正式発表:8/3「リヤド・シーズン」マドリモフvsクロフォード チューvsオルティスJr. 他 | ボクシング・ダイアローグ

ボクシング・ダイアローグ

観戦記・展望・プレイバックなどなど・・・

 

8月3日(日本時間4日):米カリフォルニア州ロサンゼルスのBMOスタジアム(旧称:バンク・ オブ・カリフォルニア・スタジアム)で開催されるイベント「リヤド・シーズン」が正式発表。

 

[サウジアラビア政府系ファンドの運用でエンターテイメントのイベントを主導するトゥルキ・アラルシク氏が、マッチルーム・ボクシングを窓口に開催する、アメリカ進出第1弾興行]

 

 

メインはWBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチ&WBO同級暫定王座決定戦、WBA王者 イスライル・マドリモフ(29=ウズベキスタン:10勝7KO無敗1分)vs 挑戦者 WBO&WBA&WBCウェルター級王者 テレンス・クロフォード(36=米:40戦全勝31KO)。

 

今年3月の決定戦でマゴメド・クルバノフ(露)に5ラウンドTKO勝ち、空位の王座を獲得したマドリモフは、それ以来となる初防衛戦のリングでパウンド・フォー・パウンド最強と目されるビッグネームとの大一番。

 

クロフォードは昨年7月、エロール・スペンスJr.(米)を9ラウンドTKOしてウェルター級4団体統一を達成して以来の試合で、勝てば世界4階級制覇。

 

ナチュラルウェイトの利はマドリモフにあるとしても、キャリアの濃度は比較にならないほどの開きがあり、普通に考えて予想は大きくクロフォード有利に傾く筈。

 

クロフォードに詰められる前に、マドリモフの一発が決まるようなら大波乱の可能性もなくはなさそうですが...?

 

 

セミファイナル?はWBA世界スーパーライト級タイトルマッチ、王者 イサック“ピットブル”クルス(試合時27=メキシコ:26勝18KO2敗1分)vs 挑戦者5位 ホセ・バレンズエラ(試合時25=米:13勝9KO2敗)。

 

クルスは今年3月、ローランド・ロメロ(米)を8ラウンドTKOで破って王座獲得、これがタイトル初防衛戦。

 

バレンズエラは昨年12月、元WBA暫定スーパーフェザー級王者 クリス・コルバート(米)に6ラウンドTKO勝ちして以来のリングとなり、世界初挑戦。  

 

両者ともライト級から上げてきた同士ながら、ここは勢いの差でクルス断然有利の予想は動かないかな、という感じですが... どうなりますか。

 

 

セミセミ?はヘビー級12回戦、元3団体統一ヘビー級王者 アンディ・ルイスJr.(34=米:35勝22KO2敗)vs ジャレル・ミラー(試合時36=米:26勝22KO1敗1分)。

 

ルイスJr.は、22年9月にルイス“キングコング”オルティス(キューバ)に判定勝ちして以来となる、1年11ヶ月ぶりの復帰戦。

 

ミラーは今年3月、元WBAヘビー級レギュラー王者 ダニエル・デュボア(英)に10ラウンドTKO負けして以来の再起戦。

 

2年近くリングから離れていたルイスJr.のコンディション調整&当日の出来が気になるところですが、アンソニー・ジョシュア(英)をKOして一度は世界の頂点に立っているだけに、その頃の戦いぶりを再びまた見せてほしいところ。

 

 

この他、同イベントには世界戦もう1つを含め、注目カードがラインナップ。

 

 

WBAライトヘビー級レギュラー王座決定戦、WBAスーパーミドル級レギュラー王者 デビッド・モレルJr.(26=キューバ:10戦全勝9KO)vs 6位 ラディボィエ・カラジッチ(試合時33=ボスニア・ヘルツェゴビナ/米:29勝21KO2敗)。

   

モレルは昨年12月、セナ・アグベコ(ガーナ)を2ラウンドKOで下して以来の試合で、勝てば世界2階級制覇。

 

カラジッチは今年3月にサリバン・バレラ(プエルトリコ)を10ラウンドKOして以来となり、初の世界タイトル戦のリング。

 

スーパーミドル級で少しずつ実績を積み重ね、評価&知名度を上げて来たモレルJr.ながら、しかし肝心の同級4団体統一王者カネロ・アルバレス(メキシコ)との一戦が実現せず、ライトヘビーにクラスアップして新たな舵を切った形。

 

打倒カネロのポテンシャルを秘めていると思っていたので、対戦ならずに終わったことは残念ですが...

 

ウェイトを上げての初戦とはいえ、順当であれば本領発揮の勝利で2本目のベルトを手に入れるのでは、と思います。

 

 

スーパーウェルター級12回戦、前WBO同級王者 ティム・チュー(29=豪:24勝17KO1敗)vs WBA1位/WBC6位/WBO7位 バージル・オルティスJr.(26=米:20戦全勝全KO)。

 

チューは今年3月、セバスチャン・フンドラ(米)との大流血戦に判定で敗れて王座陥落&初黒星、この試合がそこからの再起戦。

 

オルティスJr.は今年1月、フレデリック・ローソン(ガーナ)に初回TKO勝ちして体調不良による長期ブランクから復帰、それ以来となるリングで前王者を相手に世界初挑戦へ向けた正念場のテストマッチ。

 

[但し、オルティスJr.は今週末24日にトーマス・デュロルメ(プエルトリコ)との試合を控えており、これに勝つことが前提]

 

フンドラに小差で敗退したものの、世界レベルの実力者であることは既に証明済みのチューと、キャリア途中で何度も病気で戦線離脱しつつ、全勝全KOのパーフェクトレコードを維持して来たオルティスJr.が激突。 

 

個人的には 7.5: 3.5でチュー有利とみていますが、オルティスJr.も思いきってぶつかって行く筈ですから、これはもう激しい打撃戦&KO決着は必至?

 

 

IBFインターナショナル・ライト級タイトルマッチ、王者/WBC7位/WBA11位/WBO&IBF15位 アンディ・クルス(28=キューバ:3戦全勝1KO/東京五輪ライト級金メダル)vs 挑戦者 アントニオ・モラン(31=メキシコ:30勝21KO6敗1分)。

  

クルスは今年2月、ブライアン・サマリパ(メキシコ)に判定勝ちして以来、モランは同1月、ロメロ・ドゥノ(キューバ)に6ラウンドKO勝ちして以来のリング。

 

俊英イメージの強いクルス、自分的には将来を期待しているので、ここは中堅に良い勝ち方をし、ステップアップに繋げてほしいところです。 

 

 

なお、当初の情報にあった元世界4階級王者 レオ・サンタ・クルス(メキシコ)vs 元世界3階級王者 アブネル・マレス(メキシコ)のラバーマッチは、最終的にキャンセルとなった模様。

 

 

豪華イベントであることは確かなこととはいえ、番狂わせを別にすれば、殆どが勝敗予想自体はそう難しくはない組み合わせ。

 

その中でチューvsオルティスJr.だけは、よく対戦がまとまったな~、という部分にまずある種の驚きを感じる興味深いカードで、自分としてはこれがNo.1の注目戦。

 

それにしても、オイルマネーの力というのは凄い...