による一体感が大切

 

ピア・グループ(高校生~)

・男女混合で年齢幅もある集団

・内面や外見の異質性を認め、自立した個人として尊重しあう

・互いの価値観や理想・将来の生き方などを語り合う対等な関係

・同じでないといけない圧力は薄い。集団の出入りは、個人の自由

・共通の趣味や目的をもって意図的に集まり、それぞれの個性を活かしあう

 

かなり古典的な論なので、この通りだけではないという異論も多いですが、私は小中学校に勤務していたときによく参考にさせてもらいました。

 

私の中では、ギャング・グループは男の子では中1の途中ぐらいまで続き、そこから競争意識が高まってグループが崩れ(一部チャム化)、高校生になるに従ってピアに移行するようなイメージです。女の子は小学生高学年から明らかにチャム・グループが出来て、それが中学では少し崩れるものの、結構チャムのまま長く続く感じです。(あくまでも、私の知る範囲です)

 

AS脳や発達障害・凸凹発達のお子さんは、ギャング・グループ段階であまり目立たなくても、周りでチャム・グループができ始めて、なじめなくなることもあります。

 

AS脳はかなり幼いころから、チャムを通り越して、ピア・グループ的な付き合いをベースにすることが多いので、小学生なのに大人と話をするほうが楽だったり、違う年齢層の子とよく遊んでいたりします(逆にいうと、同年齢で友達ができにくく、この点をよく親御さんが心配されます)。

 

排他的なコードを作ったり、「私たち同じね」の確認をしたりする必要を感じていない場合もあります。もしピア・グループ的な関係を求めていたとしたら、たとえ小学生であっても、意見の交換や価値観の相違を楽しみます。

 

さて、以上は日本の小学校~高校で顕著にみられる仲間形成です。では、海外の学校ではどうでしょうか。

 

アメリカではチャム・グループはクリーク(clique)と呼ばれます。Wikipediaによると、クリークとは2~12人まで(5,6人が最も多い)のグループで、同年齢、同性、同人種、親の社会的ステータスや経済的なバックグラウンドが同じ者同士が一緒になりやすいです。中学生ごろから見られ、はじめは男の子同士、女の子同士でくっつきますが、恋愛を通して次第に崩れていき、中学の終わりまでにはカップルの乱立により完全に崩壊します。

 

海外のスクールカーストとしては、ジョック・クイーンビー・プリーザー・ナード・エモ・ゴスなどが有名です。これらはクリークと重なりますが、クリークは学校の人気序列とは直接関係のない集団で、もっと小規模で、つながりが深く、密度の濃いやりとりがあるのが特徴です。女の子ではゴシップや、感情の共有が見られ、男の子は共通のアクティビティーが入り口となってつながります。

 

クリークはメンバーの入れ替わりを経ながらもだんだん強くなっていくことが多く、クリークの安定性に比べたら、個人間の友情のほうがはるかに崩れやすいそうです。といっても、このクリークも結局、カップルができはじめると瓦解していくのです。面白いですね。

 

(クリークのことがわかると、アメリカの中学生がなぜ、あんなにも彼氏彼女を作りたがるのかがわかると思います。カップルになると、彼らは仲間を飛び出して自分たちの世界を作り始めて、クリークがだんだん機能しなくなってしまいます。海外の中学生は早熟に見えますが、中学生の恋愛は、心理発達的に言えば、仲良し集団から個人主義に脱皮するための大きなファクターでもあります。ですから、特にアメリカ系の学校に通っているお子さんが恋愛をしたがっていたら、親御さんは心配かもしれませんが、かなり自然なことだと思いますので、どうか禁止せず温かく見守っていただければ~なんて思います。この話はまた別のところで・・・。)

 

私がオランダのインターナショナルスクールで中学校時代を過ごした経験を思い返してみると、クリークと呼べるものはあったなあと思います。インターでは、まず圧倒的に「英語が第一言語の人」と「そうでない人」が分かれていて、その中でおのおの、人種・言語・文化・・・などを中心にまとまる小グループがありました。この小グループが今思い返すと、クリークだったような気がします。

 

クリークには、複数のクリークと接触をもちつつ調整役をするLiaisonsが存在するようなのですが、残念ながら、私の学年にはこういう調整をする人はいませんでした。そのため、クリークは閉鎖的になりがちだったと感じます。他の学年のほうが、クリークは流動的だったように記憶しています。ちなみに私は「日本人・韓国人・フィリピン人」(当時、中国人は学校にいませんでした)から成る「アジアン・グループ」に所属していました。

 

一人、アジアン・グループに所属せず、ヨーロッパ出身者のグループに所属している日本人がいました。彼は学校の規則に従わず、いつもガムを噛んでいて喧嘩っ早い、典型的な「バッド・ガイ」でした。彼と同じような人は、アジアン・クリークには他にいなかったですから、他のクリークに行きついたのはもっともです。

 

日米とも、いろいろなグループは存在しつつも、高校生以降はだんだんピア・グループになっていく傾向は共通のようです。

 

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