【結果+観戦記】オシャキー・フォスター vs アブラハム・ノバ[WBC世界SFe級タイトル戦] | ボクシング・ダイアローグ

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2月16日(日本時間17日)

 

マディソン・スクエア・ガーデン・シアター:米ニューヨーク州ニューヨーク

 

◇WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ◇

 

王者 

オシャキー・フォスター

(30=米:21勝12KO2敗)

vs 

挑戦者12位 

アブラハム・ノバ

(30=米:23勝16KO1敗)

 

昨年2月の決定戦でレイ・バルガス(メキシコ)に判定勝ちし、シャクール・スティーブンソン(米)の返上で空位となっていた王座を獲得したフォスターは、同年10月にエドゥアルド・エルナンデス(メキシコ)を12ラウンドTKOで退けて初防衛、それ以来となる2度目のタイトル防衛戦。

 

昨年11月に米プロモート大手のトップランクと契約、今回が傘下入り後の最初の試合。

 

ノバは、昨年7月に無名のジョナサン・ロメロ(コロンビア)を3ラウンドKOして以来のリングで、世界初挑戦。

 

22年6月、のちのWBOフェザー級王者 ロベイシ・ラミレス(キューバ)に5ラウンドKO負けを喫し、デビューからの21連勝(15KO)がストップ&初黒星となったもののひとクラス上げて再起し、現在2連勝。

 

初防衛戦の劇的ラストラウンドTKOで知名度&評価を上げたフォスターと、痛烈な黒星から立て直し中の段階で初の世界挑戦チャンスを得たノバの一戦…

 

結果は フォスターが 2-1(116-111、115-112、113ー114)の判定勝ちでV2。

 

[動画サイトでフルラウンド映像を見つけて観戦]

 

共に牽制し合いつつ、その中にビッグパンチを織り交ぜる形で試合スタート、ガードに意識を払いながら先手をとるフォスターに、概ねほぼ左を下げて構えるノバが迎え撃つ格好。

 

3ラウンド、フォスターは開始と同時にサウスポーにスウィッチしてジリジリと前進、ノバもパンチ交換に応じ、以後は一進一退のスピーディな攻防。

 

時おり思い切って打ちに出るノバ、但し行く時はノーガード状態からの右狙いが目立ち、ヒット率は着実にジャブから組み立てるフォスターが上の印象。

 

たまに左右スウィッチしながらストレート系を主体に狙うフォスターに対し、中盤あたりからはノバがリキんだパンチで見映えの面から徐々に挽回、両者クリーンヒットは僅かながら、引き続き緊迫した状態で試合進行。

 

後半以降、ノバが力任せにプレスするシーンが増えるもやはりヒッティングは少なく、終盤戦もポイントの割り振りが難しいラウンドが多いまま。

 

迎えた最終12ラウンド、残り20秒ちょっとのところでフォスターが体勢を入れ替えた直後にショートの左フック、これを受けたノバが腰を落としてダウン。

 

映像のパッと見では足を滑らせたような倒れ方で、スリップを誤審したようにも見えたものの、チェックし直してみるとしっかり当たっており、ノバにとっては痛恨のダウン。

 

再開後の残り僅かの時間、失点を意識したノバが強引に攻勢を仕掛け、フォスターともつれ合ったところで試合終了ゴング。

 

 

中盤あたりまで観て、これならフォスターがノバのガードの甘さを突いて右ストレートか左フックを決めて仕留めるんじゃ?と思ったんですが、結果的にどっちつかずの展開のままフルラウンズが終わった感じ。

 

勝敗的には、ヒット精度ではややフォスター、そこにノバの攻勢がどれだけ加点されるかで見解が分かれそうだったので、3ジャッジの判定はどれも妥当かな… と考えつつも、ボクシングの採点基準を踏まえるとノバの勝ちはないような気も。

 

フォスターは、相手が出て来るとちょっと手を止めて見てしまう傾向が感じられ、そのあたりが明確にポイントを取り切れない一要因にあるような気もしますが、一発の破壊力は欠く一方でスピードや当てる巧さに秀でており、簡単には負けそうにないイメージ。

 

WBC同級は、来月イタリアでミケーレ・マグネシ(伊)vs 力石政法(LUSH緑)による挑戦者決定戦が決まっており、これに力石選手が勝ちフォスターも王座を維持していれば、早ければ年内にフォスターvs力石が実現するかも?

 

ただ、対戦交渉がまとまりかけたという IBF同級王者 ジョー・コルディナ(英)より、フォスターの方が攻略は難しそうに感じるんですが… それは自分だけ?

 

ついでながら、個人的な採点は 116ー111 でフォスターでした。

 

 

セミファイナルで行われたWBOインターコンチネンタル・スーパーフェザー級タイトル戦、王者/WBO4位 ブライアン・シェバリエ(29=プエルトリコ:20勝16KO1敗1分)vs 挑戦者WBO15位 アンドレス・コルテス(26=米:20戦全勝11KO)は、コルテスが 4ラウンド 2:17 TKO勝ちで新王者。

 

セミセミに出場した地元ニューヨーク・ブルックリン出身のブルース〝シュシュ〟カーリントン(26=米:10戦全勝6KO)は、ベルナルド・トーレス(27=比:18勝8KO1敗)に4ラウンド 2:59 TKO勝ち、フェザー級のNABF&WBOインターコンチネンタル&IBFインターコンチネンタルの3地域タイトルを獲得。