【結果+観戦記】井岡一翔 vs ホスベル・ペレス[WBAスーパーフライ級タイトル戦&アンダー] | ボクシング・ダイアローグ

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12月31日

大田区総合体育館:東京

 

◇WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ◇

 

王者 

井岡一翔

(34=志成:29勝15KO2敗1分)

vs 

挑戦者6位 

ホスベル・ペレス

(28=ベネズエラ:20勝18KO3敗)

 

結果は 井岡選手が 7ラウンド 2:44 KO勝ちでタイトル初防衛。

 

[ABEMAのライブ配信で観戦]

 

いつも通りの堅実スタイルの井岡選手が、左ガードを下げるペレスの隙を突いて軽いながらも初回からジャブや右をヒット、危な気ない出足。

 

振りが大きくリキみが目につくペレスは、表面的な攻勢はとってもヒッティングの精度が低く、序盤の時点でこれは滅多なことには当たりそうにない&その前に井岡選手がカウンターを決めてアッサリ倒してしまうかも?という展開に。

 

3ラウンドあたりになると早くもペレスが下がるシーンが増え始め、4ラウンドあたりからは逆に井岡選手が前に出る流れに変わり、主導権は完全に王者が掌握。

 

ペレスが勝つとしたらラッキィパンチの類しか浮かばない… という状況で迎えた5ラウンド、右フックを当てて最初のチャンスを掴んだ井岡選手がすかさず追撃すると、ペレス最初のダウン。

 

再開後、一気に勝負に出た王者が連打からの右ロングフックを決めて挑戦者が2度目のダウン、しかし再び続行となったところでラウンド終了ゴング。

 

序盤のうちは、ややぎこちなくも柔軟なボディワークで決定的な被弾だけは逃れていたペレスも、既にもう完全に見切られた状態となり、6ラウンドは井岡選手がロープからロープへ無理せずジワジワと追い込み、ボディが効いた挑戦者はいよいよ窮地。

 

そして迎えた7ラウンドの終盤、井岡選手がロープを背にした相手を右ボディで止め、立て続けに右ストレートを顔面へフォロウ。

 

これをモロに受けたペレスは膝を着いて通算3度目のダウン、グローブで顔を押さえながらテンカウントを聞き、そのまま立てずに試合終了。

 

 

この勝利で井岡選手は、3年前の大晦日(vs田中恒成)以来となる6試合ぶりのKO勝ちと共に、今月26日に井上尚弥(大橋)選手に並ばれていた世界戦勝利数を22に伸ばして再び国内単独トップ。

 

今後は、今日の興行での対戦を計画していたWBC同級王者 ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)陣営と交渉を再開する予定だそうで、来年5月頃の実現を目指すとのこと。

 

そのエストラーダは、来年2月にバンタム級でノンタイトル戦を行う見込み=そのまま118ポンドに転級の噂も流れており、マッチアップ成立の可能性がどの程度あるのかは何ともわかりませんが、取り敢えず完全消滅した訳ではないようです。

 

 

◇バンタム級10回戦◇

 

WBO5位/WBA7位/元WBCフライ級王者 

比嘉大吾(28=志成:20勝18KO2敗1分)

vs 

WBC5位 

ナワポーン・カイカンハ(ナワポーン・ポーチョークチャイ)

(32=タイ:58勝48KO3敗1分)

 

結果は 比嘉選手が 4ラウンド 2:29 KO勝ち。

 

比嘉選手が足を使ってヒット&ラン、ナワポーンはやんわりプレスして前に出つつもあまり手を出さず、様子見する形でスタート。

 

序盤から手数・ヒット数で上回った比嘉選手は、3ラウンドからは先手を取って出る戦術に転じ、ナワポーンは馬力でそれを押し返そうとする中で時おり反撃。

 

4ラウンド、比嘉選手の猛攻でロープに詰まったナワポーンは、いったん回り込んでリング中央側に脱したものの、すぐにまた被弾して動きが停止。

 

そこに比嘉選手が右フック、右アッパーからの左ボディアッパー、この直撃をモロに受けたナワポーンは崩れ落ちてキャンバスを転がり、そのまま立てずにKO。

 

この勝利で比嘉選手はWBC&IBFのランクアップも確定、世界挑戦資格はもう概ね満たした感もありますが…

 

WBO王者 ジェイソン・モロニー(豪)は来年1月、WBA王者 井上拓真(大橋)& WBC王者 アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)は来年2月の同じ興行でそれぞれ防衛戦を控え、残るIBF王者 エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)も次戦はおそらく西田凌佑(六島)選手との指名戦になりそう?という前提があり。

 

どのタイトルを狙うのかも含め、来年の展望は一先ずそれら王者陣の仕事の結果を待ってからになりそうです。

 

 

◇フェザー級10回戦◇

 

OPBF王者/WBC11位 

堤駿斗

(24=志成:3戦全勝/アマ13冠)

vs 

WBA15位 

ルイス・モンシオン・ベンチャーラ

(25=ドミニカ共和国:11戦全勝9KO)

 

結果は 堤選手が 3ラウンド 2:14 TKO勝ち。

 

初回から堤選手が上下に多彩なパンチを打ち分けで主導権を握り、一方のベンチャーラは早々に鼻血を流し始める苦しいスタート。

 

体をくっ付けて接近戦に持ち込もうとするベンチャーラながら、クリンチが主体で効果的なパンチが出ず、逆に堤選手が右アッパーなどを再三好打、より優位な流れに。

 

3ラウンドのもうじき1分半のあたりで、さらに攻勢を強めた堤選手の左フックが決まると、顔を跳ね上げられたベンチャーラが仰向けにダウン。

 

立ち上がって続行されるもダメージは深く、ラッシュした堤選手の左ボディフック→ 右フック顔面で2度目のダウン、レフェリーがノーカウントでストップして試合終了。

 

ベンチャーラが期待外れだった感は否めないのが正直なところですが、とにかくここまで3戦すべて判定勝ちだった堤選手は、パワフルな攻めのボクシングで初のTKO勝ち。

 

既にスタイルは一定の完成形にあり、もう数戦ほどキャリアを上積みしたらいよいよ… というインパクトを植え付けての完勝で、近い将来の大勝負に向けた次なるテストマッチに期待大。

 

 

※OPBFスーパーフェザー級王座決定戦:木村吉光(27=志成:15勝10KO3敗1分)vs 坂晃典(31=仲里:22勝19KO7敗)は、前日計量の当日に木村選手の体調不良で試合中止

 

 

 

 

これにて今年のボクシングがすべて終了。

 

当ブログにお越し頂いた皆様、ありがとうございました。

 

どうぞ良いお年を…