【2日遅れのネット観戦】京口紘人 vs ビンス・パラス | ボクシング・ダイアローグ

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5月11日:韓国・仁川の仁川パラダイスシティ・グランドボール・ルームで開催の『 Treasure Boxing 6 』興行で行われたフライ級10回戦。

 

WBA2位/IBF4位/前WBAライトフライ級スーパー王者&元IBFミニマム級王者 京口紘人(30=ワタナベ:18勝12KO1敗)選手が、世界挑戦の前哨戦の位置付けでIBF10位 ビンス・パラス(25=比:20勝15KO2敗1分)と対戦したメインイベント。

 

結果は パラスの 3-0(97-93×2、96-94)判定勝ちで終わったものの、その採点に疑問の声が多々上がっているというので気になっていたところ、何気に検索してみたらフルラウンドの映像があったので、空き時間に観戦。

 

で、その感想としては、自分も大方の見解と同じく、少なくとも京口選手の負けはないな~な感じで、個人的な採点はやや厳しめに見ても 97-93 京口、98-92 でも妥当だった印象。

 

内容的には、プレッシャーをかけて前進し、大きなパンチを振り回して表面的な攻勢をとるパラスに対し、京口選手がそれを巧く外しつつ、下がりながらもコンパクトなパンチを当てて行く展開に終始。

 

採点基準で一番重視される「有効なクリーンヒット」で割り振れば、おそらく殆どの人が前述したような明白な差で京口選手の勝ちとみた筈な一方、そうした基準を知らない人には、始めから最後まで攻めの姿勢を継続したパラスが勝ったように映ったかも?なイメージも。

 

公開されたスコアカードを見ても、3ジャッジの見解が割れているラウンドが複数あり、結局のところ京口選手の軽いヒッティングはあまり有効打に取られず、パラスのアグレッシブ&手数にポイントが流れた、と解釈して間違いなさそうな感じです。

 

試合終了後、勝利を確信していたという京口選手は、自身のSNSとユーチューブチャンネルで判定への不満と共に、現役を続行する気持ちはないと引退を示唆。

 

冷静になって考え、気持ちが落ち着いて来ればまた違う発言が出て来そうに思われますが…

 

とにかく、今回の試合は中立国の韓国で行われていることもあり、地元判定などの類とは違う、採点基準のバラつきに起因する不可解ジャッジメントの方だった感じ。

 

ボクシングの歴史においては、古今東西ホームタウンデシジョンをはじめとする不当判定の他、早すぎるレフェリーストップによるTKOに見舞われて勝ち試合を負けにされた、等のケースには枚挙にいとまがなく、そのせいでチャンピオンになれずに終わったりタイトルを失ったりする実例もまた少なからずあるながら…

 

でも、そうした不条理への不満や不信を理由に身を引いてしまって、あとあと人生レベルの後悔をすることにはならないのか、余計なお世話だろうことは承知しつつ、京口選手にはよく考えてほしいと思う一部外者の呟きです。