WBCがSL級王者 デビン・ヘイニーを休養王者に降格→ 暫定王者 アルベルト・プエジョが正規昇格 | ボクシング・ダイアローグ

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現地時間24日、WBC[世界ボクシング評議会]がスーパーライト級王者 デビン・ヘイニー(米)を休養王者に降格、代わって暫定王者 アルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)を正規王者にスライド昇格させることを発表。

 

休養王者移動は、ヘイニー本人からの要請を受けたことによる決定だそうですが…

 

正規王者に繰り上がったプエジョに対しては、ヘイニーに課されていた 1位 サンドル・マルティン(スペイン)との指名戦を指令。

 

(プエジョvsマルティンはヘイニーの降格で空く〝正規王座の決定戦〟になる、と報じているメディアも見受けられますが、WBCの公式ホームページにはプエジョを正規王者に認定したとの明記があり、であれば防衛戦の筈)

 

さらに、今月15日(日本時間16日)の暫定王座決定戦でプエジョに僅差の2-1判定で敗れたゲイリー・アントゥアン・ラッセル(米)の即リマッチ要請も受け入れ、プエジョvsマルティン勝者にラッセルとの対戦を義務付け=ダイレクト再戦ではないものの、ラッセルの間接的な世界再挑戦を承認。

 

ヘイニーは今年4月、ライアン・ガルシア(米)に3度のダウンを奪われる判定負けで初黒星を喫するも、ガルシアのオーバーウェイト失格&試合後のドーピング違反発覚により王座はそのまま保持&敗戦もノーコンテスト(無効試合)に変更され無敗を死守。

 

その間の先週18日(現地時間)にマルティンとの指名戦の入札が行われたながら、ヘイニーの共同プロモーターのマッチルームは「ヘイニーはフリーエージェント」だとして入札に参加せず、マルティンをプロモートするトップランクが単独入札で興行権を獲得(242万ドル=現在のレートで約3億8500万円)。

 

試合成立の場合は、WBCの規定に基づきファイトマネーはその242万ドルをヘイニーとマルティンで分配、しかしガルシア戦で本人曰く総額3500万ドル(同上=約55億6700万円)を得たというヘイニーがそれより格段に少ない報酬でマルティン戦に応じる可能性は低い、と見られていた状況で今回の休養王者スライド発表… の経緯。

 

次戦は再びガルシアとやる、と口にしているヘイニーは、ガルシアが体重超過&禁止薬物使用のペナルティとして1年の試合出場停止処分を受けたことに伴い、自身も1年間リングを離れ、この先は階級にこだわらず好きなウェイトで戦うと発言。

 

そうした腹積もりから自ら望んで休養王者に降格した、という事情のようですが…

 

ガルシア待ちという自己都合で本当にこの先1年も試合をしないつもりでいるなら、普通に返上すれいいんじゃ、と思うのは自分だけ?

 

ウェイト面も含め、相手はいろいろとあてにならないガルシアという訳で、リマッチが実現してもスーパーライト級で出来るかどうかは非常に怪しく…

 

ヘイニーが本気で再戦したいのであれば、ウェルター級くらいの契約体重でも体負けしないようにその1年でしっかり肉体改造するとか、そういった対策が必須なのでは?と思うので、だったら格下げになってまで名ばかりの王座:衛る意思があやふやなタイトルにこだわる必要はないんじゃと、そういう理屈。


(当事者の内実を知らない部外者の勝手な言い分かもしれませんが、やむを得ない事情とは違う自己の思惑によるタイトル停滞等のせいで、統括団体に不可解な暫定や休養の王座をつくらせる原因を増やすのはやめてほしい)

 

公式レコードとしては無効試合になったとはいえ、ガルシア戦はKO負け寸前まで追い詰められただけに、ヘイニーとしては借りを返したい気持ちが強いんでしょうけど、現状のスーパーライト級はハッキリした主役が存在しない状況。

 

そうした意味合いからしても、ここで自ら抜けるのはもったいない気もするんですが、こういったケースの動向というのもコロッと変わったりするので… やっぱり静観が一番。

 

WBA正規:イサック “ピットブル” クルス(メキシコ)

WBA暫定:イスマエル・バロッソ(ベネズエラ)

WBC正規:アルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)

WBC休養:デビン・ヘイニー(米)

IBF:リアム・パロ(豪)

WBO:テオフィモ・ロペス(米)