夏の午後のうたたね

   三森至樹

 夏の暑い午後
 風の流れる緑の木陰に
 わたしは横たわり 
 しばらくうたたねを楽しんだ
 眼の前を
 それぞれは短い、切れ切れの
 きれいな物語の映像が
 かすめ飛んでいく
 しかしその間ずっと心は
 楽しい気分に浸されていた
 やがてもう五時に近く
 日暮れが近いというのに