2月16日(日本時間17日):タジキスタンの首都ドゥシャンベで開催のプロ・アマ合同興行で行われた IBFスーパーフェザー級挑戦者決定戦、3位/前IBF王者 シャフカッツ・ラヒモフ(29=タジキスタン:17勝14KO1敗1分)vs 4位 エドゥアルド・ヌネス(26=メキシコ:26勝26KO1敗)。
ラヒモフは22年11月の決定戦でゼルファ・バレット(英)を9ラウンドTKOに下し、ジョー・コルディナ(英)の王座剥奪で空位となっていたIBFスーパーフェザー級タイトルを獲得、しかし昨年4月の初防衛戦でコルディナに判定で敗れて陥落。
今回はそれ以来となる再起戦と共に、地元タジキスタンのリング初登場。
一方のヌネス昨年10月、世界挑戦経験もある元ランカーのオスカル・エスカンドン(コロンビア)を2ラウンドKOして以来となり、現在16連勝:16連続KO中。
勝者がコルディナへの指名挑戦権を手にするエリミネーター…
結果は ヌネスが 11ラウンドTKO勝ち。
(タイム不明=おそらく 0:15 くらい:会場も併せ、後日わかれば追記します)
[動画サイトでフルラウンド映像を見つけて観戦]
サウスポーのラヒモフがジリジリとプレッシャーをかけ、オーソドックスのヌネスが引き気味に動きつつ、的確に合わせに行く立ち上がり。
大まかに序盤はラヒモフがややリード、という感じだったものの徐々にヌネスが接近戦に持ち込み、ボディ・顔面とも細かいパンチのヒット数をアップ、6ラウンドあたりになるとヌネスがプレスをかけ、ラヒモフが下がり始める格好に形勢が逆転。
7ラウンド、圧し負けたラヒモフが足を使ってアウトボックスに切り替えを図るもヌネスはにじり寄ってチャージ、以後ラヒモフはロープを背負っての被弾が増え、明白な劣勢状態に。
正面からの攻撃でゴリゴリ削り落とすヌネス、ディフェンスはほぼブロッキングだけながらさほど相手のパンチをもらわず、逆に巧く上下に当てて攻勢を維持。
後半以降、打たれるシーン続きのラヒモフはダメージの蓄積もかなり深刻と思われるものの、それでもこまめに反撃の姿勢を見せるため、一方的な流れになっても試合は止められることなく進行。
そして、ラヒモフが苦闘だったコルディナ戦&バレット戦の時と同様、この厳しい状況でも最後まで持ち堪えるか?という展開で迎えた11ラウンド…
開始早々からヌネスがスパートをかけ、ラヒモフをロープに追い込んで連打。
形だけのガードが精一杯のラヒモフは全く反撃の手が出ず棒立ち、最後にヌネスがワンツー、ワンツーを連続で突き刺したところでレフェリーが割って入り、試合終了。
自分としては、相手のパワーに苦戦したとしても最終的にラヒモフが小差判定or終盤ストップで勝つのでは?と予想していたので、結果については若干の意外感。
ヌネスに関しては、これまでの対戦相手の質が高くないことと、そもそも過去の試合をさして観ていなかったせいで、過小評価というかローカルレベルの強豪くらいのイメージしかなかったため、今回の試合を観て自己評価は相当に変化した感じ。
一発の重さがありつつ連打もでき、ハンドスピードもなかなか、終盤になってもガス欠にならないスタミナ、それに通常以上に打たれ強そうな印象… と、戦前までとは打って変わって、かなりの強豪感。
現状IBF王座を持つコルディナは、シャープなカウンターなどラヒモフとは持ち味が違うタイプながら、耐久力的な脆さがあるように思えるので、ヌネスに今日のようなファイトで来られたら凄く厳しいんじゃ?という感。
とはいえ、コルディナはまず5月にスケジュールされているアンソニー・カカセ(英)との防衛戦をクリアすることが目先の課題。
(本来なら日本時間の今日:サウジアラビアで予定されていたヘビー級4団体統一戦、オレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリー興行のアンダーで行われていた筈が、ウシクvsフューリーの延期に伴い、コルディナを含めたアンダーカードもそのまま一緒にスライド延期)
個人的には、自国圏でタイトル戦を持ち回りする傾向が強いイギリス&ヨーロッパ人(このへんの事情は日本も同じですが)よりも、アメリカ・中南米・東洋の選手に王者でいてほしい感が否めないことで、そういう意味ではヌネスの台頭に期待をかけたいところです。