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むね歯科クリニック院長 歯周病インプラント専門医の笹生です。
酷暑ですね。東京でも初の40℃超とか。しかも、8月もしばらくこの暑さが続くそうです。もはや、亜熱帯の環境です。
さて、梅雨明け間もない7月中旬の土曜朝、私は北陸新幹線に乗り、一路金沢を目指していました。
金沢に土日に開催される、日本臨床歯科医学会総会 夏季学術大会に参加するためです。
日本臨床歯科医学会...聞いたことも見たこともない学会名です。一般的には学会の名前を見れば、だいたいはその会の内容が予測できるものです。例えば、日本歯周病学会や日本口腔インプラント学会といったように。これらはいわゆる専門部会といって、日本歯科医学会という大きな学術団体の下部団体として、より専門性の高い内容を研究したり究めたりするための集団で、それを学会ということが多いのですが、この「日本臨床歯科医学会」は、傍目には何がメインなのかわからないのです。
実は、この学会はSJCD(Society of Japan Clinical Dentistry)という歯科医師が集う勉強会が学会へと変化したものなのです。もともとが勉強会ですから、これといった専門性を有するわけではなくて、歯の治療(歯科臨床といいます)を高いレベルで行っていこうと志す歯科医療関係者の集合体というところが、その本質なのです。
私は、7年くらい前にこのSJCDのセミナーを受講しまして、それから今に至る間に、SJCDが主催する他のいくつかのセミナーも受講しました。そして、先年SJCDの東京支部へ入会しておりましたので、この日本臨床歯科医学会の会員ということになっておりました。
そんなわけで、2年に一度開催される、総会併催の夏季学術大会に参加してまいりました。今回の会場は、先述したとおり、石川県金沢市。北陸の小京都、加賀百万石のお膝元です。学術大会総会は今回が初参加ではありますが、金沢には学生時代に一度訪れたことがあるので、2度めの訪問になります。とはいっても20数年前ですから、何もかもすべて変わっていました。一番変わっていたのは、やはり北陸新幹線でしょう。20年前は、東京から東海道新幹線で米原駅を経由し、湖西線で福井まで出て、そこから北陸本線で金沢を目指すという、一日がかりの旅でした。しかし、今回は金沢直通、3時間半という実にあっという間の旅でした。
新幹線を降りて、歩いていると同じ東京の、同じ勉強会の先生と偶然鉢合わせしました。たまたまお昼時ということもあり、その先生方とともに、昼食を食べようということで駅構内を回ったのですが、どこもいっぱい...やむを得ず、駅のすぐ脇の回転寿司のお店へ...
着席して、メニューを見渡したのですが、これがちょっと値段が張っているように感じました。でもまあとりあえず食べてみようと注文しまして、出てきた見た目は普通のお寿司なのですが、ところがこれが、美味しいのです。東京の回転寿司を想像していた私は、いい意味で期待を裏切られた結果となりました。
値段もむしろ、安いんじゃないかとくらいに思える感じで、お腹も気持ちも満たされたところでいざ会場へ。
会場は石川県立音楽堂。この手の会場は、市内中心部か外れにあることが多いのですが、なんと今回は駅の脇にあり、徒歩1分。こちらもあっという間に到着。
会は土日2日を通じて行われます。両日ともに各地方支部から選抜された、発表者が練りに練ったプレゼンテーションを行い、それぞれに評議委員の先生方が討論と講評を行います。どのプレゼンテーションも例外なく熱く盛り上がり、あっという間に二日間の発表が終わりました。
そんなわけで、初日は懇親会のレセプションを経て、数名の先生方とともに事前に予約していただいてあった市内のお寿司屋さんへ。
ハモのお造りから始まるコースですが、いや絶品。美味しすぎます。ノドグロの炙りなどは、えも言われぬ喉ごしで、ここもまた、あっという間の時間。
そして、お店の方に教えていただいたのが、シメのラーメンならぬ、辛味大根おろしの冷やし蕎麦。
翌朝は、さすがに朝からお寿司というわけにはいかずに、ホテル近くのスターバックスで軽くコーヒーを頂き、会に臨みました。もちろん、学会が目的ですから、会が終了すれば、観光などせずに帰途に付きます。
なんと、行きでも偶然乗り合わせた東京の先生方と帰りの新幹線も同じ電車ということがわかり、せっかくですので途中までご一緒させていただき、慌ただしく駅弁やらお土産を買い込んで、新幹線に乗り込みます。駅弁は、さすがに観光もしなかったのでノドグロの棒寿司を選んでみました。駅弁とはいえ、かなりコクがあって美味しくいただきました。
棒寿司を頂き、学会の内容に思いを馳せていると、気がつけばもう東京。たかだか二日間でしたが、普段の学会とは違い、食事にディスカッションにと、とにかく密度の濃い時間を過ごせたように思います。
まさに、あっという間の時間でしたが、このために支えてくれたスタッフや変則日程を受け入れてくださった患者様に感謝です。