《 3日に投稿/公開したのが今日になって記事が消滅しているのに気付いたため、もう一度大雑把に書き直しての再投稿です 》
6月1日(日本時間2日):サウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで開催されたマッチルーム・ボクシングとクィーンズベリー・プロモーションズによる「5×5対抗戦」イベント。
[メイン:張志磊 vs デオンテイ・ワイルダーのヘビー級12回戦、セミ:フィリップ・フルゴビッチ vs ダニエル・デュボアのIBF世界ヘビー級暫定王座決定戦]
その同興行のセミセミ以下で行われた試合の結果&一部観戦記。
◇WBA世界ライトヘビー級(スーパー)タイトルマッチ◇
スーパー王者
ディミトリー・ビボル
(33=キルギス/露:22戦全勝11KO)
vs
挑戦者7位
マリク・ジナド
(30=リビア:22戦全勝16KO)
ビボルは、本来ならこのリングでWBC&IBF&WBO同級王者 アルツール・ベテルビエフ(露/加)と4団体統一戦を行う筈だったのが、ベテルビエフの練習中の負傷(膝の半月板断裂)で延期、急遽ジナドを代役に立てての防衛戦に変更。
昨年12月、同じキングダム・アリーナでリンドン・アーサー(英)に判定勝ちして以来となる、タイトル14度目の防衛戦。
白羽の矢が立てられたジナドは、4月24日にジェローム・パンペローネ(英/ニュージーランド)とのIBF2位決定戦に判定勝ちしてから1ヶ月強のスパンながらも急なオファーを受け、初の世界タイトル挑戦。
結果は ビボルが 6ラウンド 2:06 TKO勝ち。
[動画サイトで見つけたフルラウンドに近い映像にDAZNのハイライトをプラスして、完全版の形にして観戦]
ビボルがガッチリとガードを固め、ジナドは左腕をダラリと下げる構えから共に速いジャブで牽制する立ち上がり。
初回残り50秒を切ったところで、ビボルのワンツーからの左フックが決まり、ジナドが尻餅を着くダウン。
オープニングラウンドで優位に立ったビボルが、徐々に精度を上げつつプレスを強めて主導権を握った一方、ジナドはピタッと足を止めてカウンターを狙っているふうな素振りを見せるも、攻撃パターンは殆ど単調なジャブと右ストレートばかりで、バリエーションの狭さを序盤の時点で露呈。
王者がマイペースを維持しながら着実に追い込んで行く流れで迎えた6ラウンド、左フックのヒットを起点にビボルが一気にスパート、ロープからコーナーに詰めて連打を浴びせると、反撃の手が出ないジナドにレフェリーが割って入り、TKOを宣告。
2018年3月のV4戦でサリバン・バレラ(キューバ)を12ラウンドTKOした後、9試合連続で判定勝利が続いていたビボルは、6年3ヶ月ぶりのストップ勝ちでV14。
流石の盤石の安定感で、ベテルビエフとの技巧vs豪打対決は本当に楽しみ。
ジナドは、急なピンチヒッターで調整不足だった部分はあったとは思うにしろ、少なくとも敗因の部分については実力差の開き、の一言で事足りる気がします。
◇WBA世界フェザー級タイトルマッチ◇
王者
レイモンド・フォード
(25=米:15勝8KO無敗1分)
vs
挑戦者9位
ニック・ボール
(27=英:19勝11KO無敗1分)
フォードは今年3月、オタベク・ホルマトフ(ウズベキスタン)との決定戦に12ラウンドTKO勝ち、前王者 リー・ウッド(英)の返上で空位となっていたタイトルを獲得して以来の初防衛戦。
ボールも今年3月、WBC同級王者 レイ・バルガス(メキシコ)に挑んで2度ダウンを奪いながらも不可解なドローで王座を逃した一戦以来となるリングで、今回はターゲットをWBAに変えてのダイレクト世界挑戦。
結果は ボールが 2-1(115-113×2、113-115)の判定勝ちで新王者。
この試合はフルラウンドの映像が見つからず、DAZNのハイライトを視聴しただけなので内容的なことはわかりませんが…
サウスポーのフォードに対し、このクラス(リミット:約57.15キロ)では極端なほどに小柄(身長157センチ)なボールが持ち味の突貫戦法を敢行して概ね序盤~後半戦をリード、終盤に差し掛かるあたりから王者が追い上げたものの僅かに及ばず、という展開だったようです。
自分的には、ボールのしつこい接近戦に手を焼きつつも、フォードがスピードと正確なヒット数の差で116-112くらいで勝つかと予想していたので、やや意外な結果でしたが…
前戦で微妙な判定に泣かされ王座を掴み損ねたボールが、今度は際どい採点を引き寄せた格好でタイトル奪取。
僅差判定ということで、次戦は両者のダイレクトリマッチになる可能性もありそうですが、フォードは戴冠戦の時点で減量苦を理由にスーパーフェザー転級を示唆しており、この先どうなるのか注目しておきたいところです。
◇WBCミドル級挑戦者決定戦&WBCシルバー同級タイトルマッチ◇
WBO1位/WBC2位&シルバー王者
ハムザ・シーラズ
(25=英:19戦全勝15KO)
vs
WBA2位/WBC&IBF5位
オースティン・ウィリアムズ
(28=米:16戦全勝11KO)
結果は シーラズが 11ラウンド 0:45 TKO勝ち。
序盤にサウスポーのウィリアムズが好打を当てるシーンがあったながらも、191センチの長身&14連続KO勝利のシーラズが中盤あたりにペースを握り、10ラウンド終了間際に右フックでダウンを奪った後、続く11ラウンドにウィリアムズの反撃を跳ねのけて猛攻でレフェリーストップ。
全勝対決を制したシーラズは、WBCシルバー王座のV4と同時にカルロス・アダメス(ドミニカ共和国)が持つ世界王座への指名挑戦権を獲得。
◇WBCシルバー・ライトヘビー級王座決定戦◇
WBA4位/IBF12位
クレイグ・リチャーズ
(34=英:18勝11KO3敗1分)
vs
WBO6位/WBC7位/IBF14位
ウィリー・ハッチンソン
(25=英:17勝13KO1敗)
結果はハッチンソンが 3-0(119-109、117-111、116-112)の判定勝ち。
採点は大差~中差で開いたものの、ハッチンソンがユナニマスの判定で明白に勝利。
なお、張志磊、デュボア、ボール、シーラズ、ハッチンソンが勝利したことにより、5×5 対抗戦はクィーンズベリーの全勝で決着。