東京ドーム興行前日計量:井上尚弥、ネリ、モロニー、武居、井上弟、石田、阿久井、桑原が全員一発パス | ボクシング・ダイアローグ

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明日5月6日:東京ドームで開催される世界戦×4=Prime Video Presents Live Boxing 8 興行。

 

今日5日、その前日計量が東京ドームホテルで行われ、出場する8選手が揃って一発クリア。

 

 

◇4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ◇

 

王者 

井上尚弥(31=大橋:26戦全勝23KO)

☆55.2キロ(リミット約100グラムアンダー)

 

挑戦者WBC1位/元WBCバンタム&スーパーバンタム級王者 

ルイス・ネリ

(29=メキシコ:35勝27KO1敗)

☆54.8キロ(同500グラムアンダー)

 

昨年7月、スティーブン・フルトン(米)を8ラウンドTKOしてWBC&WBO王座に就き、同年12月にWBA&IBF王者 マーロン・タパレス(比)を10ラウンドKOで沈めてバンタム級に続く4団体統一を達成した井上選手は、それ以来のリングとなるWBC(=指名戦)&WBO2度目、WBA&IBFタイトル初防衛戦。

 

ネリは昨年2月、アザト・ホバニシャン(アルメニア)との挑戦者決定戦に11ラウンドTKO勝ちしてWBCの指名挑戦権を獲得、同年7月にフローイラン・サルダール(比)を2ラウンドTKOして以来となるリングで、スーパーバンタム級王座奪還をかける一戦。

 

[20年9月のアーロン・アラメダ(米)との決定戦に判定勝ちでWBCタイトルを手にするも、21年5月の次戦でブランドン・フィゲロア(米)に7ラウンドKO負けを喫し、陥落&初黒星]

 

計量をパスしたネリはスポーツドリンクを飲み、約20秒のフェイスオフの後はコーラと桃の缶詰を口にして早速リカバリーを始めたそうですが...

 

当然これから一日かけてリバウンドを図る筈ながら、せいぜいコンディションを崩さない程度に留めてほしいところ。

 

因みに個人的な予想は、ネリがまさかのポール・バトラー戦術の再演や徹底クリンチ作戦に出ない前提で、モンスターの5ラウンドまでのKO勝ち、多少長引いたとしても7ラウンドとかその程度では?とみています。

 

公平な視点で、9.9:0.5とかの割合で井上選手が圧倒的に有利と思うので、かつて同会場で起きたマイク・タイソン(米)氏がKO負けしたような大番狂わせの可能性は限りなく低い、と自分は確信。

 

フィニッシュはフィゲロアと同じく左ボディ !?

 

どのパンチでもいいですが、とにかくネリを完全に黙らせる痛烈KO決着を期待。

 

 

◇WBO世界バンタム級タイトルマッチ◇

 

王者

ジェイソン・モロニー

(33=豪:27勝19KO2敗)

 

挑戦者10位

武居由樹

(27=大橋:8戦全勝全KO)  

 

☆両者 53.4キロ(リミット約100グラムアンダー)

 

モロニーは、18年10月の初挑戦で当時のIBF王者 エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ:1期目王者時代)に判定、20年10月の2度目の挑戦で同じく当時のWBA&IBF王者 井上選手に7ラウンドKOでそれぞれ敗退したものの、昨年5月の決定戦でビンセント・アストロラビオ(比)を判定で下し、モンスターが返上したWBO王座を獲得。

 

今年1月にサウル・サンチェス(米)に判定勝ちで初防衛、今回はそれ以来となるV2戦。

 

元-K1王者からボクシングに転向した武居選手は、チャンスを求めて2戦前よりスーパーバンタムからひとつ下げてバンタムに転級、昨年12月にマリオ・ディアス(メキシコ)を2ラウンドで沈めて以来のリングで、初の世界挑戦。

 

バンタム級は昨日4日、西田凌佑(六島)選手がエマヌエル・ロドリゲスに判定勝ちでIBF王座を奪取=武居選手と同じ9戦目で戴冠、日本人が3団体でタイトルを占める状態にあり、武居選手が勝てば日本勢が4団体を完全制覇する形。

 

モンスターに倒されて以降はより慎重なスタイルになった感の強いモロニーに、荒削りさは 目につきつつも破壊力抜群の武居選手の強打が炸裂するか、という注目の一戦...

 

個人的には大まかに 7:3 くらいでモロニー有利、中差判定勝ちの線が一番高そうに思いますが、一発でひっくり返せるパワーの強みは大きいだけに、武居選手のハードパンチ爆発に期待したいところです。

 

 

◇WBA世界バンタム級タイトルマッチ◇

 

王者

井上拓真

(28=大橋:19勝5KO1敗)

 

挑戦者1位

石田匠

(32=井岡:34勝17KO3敗)

 

☆両者 53.4キロ(リミット約100グラムアンダー)

 

井上選手は、ジェルウィン・アンカハス(比)に9ラウンドKO勝ちで初防衛を果たした2月の試合以来となり、2ヶ月半のスパンでV2戦&WBA指名戦。

 

石田選手は、昨年6月の挑戦者決定戦でビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)を判定で下しWBAの指名挑戦権を獲得、同年12月の前戦でジェームス・パガリン(比)に3ラウンドTKO勝ちして以来のリングで、2度目の世界挑戦。

 

技巧派同士の顔合わせとなりましたが、個人的なイメージとしては 6:4 くらいで井上選手が有利な感。

 

タイプは違えど共にポイントゲット型ということで、ジャブで牽制するペース争いで展開して行きそうな気がしますけど、17年10月に当時のWBAスーパーフライ級王者 カリド・ヤファイ(英)に敵地カーディフで判定負けして以来、約6年半ぶりの世界再挑戦となる石田選手が決定力を欠く部分をどれくらいカバーできるか、そのへんが勝負に大きく作用しそう。

 

自分的には井上選手の中差判定勝ちと予想しているものの、前戦でアンカハスを倒したことで打ち合いに自信を持ち過ぎ、攻撃に偏って本来のスタイルから逸脱するようだと、ベテランの石田選手がそこを突いて逆にポイント勝ちする結末もありそうに思います。

 

 

◇WBA世界フライ級タイトルマッチ◇

 

王者

ユーリ阿久井政悟

(28=倉敷守安:19勝11KO2敗1分)

 

挑戦者3位

桑原拓

(29=大橋:13勝8KO1敗)

 

☆両者 50.7キロ(リミット約100グラムアンダー)

 

阿久井選手は今年1月、アルテム・ダラキアン(ウクライナ)を判定で下して王座獲得、今回が初防衛戦。

 

桑原選手は昨年7月、ウラン・トロハツ(中国)に4ラウンドKO勝ちして以来となり、世界初挑戦。

 

両者は21年7月に日本タイトルマッチで対戦、王者だった阿久井選手が桑原選手の挑戦を10ラウンドTKOで撃退しており、今回は2年10ヶ月ぶりのリマッチ。


世界レベル基準では阿久井選手もまだ未知数さが高いながら、それでも実績がアジア圏内の桑原選手よりはひとつ抜けていると考えると、個人的なイメージではその分だけ王者が有利な感じ。

 

両者の前回対戦からの成長分を含めても、差にそれほどの開きはないように思いますが、自分としては概ね 6.5:3.5 くらいで阿久井選手、後半ストップかそこそこの差をつけての判定勝ちの予想。

 

ただ、阿久井選手も打たれ強くはなさそうなので、どちらにもKOの可能性は少なからず、な気もかなりあり。

 

なお、桑原選手が勝てば、日本ジム通算100人目の世界王者誕生となるとのこと。