6月15日(日本時間16日)
MGMグランド・ガーデン・アリーナ:米ネバダ州ラスベガス
◇WBA世界ライト級タイトルマッチ◇
王者
ジェルボンテ “タンク” デービス
(29=米:29戦全勝27KO)
vs
挑戦者2位
フランク・マーティン
(29=米:18戦全勝12KO)
デービスは、昨年4月にライアン・ガルシア(米)を7ラウンドKOして以来となる1年2ヶ月ぶりのリングで、タイトル5度目の防衛戦。
ガルシア戦の翌月、2020年11月に起こした轢き逃げ事件の判決後に裁判所から言い渡されていた遵守義務に違反し、保釈を取り消されてボルチモアの拘置所に収監(44日間)されるなど、プライベートでのトラブルの影響もあって長期ブランク入り、今回は久々の復帰戦。
対するマーティンは昨年7月、アルテム・ハルチュニアン(アルメニア/独)とのWBCライト級挑戦者決定戦に判定勝ちして指名挑戦権を手にしたものの、一時は内定と伝えられた同時のWBC王者 シャクール・スティーブンソン(米)に挑む話はすぐに一転してキャンセル、新たな展開の末ターゲットをタンクに変えての世界初挑戦。
プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)の世界戦×4イベントのメインで行われた一戦…
結果は デービスが 8ラウンド1:29 KO勝ち。
[動画サイトで見つけた複数の映像を寄せ集める形で、ほぼフルラウンドにして観戦]
サウスポー同士の対戦は、しっかりガードしつつプレスして出るデービスに対し、マーティンは意識的に右グローブを高く上げて守りを固めながらジャブ、左ストレートで応戦する立ち上がり。
序盤のデービスは圧力はかける一方で手数は少なく、相対的にマーティンが巧く戦っているイメージだったながら、3、4ラウンドあたりから徐々にペースアップ、中盤戦に差し掛かかる頃には王者がジリジリと迫り、挑戦者が足&ボディワークでかわす中でカウンターを狙う展開に。
ディフェンシブなマーティンは、被弾を抑えて時おりパンチを当てて健闘しつつも少しずつ、着実にタンクのプレッシャーに封じ込められて行き、6、7とデービスが持ち味のパワーボクシングをハイギアにシフトして明白に攻勢。
迎えた8ラウンド、仕掛けて出たマーティンをデービスがあっさり圧し返し、コーナーに追い込んだところに強烈な左アッパー炸裂。
膝を折ったマーティンが辛うじて踏み留まり上体を起こした直後、その無防備状態の相手にデービスが痛烈な左フックを叩きつけると、これをまともに受けたマーティンは体を硬直するように、右横へと仰向けに倒れ込むダウン。
立ち上がろうとしたものの出来ず、カウントアウトで試合終了。
相変わらずの強さを見せつけ、デービスが全勝対決を制した結末となりましたが…
試合の面白さも倒しっぷりの良さもまた相変わらず。
ライト級は、WBO王者こそまだ実績不足のデニス・ベリンチク(ウクライナ)ですが、WBCはタンク同様パウンド・フォー・パウンド常連の天才肌スティーブンソン、IBFは久しぶりに王座に戻って来た “ハイテク” ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と、新旧の注目王者が君臨。
こういう状況となれば、機を逃すことなくぜひ頂上決戦を実現させてほしいところです。
マーティンは… 敗因に挙げるのはそもそも違うかもしれませんが、やはり今日は相手が悪かったの一言では。
[全て一緒にすると長くなってしまうので、同興行で行われた WBCライトヘビー級暫定王座決定戦:デビッド・ベナビデス vs オレクサンドル・グウォジク、WBC世界ミドル級タイトルマッチ:カルロス・アダメス vs テレル・ガウシャ、WBC暫定世界スーパーライト級王座決定戦:ゲイリー・アントゥアン・ラッセル vs アルベルト・プエジョ はこれと分けて別に投稿します]