6月21日(日本時間22日)
フォンテーヌブロー・ラスベガス:米ネバダ州ラスベガス
◇WBO世界フェザー級タイトルマッチ◇
王者
ラファエル・エスピノサ
(30=メキシコ:24戦全勝20KO)
vs
挑戦者2位
セルヒオ・チリノ・サンチェス
(29=メキシコ:22勝13KO1敗)
エスピノサは昨年12月、ロベイシ・ラミレス(キューバ)とダウン応酬の熱戦の末 2-0判定勝ちで王座を奪取、それ以来のタイトル初防衛戦。
フェザー級史上の歴代王者の中で最長身(185センチ)のチャンピオンとなり、新たなスター候補か?との視点からも注目される選手。
一方のチリノは、今年2月にデニス・コントレラスなる3連敗中の同国人に3ラウンドKO勝ちして以来のリングで、初の世界挑戦。
18年8月に後のWBAフェザー級王者 マウリシオ・ララ(メキシコ)と対戦し、2ラウンド終了棄権TKO負けで初黒星、以後は13連勝9KOながら名のある相手との対戦はなく、未知数さの高い選手。
本物の実力者かもしれない一方で知名度はまだまだの王者vs無名から一気に世界を狙う挑戦者による、メキシカン同士の一戦…
結果は エスピノサが 4ラウンド 2:45 TKO勝ち。
[動画サイトにフルラウンドの映像があったので、観戦]
エスピノサがジリジリと前に出、チリノは下がりながら応戦する形で試合スタート。
初回の残り1分ちょっとのところで、チリノの右ロングフックに合わせたエスピノサの左アッパーが決まり、早くも挑戦者が尻餅を着くダウン。
チリノはここを凌ぎ、続く2ラウンドも圧される中で単発のパンチを返すものの、エスピノサは前進を止めずジワジワと肉薄。
3ラウンド終盤、エスピノサが右アッパーからの左ボディフックをヒットすると、チリノは呆気なく前のめりに2度目のダウン、再開直後にラウンド終了ゴングに助けられるも、もう勝負の行方は見えた感。
そして4ラウンド、追い詰められたチリノの苦し紛れの単発打をいなしていたエスピノサが右アッパーを炸裂→ ロープ際に後退したところに、腕を伸ばしただけのような左がチョンと当たると、挑戦者がキャンバスに片手をタッチして通算3目のダウン。
これもすぐに立ったながらも、両腕を足元にダラッと下ろした前屈姿勢のチリノに、レフェリーがカウントを途中で止めてTKOを宣告。
一言で言って、力の差が歴然なエスピノサの圧勝劇でしたが…
ただ、これではまだ強いのかどうか殆どわからないエスピノサの実力レベルを推し量る意味合いでは参考にならず、そのへんの見極めは次回以降に持ち越し。
列車ロベイシ号は停車させてみせたとはいえ、あの試合では食らったダウンを含めパンチのもらい方が良くなく感じたこと&おそらくかなり打たれ弱いこと、そして何より体格を活かせていないように映る、中途半端に打ち合うファイトスタイルが自分的にはどうも気になり…
今日の試合も、ひと回り以上小さいチリノの踏み込みが浅かったにもかかわらず、その右フックやストレート等が普通に届いていて、しかもけっこう当てられていたあたりからしたら、決して手放しで喜べるほどの内容ではなかったという個人的感想。
もしかすると、身長やリーチの利を活用して中長距離をキープするのではなく、それにとらわれず好戦的に行くタイプなのかもしれませんが、いずれにしても引き続きまだ不明瞭な印象なので…
今後は、先ずは会場で観戦していたというラミレスとの再戦に自分は期待。
細身から来るイメージとは裏腹にパワーはかなりありそうだし、ポイントアウトに徹した退屈なアウトボクサーではないので、トップを張れる一級戦だったらこれから先のフェザー級が面白くなるとは思うんですが… どうなるでしょうか。
チリノについては、たぶん不要でしょうからノーコメントで。
セミファイナルはNABOスーパーフェザー級王座決定戦、WBO2位/WBC14位 アンドレス・コルテス(26=米:21戦全勝12KO)vs WBC4位/ WBO14位 アブラハム・ノバ(30=プエルトリコ/米:23勝16KO2敗)。
コルテスは今年2月、ブライアン・シュバリエ(プエルトリコ)を4ラウンドTKOして以来のリング。
ノバはその同じ興行のメインに出場し、WBCスーパーフェザー級王者 オシャキー・フォスター(米)に挑んで2-1の際どい判定負け、そこからの再起戦。
結果は コルテスが 3-0(97-93×2、96-94)の判定勝ち。
※前日計量でコルテスがオーバーウェイトして失格したらしく、ノバが勝った場合のみ王座獲得のルールで開催された模様
この試合は観ていませんが、中盤まではコルテス、後半ノバが追い上げるも挽回しきれず… という内容だったようです。