【3日遅れの観戦記】アンドリュー・モロニー vs ペドロ・ゲバラ[SF級WBC暫定王座決定戦] | ボクシング・ダイアローグ

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5月12日:豪パース・RACアリーナ開催興行のセミファイナルで行われたWBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦、4位/元WBA同級レギュラー王者アンドリュー・モロニー(33=豪:26勝16KO3敗1NC)vs 6位/元WBCライトフライ級王者ペドロ・ゲバラ(34=メキシコ:41勝22KO4敗1分)。

 

[メインイベントは ジョージ・カンボソスJr. vs ワシル・ロマチェンコのIBF世界ライト級王座決定戦]

 

結果は ゲバラが 2-1(115-113×2、113-116)の判定勝ちで王座獲得、となりましたが…

 

採点に不服のモロニーが引退を口にするほどの接戦だったということで、実際の試合内容がちょっと気になっていたところ、動画サイトにフルラウンド版の映像が上がっていたため、空き時間に観戦。

 

観終わった後は、率直にどっちの勝ちでもおかしくなかった印象で、自己採点をチェックする前に直感で 114-114 ドローかと思ったものの、勘定してみると 115-113  でゲバラ。

 

ハッキリした差のない序盤は軽いパンチのヒット率でややモロニー、4ラウンドあたりからゲバラが前に出始め、単発ながらも当て始めると流れに多少の変化が現れ、後半に入ってから終盤は概ねゲバラ優勢だったかな、という展開。

 

両者とも明白に取ったといえるラウンドは数えるほど、大部分がどちらかといえばこっちかと割り振りで採点する種類の試合で、イメージ的にはドローが一番無難でしっくり来る感。

 

僅差で割れた判定決着、とわかっている上で観た作用もあったと思いますが、モロニーはコツコツ当てる巧さや丁寧な試合運びは見せたものの試合をコントロールしていたというほどではなく、パンチの種類やパフルさでやや上回ったゲバラに多めにポイントが流れたのかな、と推測。

 

リードしていると思っていたのか、モロニーは終盤10、11ラウンドあたりをやり過ごしていたように見えた部分がもったいなかった気がする&フェザータッチのヒットは時々あっても後が続かず、慎重な試合運びがジャッジに消極的と映っただろうことも容易に察しがつきますが…

 

そこそこスパートした最終12ラウンドのような攻めの姿勢を後半以降もう少し見せていたら、 おそらく小差でも 3-0 で勝てていた筈。


どうも、良く言えば技巧派の色合いを強めた半面、それと裏腹に現実的にはやや慎重さが過ぎ、勝ち切れないスタイルに変わったように思え…

 

そのへんは、先ごろ武居由樹(大橋)選手にWBOバンタム級王座を明け渡した双子の兄ジェイソンと、顔形同様によく似ている気が。

 

という訳で、自分的には少なくともこの内容で判定に不満を唱えるモロニーに同調は出来ず…

 

しかも、試合地がモロニーの地元=ジャッジのうち1人はモロニーの勝ちと採点したことも併せ、この結果は妥当な線だったように感じた次第です。

 

効果的なパンチで僅かに競り勝ち、WBCライトフライ級に続き暫定ながら世界2階級制覇を達成したゲバラの方は、10年前に八重樫東(大橋)氏をKOした時のような活きの良さは流石にないにしろ、相手如何でもう一花咲かせる可能性はありそう… かも?

 

今回獲ったのはWBCの暫定ということで、来月開催される同級の正規タイトル戦、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)vs ジェシー“バム”ロドリゲス(米)の勝者と速やかに団体内王座統一戦をやってほしいところですが… あのWBCだけに、まぁ相当に難しそう。

 

特にエストラーダが勝った場合、きっとまた高報酬マッチの選り好みに延々時間をかけると思われるので…

 

タイトルの活性化のためにも、先ず正規の方はバムが勝って王者としての正道に向かってもらいたい、と自分は希望します。