" Daiさん " との出会い | 特撮PROP COLLECTION

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特撮ヒーローのマスクや小道具などについて呟いて行きます。


もう、10年以上前になるでしょうか、、、。

まだYahoo!オークションが無料で、個人情報の登録が無かった頃、
今よりもっと自由に "マスク" や "プロップ" が出品されていました。
一番オークションが華やかな時期でしたね。
詐欺はかなり横行していたと思います。
ただ、最近のようにマスクやプロップで詐欺を働く輩は
居なかったと思います。
一般的に、まだこういう一点物について世間が価値を
認めていなかったからでしょう。

T映が倉庫からのブツの盗難を届けても、
扱いは「縁日のお面」でしたから、、。
ネット犯罪も始まったばかりで、
ネット犯罪専門の部署がつくられるのはまだまだ先の事です。


"仮面ライダーマスク" のHPの管理人daiさんとの出会ったのも
この " Yahoo!オークション " でした。



HPのトップベージより画像を転載しました。
このHPは今も有りますので、閲覧出来ます。
このdaiさんの理路整然とした語り口には説得力があります。
参考にされている方も多いと思います。
あのマスクの原型、新1号と旧2号のレプリカマスクは
自分が提供しています。
かなりの旧1号マニアにに影響を与えたHPです。
最近は連絡を取り合う事もあまり無くなりましたが、
お元気にされているようです。


当時、自分は新1号ライダーのレプリカ(素抜き)を
出品していたのですが、それを落札したのがdaiさんでした。
当然、その頃まだHPは立ち上げていません。

そんなある時、
オークションに "撮影用のウルトラマンA" と銘打ったマスクが
出品されていました。



自分はそのマスクがアトラクション用であるとの指摘を
出品者にしたのですが、
その受け答えをdaiさんが見ていてくれたようでした。
数日後、daiさんから直接連絡がありました。
「オークションの質問見ました。
    プロップにお詳しいようですね、、。」
「宜しければ、ウルトラマンAのホンモノの撮影用を
 持っている人がいるので、 一緒に見に行きませんか?」

一瞬耳を疑いましたが、当時の本物を直に見れるという
夢のようなお話でした。

ホントかなぁ、、。という思いも当然ありました。
結局、こう言う物は自分の目で見るまでは半信半疑です、、。

高井戸か下高井戸かちょっと定かではありませんが、
ウルトラマンAのスーツを持っていると言う方の自宅に
お邪魔しました。
この方はN島さんとおっしゃる方で子供の頃から円谷プロや
東宝のスタジオに出入りしていたようでして、
プロップを貰える機会が多々あったようです。


そして見せて貰いました。ものすごいプロップの数々。



まずは「帰って来たウルトラマン」オリジナルスーツ。
ウェットスーツのしわの寄り方まで当時のそのままです。
ウルトラブレスレット、手袋、ブーツ、全て揃っていました。



マスクのアップ、当時のままです。



目は表面がツルっとしていて、内側にモールドがあるもので
仮面ライダーのCアイのような構造をしていました。
電飾用の電球が見えないのはそのためです。


撮影終了後、了解を取ってもらって来たそうです。
正に博物館級の一品。
これがまだ残っているという事自体、奇跡です。
写真のみ見せて頂いたもので、"メカニコング" がありました。
全身ラテックス製で、かなり重かったそうです。
残念ながら保存出来ずに廃棄したそうです。
もったいない、、、。

こちらは"ウルトラブレスレット"



真鍮製でけっこうな重さがあります。
もう錆びてしまって真っ黒です。銀色の部分は単なる塗装で
表現されています。
きくち英一氏の持っているブレスレットがこの世でたった一つの
オリジナルと言われていましたが、実際はこうして2つ存在して
居たことになります。
通常「予備」は作るので、
2つ存在していてもおかしな話ではありません。



こちらはスタント用? で目の処理が適当です。
エッジの立ち方が最近のアトラクション用とはかなり
違っています。



続いては「ウルトラマンA」



ウルトラマンAの撮影用マスクはアトラク用に比べて
かなり横に広い顔をしています。



目の処理は帰りマンと同じで、裏側にモールドがあります。



Aのスーツはスーツアクターに合わせてかなり小さく
作られています。
"怪獣"から怪獣を超える"超獣"になったため、ウルトラマンAを
小さく見せて "超獣"を強く大きく見せる意図があったのでしょう。



円谷に唯一残されていたオリジナルマスターモールド。
帰って来たウルトラマンはこのマスクを型取りして
作られています。
型取り後、必要なくなったとの事で頂けたようです。

「京本政樹のヒーロー考証学」のCタイプもこのマスクから
型取りされたものです。
元々マスクのみだったのですが、品田冬樹氏がマスクを借りた
お礼に胸像に仕上げて返してくれたという経緯があります。

オリジナルのCタイプはいい顔してます。
自分はこれだけ状態の良いウルトラマンのマスクは見た事が
ありません。



そして、ラストはウルトラセブン。
当時の撮影用オリジナルモールド。
かなり後期のマスクだと思います。
くくりで言うとDタイプマスクに当たります。



"宇宙細菌 ダリー" の回あたりに登場するセブンのマスクに
よく似ているのでかなり後期に使われたものでしょう。
後頭部とアイスラッガーはレプリカですが、
オリジナルのマスク部分のみでも説得力があります。
本物はオーラが違いますね、、。

ここで紹介したプロップは、今はコレクターの手に渡って各地に
散在しています。
実際に目で見る事は不可能に近い状態に有ります。
こういった本物を直に見て、手で触れることが出来る機会を
与えてくれたdaiさんとN島氏には本当に感謝しています。

人生、どんな出会いが有るか予測出来ませんね、、。