3/31 ドラミニvs亀田和毅Ⅱ興行でマッチルームが日本初回イベント:PRIZE FIGHTER | ボクシング・ダイアローグ

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先月の31日、英プロモート最大手のマッチルームボクシングが ザ・リッツ・カールトン東京(東京都港区)で会見を開き、3月31日:名古屋国際会議場でセットされている「3150FIGHT Vol.8」イベント内で、日本での初興行となる「PRIZE FIGHTER」の開催を発表。

 

[マッチルームボクシング:昨年9月、楽天チケット&NSN(Never Say Never=タレントプロダクション企業)と今年からの3年間、年3回=計9回を基本路線とする日本での興行開催契約を締結]

 

日本での一発目となる「PRIZE FIGHTER」は、8選手によるミドル級のトーナメントとなり、日本からはWBOアジアパシフィック&日本同級王者 国本陸(26=六島:10勝4KO1敗)と日本1位 可兒栄樹(22=T&T:8勝4KO3敗3分)の両選手が出場。

 

この両者が1回戦=準々決勝で、日本タイトルマッチ(長年の国内恒例イベント、チャンピオンカーニバルの指名戦も兼ねる/WBOアジアパシフィックもかけた2冠戦になる可能性も)で対戦。

 

3月31日の準々決勝の後は7月後半に準決勝、10月か11月に決勝戦を予定、優勝者には賞金100万ドル(1ドル147円換算で約1億4700万円/以下同)が贈呈され、それに加えて同社のフランク・スミスCEOが「KOした選手には10万ドル(約1470万円)が贈られる」と発表。

 

(すべてKO勝ちで優勝なら賞金+別途30万ドル=約4410万円、逆に1回戦で敗退してもファイトマネーは超破格の7万5000ドル=約1102万円)

 

また、会見と同時に組み合わせ抽選会も行われ、対戦カードも決定。

 

国本vs可兒と同じブロックには、IBFミドル級10位 アナウエル・ンガミセンゲ(27=仏:13戦全勝8KO)vs マーク・ディッキンソン(24=英:6戦全勝2KO)

 

もう一方のブロックは、WBA14位 キエロン・コンウェイ(27=英:20勝5KO3敗1分)vs WBO15位 アニワエ・イリキシアティ(30=中国:19勝14KO1敗)と、アーロン・マッケンナ(24=:18戦全勝9KO)vs ジェオバニー・エステラ(23=米:14戦全勝5KO)

 

なお、この3月31日:名古屋興行のメインは、先立って発表済みのレラト・ドラミニ(南アフリカ)vs 亀田和毅(TMK)のダイレクトリマッチ。

 

(マッチルームと3150FIGHTがパートナーシップを結んでの共同開催)

 

他、メイン&プライズ・ファイターのカード以外に4回戦の3試合を予定、さらに世界戦も組まれると報じた一部国内メディアもあったものの、現時点で主催者側からは発表なし。

 

イベントの模様は、日本と東南アジアはABEMAがPPVで、その他の国はDAZNが生ライブ配信。

 

 

流石の潤沢な資金力を駆使し、ビッグマネーを注ぎ込んだイベントを企画して来た形ですが…

 

個人的には、マッチルーム傘下の世界王者を連れて来て日本の挑戦者と対戦させる、といったわかり易い路線をメインに据えてやって行くのかと予想していたので、国内では選手層が薄いミドル級で外国人主体のトーナメント開催はかなり意外だった感。

 

日本のファンにとっては、 ドラミニvs亀田リマッチと国本vs可兒はともかく、他の海外選手はおそらく馴染み薄or名前も初耳なのでは?と思われるため…

 

チケットやPPV(価格はまだ未発表らしく不明ですが)の販売は相当苦戦しそうな気がするので、随分と思い切った興行を打つもんだな~、というのが自分の率直な印象。

 

… が、しかし思い出してみると、そもそも現状マッチルームの配下で同クラス内に挑戦資格を持つ日本選手がいる世界王者といったら、確かIBFスーパーフェザー級王者 ジョー・コルディナ(英)だけの筈で…

 

その他、日本にも有力どころが存在するフェザー~スーパーフェザー級にはリー・ウッド(英)やジョシュ・ウォーリントン(英)がいるながら、今この両者は無冠。

 

ついでに、有名どころという意味合いで引き合いに出すなら、海外ファンは皆が知っているカラム・スミス(英)やジョン・ライダー(英)もマッチルームの契約選手ですが、やはり肩書は元王者。

(しかも、ともに先月~今月に敗北を喫して一先ず脱落した状態)

 

で、自分で書いておいてナンですけど、この2人はミドル級以上に日本には選手のいないスーパーミドル~ライトヘビー級につき、そもそも論じる必要はナシ?な選手。

 

(スーパーミドルだと、最近は全く噂を聞かない元2階級王者のビリー・ジョー・ソーンダースも傘下)

 

他、マッチルームUSAが他と共同プロモートする中には、日本と関わりが強い軽量級にWBCスーパーフライ級王者 ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ:サンフェルと共同)やIBF&WBOフライ級王者 ジェシー・ロドリゲス(米:帝拳と共同)がいるものの…

 

井岡一翔(志成)選手との統一戦の現実味がますます遠退いている感&容易には応じなさそうなエストラーダが、マッチルームの働きかけで日本に来るか?と言われたら疑問大な気がするし、ロドリゲスだったら帝拳だけで事足りる、ような…?

 

土台、現在のマッチルーム傘下のビッグネームといったら、前3団体統一ヘビー級王者 アンソニー・ジョシュア(英)とWBAライトヘビー級スーパー王者 ディミトリー・ビボル(キルギス/露:ワールドボクシングとマッチルームUSAの共同プロモート)くらいで、客観的にみるとスターが勢揃いした世界的な大手ではなく…

 

自分一個人の感覚的には、アメリカのトップランク、プレミア・ボクシング・チャンピオンズ、ゴールデンボーイ・プロモーションなどと比べると数段下なイメージ。

 

と言って、例えば莫大なファイトマネーを要するジョシュアやビボルを日本に呼ぶ… 否、そこまでいかずとも重量級の外国人同士の世界戦を組んだとしても、一部の熱心なファンを除いた一般層が高額になること間違いなしのチケットやPPVを購入してまで観ないことは明白。

 

もし企画倒れの不発を繰り返すようなことになったら、3年を待たずしてのマッチルーム日本市場撤退も有り得るんじゃ?な考えが、なんか思いのほかハッキリ浮かんでくるような…。

 

(まだ最初の1回目も行われていない段階で言うことではないので、これで止めておきます)

 

何れにせよ、取り敢えず今年の日本での興行は、このミドル級トーナメント決勝までの3回で確定したと思われますが…

 

自分としては、できるならコルディナを連れて来てもらって、昨年に一度は対戦合意したという力石政法(LUSH)選手とのマッチアップを期待。

 

それにしてもミドル級 PRIZE FIGHTER in JAPAN、本当にペイできる…?