【結果+観戦記】エイドリアン・クリエルvsシベナティ・ノンティンガⅡ[IBF LF級タイトル戦] | ボクシング・ダイアローグ

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2月16日(日本時間17日)

ゲラゲッツァ・オーディトリアム:メキシコ・オアハカ州オアハカ

 

◇IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ◇

 

王者 

エイドリアン・クリエル

(25=メキシコ:24勝5KO4敗1分)

vs 

挑戦者7位/前王者 

シベナティ・ノンティンガ

(25=南アフリカ:12勝9KO1敗)

 

昨年11月の対戦は、挑戦者クリエルが2ラウンドに右のワンパンチで王者ノンティンガを沈め、王座奪取。

 

痛快KOでの戴冠だったながらも、それまで無名の存在だったことでまだ未知数な感が強く、今回は真価の証明を求められる初防衛戦。

 

よもやの敗北で落城したノンティンガの方も、王座奪還チャンスと同時に今後を左右する重要な一戦。

 

初戦から3ヶ月を経て迎える、両者ともに正念場のダイレクトリマッチ…

 

結果は ノンティンガが 10ラウンド 0:44 TKO勝ちで雪辱&王座返り咲き。

 

[動画サイトでフルラウンド映像を見つけて観戦]

 

共にガードを高く固く構えつつ、クリエルが先手を取ってプレスしながら積極的に上下を打ち分ける一方、前回KOされているノンティンガの方は、目に見えてわかるほどガードにより配慮して迎撃する立ち上がり。

 

初回からショートレンジでパンチを応酬し合うも、序盤から中盤にかけては概ねクリエルが手数・攻勢・有効打と全体的に上回り、ラウンドを追うごとにロープを背負うシーンが多くなったノンティンガは時折やり難そうな表情。

 

頭をつけての接近戦が連続する中、打ち返しはするものの劣勢状態のノンティンガは7ラウンドにバッティングで減点1を科され、リードされている筈のポイント・ビハインドを余分に上乗せ。

 

が、続く8ラウンド、クリエルの前進がいったん止まり距離が開いたところにノンティンガが好打を決め、挽回の兆し。

 

クリエルも盛り返しを図って負けじと反撃、しかし手数が落ちてここを境にペースダウン。

 

9ラウンド、スタートから打って出たクリエルながら長くは続かず、クリンチの際にレフェリーに相手のバッティングをアピールする顔には疲労の色。

 

そしてこのラウンド終了間際、動きの鈍ったクリエルにノンティンガの右ストレート→ 返しの左フックが命中、これが効いて横に大きく泳いだクリエルはダウン寸前のピンチに陥り、ノンティンガの追撃を必死のクリンチで凌いで辛うじてインターバルに逃げ込み。

 

続く10ラウンド、ガードを固めるだけで手が出ないクリエルにノンティンガが一気に猛攻、ロープに詰まった王者が防戦一方となったところをレフェリーが止めてスタンディングカウント、ここは続行されたものの、再びロープに圧し込まれたクリエルが連打に晒されると今度はTKO宣告のストップがかけられ、試合終了。

 

 

序盤から後半戦まで、パワーでは劣るクリエルの方がゴリゴリと頭を付け合う接近戦でほぼ打ち勝っていたため、王者の地元ということも含め、この流れのままなら判定でクリエルが返り討ちだな… の流れだったのが、8ラウンドに急に暗雲が立ち込めたと思ったそこから一気にノンティンガが展開をひっくり返し、カタを着けてしまったという内容。

 

クリエルはやはり、戦績だけでは窺い知れない好選手かも?と思って観ていましたが、パタッと失速して以降はそういうイメージもアッサリ消えてしまった感じで、未だに実力の度合いはよくわからないまま。

 

ノンティンガの方は、ディフェンスが中途半端になった前回のミスをしっかり修正し、劣勢の我慢比べを凌いだ末に相手のペースが落ちたところをキッチリ捉え、持ち前の強打を活かして勝利した形でしたが…

 

パワーと共にパンチもシャープで、自分のスタイルで戦えればかなり強さを発揮するタイプとは思うにしても、打たれ弱そうなことに加え、今日の試合ではインファイトはそう巧くない一面が露わになった感があり、2期目王朝が長く続くかどうかは???

 

なお、IBFのライトフライ級は、先月フィリピン人同士で行われた挑戦者決定戦でクリスチャン・アラネタが勝利、指名挑戦権を獲得していますが…

 

このクラスは、WBAスーパー&WBC王者 寺地拳四朗(BMB)選手が4団体統一を狙っていることもあり、そのへんも含めて今後の動向に注目しておきたいところ。

 

アラネタに次ぐポジションにも、IBFセミエリミネーターに勝っている前WBC王者 矢吹正道 (LASH緑)選手や岩田翔吉(帝拳)選手といった日本勢が上位につけており、そちらの方にノンティンガ挑戦チャンスが回ってくるかもしれませんから、なおさらに。

 

 

セミファイナルで行われた 130ポンド(スーパーフェザー級リミット)契約10回戦、WBCフェザー級3位/WBA14位/元WBA同級王者 マウリシオ・ララ(25=メキシコ:26勝19KO3敗1分)vs ダニエル・ルゴ(29=メキシコ:27勝18KO2敗)。

 

ララは昨年5月、リー・ウッド(英)とのダイレクトリマッチで前日計量を失格:WBAフェザー級王座を剥奪された挙句に試合も判定負け、今回はそれ以来となる再起戦。

 

ルゴは昨年10月、ミゲル・アンヘル・トーレス(メキシコ)に判定勝ちして以来のリング。

 

結果は 1-0(96-94 ルゴ、95-95×2)の引き分け。

 

この試合は観ていませんが、ルゴが健闘したというよりもララの出来が悪かったという内容だったようで…

 

どうも前戦のウッドⅡの時と同様、コンディションが良くなかったらしい?ですが、何れにせよララの再起は持ち越しになった格好です。