むね歯科クリニック院長 歯周病、インプラント専門医の笹生です。
6月も半ばになりますが、今回は前回blogから続くお話です。
春季歯周病学会を終えて東京に戻り、週明けから通常の生活に戻りました。
月曜に、インプラント学会から郵便物が。
開けると、インプラント専門医の認定証が入っていました。
今年1月はじめに専門医試験があり、受験してまいりました。
3月に入り試験に合格しましたとの連絡がありましたが、理事会承認を経て認定しますとのことでしたので、認定証の受領まで待っていました。
たまに問い合わせがあるのですが、インプラント学会の専門医になるには、いくつかの要件を満たす必要があります。
学会に所属し5年以上であること、学会が認定する研修会に所属して一年間の研修コースを受講し、ケースプレゼンテーション試験といういわゆるポスター発表(試験なので合否があります)を行い、学会が発行する雑誌に論文を掲載した後に、専門医試験を受験し合格しなければなりません。試験も、筆記試験に面接試験、書類審査。ここ最近の合格率は70%台だそうですから、ちょっとした難関です(あとから知りました)。
またインプラント学会も、いくつかあります。
一番有名なのは、私が所属している「日本口腔インプラント学会」で、歯科学会の中でも会員数が最大規模のものです。その他には「顎口腔インプラント学会」という学会もあり、こちらはインプラントを行う大学関連の先生が多く所属しています。他にも自主的な勉強会から派生したような学会がいくつかありますが、主だったところはこの2つでしょうか。
インプラント治療自体は、2002年頃から行なっておりますから15年くらいになりますが、専門医の取得に至るにはこの期間においてだいぶ葛藤がありました。一番大きいのは、インプラントを用いる意味や必要性の伝え方に対する苦慮でした。
インプラントを手がける先生が増え、それとともに色々な問題も表出して、そのうちのいくつかはメディアにも取り上げられて社会問題化しました。敏感な患者様はその情報をご自身で入手しておられますので、ご自身の疑問の上に心配や不安をかぶせてお尋ねになられます。また一方で、手術を伴う医療ですから、残念なことに100%の満足と成功率はありえません。そんななかでやはりインプラントの説明をする際には慎重に言葉を選んでいたのですが、私も患者様もお互いが、今ひとつ納得できる内容でお話し出来ていないと感じていました。
インプラント専門医それ自体で、そこにある問題がすべからく解消できるとは思ってないのですが、ご案内の一つの指標として取得を目指したのが、実に7年前。
たまたま、矯正セミナーで一緒の先生が学会認定講習会に参加されるのを知り、便乗するように学会に入会して講習会に参加し、支部会や学術大会にも参加してようやく認証医(専門医の前段階)を取得したのが3年前。この間、知見や経験を培い、専門医取得に向けて進んで参りました。
正直なところ、インプラントをはじめた15年前はもとより、専門医取得を志した6年前と比べてもインプラントや歯科を取り巻く環境は大きく変わりました。また見ようによっては、ようやく一般化して来て落ち着いてきたのではないかとも感じています。以前の状況が過熱気味で、現在の姿のほうがあるべき姿なのかもしれません。
そんな情勢だからこそ、適切な方法論や情報の提供が必要でしょう。
私がすでに保持している歯周病専門医は、現在全国で1500人強くらいでしょうか。また、インプラント専門医も全国で1200人強です。インプラントは複数の治療分野にわたるので「歯周病専門医+インプラント専門医」の他にも、例えば「口腔外科専門医+インプラント専門医」や「補綴専門医+インプラント専門医」など複数で保持しやすい専門医資格ではあります。ですが、このダブル専門医は絶対数でみれば明らかに少ないので、相互の利点を活かしながら治療に反映できるように、そして患者様へ還元できるよう努力したいと思っています。