もう、10年以上前になるでしょうか、、、。
まだYahoo!オークションが無料で、個人情報の登録が無かった頃、
今よりもっと自由に "マスク" や "プロップ" が出品されていました。
一番オークションが華やかな時期でしたね。
詐欺はかなり横行していたと思います。
ただ、最近のようにマスクやプロップで詐欺を働く輩は
居なかったと思います。
一般的に、まだこういう一点物について世間が価値を
認めていなかったからでしょう。
T映が倉庫からのブツの盗難を届けても、
扱いは「縁日のお面」でしたから、、。
ネット犯罪も始まったばかりで、
ネット犯罪専門の部署がつくられるのはまだまだ先の事です。
"仮面ライダーマスク" のHPの管理人daiさんとの出会ったのも
この " Yahoo!オークション " でした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150104/17/munchen-pokute/c0/49/j/t02200220_0480048013179938395.jpg?caw=800)
HPのトップベージより画像を転載しました。
このHPは今も有りますので、閲覧出来ます。
このdaiさんの理路整然とした語り口には説得力があります。
参考にされている方も多いと思います。
あのマスクの原型、新1号と旧2号のレプリカマスクは
自分が提供しています。
かなりの旧1号マニアにに影響を与えたHPです。
最近は連絡を取り合う事もあまり無くなりましたが、
お元気にされているようです。
当時、自分は新1号ライダーのレプリカ(素抜き)を
出品していたのですが、それを落札したのがdaiさんでした。
当然、その頃まだHPは立ち上げていません。
そんなある時、
オークションに "撮影用のウルトラマンA" と銘打ったマスクが
出品されていました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/ab/55/j/t02200249_0800090613184754053.jpg?caw=800)
自分はそのマスクがアトラクション用であるとの指摘を
出品者にしたのですが、
その受け答えをdaiさんが見ていてくれたようでした。
数日後、daiさんから直接連絡がありました。
「オークションの質問見ました。
プロップにお詳しいようですね、、。」
「宜しければ、ウルトラマンAのホンモノの撮影用を
持っている人がいるので、 一緒に見に行きませんか?」
一瞬耳を疑いましたが、当時の本物を直に見れるという
夢のようなお話でした。
ホントかなぁ、、。という思いも当然ありました。
結局、こう言う物は自分の目で見るまでは半信半疑です、、。
高井戸か下高井戸かちょっと定かではありませんが、
ウルトラマンAのスーツを持っていると言う方の自宅に
お邪魔しました。
この方はN島さんとおっしゃる方で子供の頃から円谷プロや
東宝のスタジオに出入りしていたようでして、
プロップを貰える機会が多々あったようです。
そして見せて貰いました。ものすごいプロップの数々。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/42/ad/j/t02200293_0480064013184769844.jpg?caw=800)
まずは「帰って来たウルトラマン」オリジナルスーツ。
ウェットスーツのしわの寄り方まで当時のそのままです。
ウルトラブレスレット、手袋、ブーツ、全て揃っていました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/2e/1b/j/t02200256_0515060013184775122.jpg?caw=800)
マスクのアップ、当時のままです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/29/34/j/t02200165_0600045013184769843.jpg?caw=800)
目は表面がツルっとしていて、内側にモールドがあるもので
仮面ライダーのCアイのような構造をしていました。
電飾用の電球が見えないのはそのためです。
撮影終了後、了解を取ってもらって来たそうです。
正に博物館級の一品。
これがまだ残っているという事自体、奇跡です。
写真のみ見せて頂いたもので、"メカニコング" がありました。
全身ラテックス製で、かなり重かったそうです。
残念ながら保存出来ずに廃棄したそうです。
もったいない、、、。
こちらは"ウルトラブレスレット"
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/d2/56/j/t02200165_0640048013184771391.jpg?caw=800)
真鍮製でけっこうな重さがあります。
もう錆びてしまって真っ黒です。銀色の部分は単なる塗装で
表現されています。
きくち英一氏の持っているブレスレットがこの世でたった一つの
オリジナルと言われていましたが、実際はこうして2つ存在して
居たことになります。
通常「予備」は作るので、
2つ存在していてもおかしな話ではありません。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/b5/ad/j/t02200293_0480064013184769846.jpg?caw=800)
こちらはスタント用? で目の処理が適当です。
エッジの立ち方が最近のアトラクション用とはかなり
違っています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/e9/34/j/t02200293_0480064013184769845.jpg?caw=800)
続いては「ウルトラマンA」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/68/7d/j/t02200370_0357060013184775123.jpg?caw=800)
ウルトラマンAの撮影用マスクはアトラク用に比べて
かなり横に広い顔をしています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/2e/58/j/t02200165_0640048013184775124.jpg?caw=800)
目の処理は帰りマンと同じで、裏側にモールドがあります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/74/d2/j/t02200288_0489064013184782237.jpg?caw=800)
Aのスーツはスーツアクターに合わせてかなり小さく
作られています。
"怪獣"から怪獣を超える"超獣"になったため、ウルトラマンAを
小さく見せて "超獣"を強く大きく見せる意図があったのでしょう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/f5/6f/j/t02200293_0480064013184769847.jpg?caw=800)
円谷に唯一残されていたオリジナルマスターモールド。
帰って来たウルトラマンはこのマスクを型取りして
作られています。
型取り後、必要なくなったとの事で頂けたようです。
「京本政樹のヒーロー考証学」のCタイプもこのマスクから
型取りされたものです。
元々マスクのみだったのですが、品田冬樹氏がマスクを借りた
お礼に胸像に仕上げて返してくれたという経緯があります。
オリジナルのCタイプはいい顔してます。
自分はこれだけ状態の良いウルトラマンのマスクは見た事が
ありません。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/58/9f/j/t02200293_0800106713184770333.jpg?caw=800)
そして、ラストはウルトラセブン。
当時の撮影用オリジナルモールド。
かなり後期のマスクだと思います。
くくりで言うとDタイプマスクに当たります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150109/21/munchen-pokute/29/f5/j/t02200293_0800106713184770334.jpg?caw=800)
"宇宙細菌 ダリー" の回あたりに登場するセブンのマスクに
よく似ているのでかなり後期に使われたものでしょう。
後頭部とアイスラッガーはレプリカですが、
オリジナルのマスク部分のみでも説得力があります。
本物はオーラが違いますね、、。
ここで紹介したプロップは、今はコレクターの手に渡って各地に
散在しています。
実際に目で見る事は不可能に近い状態に有ります。
こういった本物を直に見て、手で触れることが出来る機会を
与えてくれたdaiさんとN島氏には本当に感謝しています。
人生、どんな出会いが有るか予測出来ませんね、、。