昔、、メディアV9っていうショップがありました、、、。 | 特撮PROP COLLECTION

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特撮ヒーローのマスクや小道具などについて呟いて行きます。


前回の個人売買情報誌である "クァント" という雑誌では
色々なものが売っていたという話をしました。

その中でもひと際目を引いたのがこの情報です。
金額もさることながら、写真はどうみても1/2サイズの
ハイパーソフビなのに1/1スーツと書いてある、、。
山口県岩国市からの発信ですが、名前は上◯祐◯
と日本名が書いてある。



実はこの情報の発信元は
"ナ◯二・ラメッ◯ュ・チラスダ◯" という名の
インド系の方なのです。
少し前に詐欺罪で逮捕されていますので、知っている方も
いるかもしれません。
マスクコレクターの中では有名な人です。
良く名前を聞いたり、もしくは目の当たりにした方も
居られると思います。
日本で育っていますので、日本語もペラペラですし
見た目以外は日本人です。



自分が一番最初に見たのは、この白黒の広告です。
ゼネプロのガレージキットなので余り気に
留めていませんでした。
名前もカラーページと同じ日本名です。
(多分仲間の日本人の一人)

次に出たのは、前出のカラーページです。
どう見ても1/2のガレージキットの完成品だったのですが、
気になって連絡してみました。
すぐにフルコスチュームの写真を送ってくれるというので、
数日待ちました。

で、届いた写真はというと
やはり1/2のガレージキットの写真、、。
さっそく電話してみました。
会話の内容は以下の通りです、、、

自分 「写真、有り難うございました」
ナ◯ニ「いえいえ。」
自分 「申し訳ないんですけど、
    フルコスチュームの写真が欲しかったんですが?」
ナ◯ニ「はい。それがそうですよ。」
自分 「えっ!?これ1/2のガレージキットですよね?」
ナ◯ニ「違います。それがフルコスチュームです。」
自分 「・・・・・・・・」
ナ◯ニ「どうしますか? 
    他に欲しいっていう方もいるので早くして下さい。」
自分 「わかりました、今回はいいです、、。」
ナ◯ニ「じゃあ写真はこちらに返送して下さい。」
自分 「はあ???」
ナ◯ニ「写真を欲しいって言ってるのは、
    あなただけじゃないんですよ!!」
自分 「はい・・・・・・。」

これは自分だけではなく、問い合わせた人皆に
やっていたと後々知り合ったコレクターの方に聞きました。

その後、「メディアV9」というショップ展開をはじめます。
カラー広告が「クァント」に載りました。
その後、「ハイパー・ホビー」へもカラー広告を載せて行きます。



この頃から詐欺被害をあちこちで聞くようになりました。
自分は当時、ゼネプロ改造のライダーマスクキットをクァントに
定期的に出していました。
きっとこういう物に詳しいんだろうと言う事で、
相談を何件か受けた事がありました。

良く覚えているのはこのエピソードです。

このケースは、宮城県のコレクターの方です。
ちょっと変わったコレクターで、
"戦闘員コレクター" をしている方でした。
「ヒーローは高そうだから、戦闘員なら集められるかも、、。」
という理由でコレクションを始めたのだそうです。
当時、デストロンとゴッドのベルトを所有していたので
彼に譲った後の事です。

デストロンのベルト。及びスーツ。
デストロンぐらいだと現存率が高く、何体か話に聞いた
事が有ります。





同じくゴッドのベルト。
多少ヒケてはいますが、まずまずの状態だと思います。




ある日、宮城の彼からいきなり電話が掛かって来ました。
「すいません。ちょっと困っている事があるので
  相談に乗ってもらえませんか?」

こういう切り出し方だったと思います。
その困っていることと言うのが、

メディアV9に「戦闘員か何かありませんか?」と電話をした所、
ちょうど今ショッカーの戦闘員があるとのこと、、。
フルスーツで値段は15万円。
すぐに現金書留にて代金を送ったのですが、
いつまでたっても一向に物が送られて 来ないという状況
だったみたいです。
電話を掛けても出たり出なかったり、送ったと言っては
先延ばしにしていたようです。

まあやる事は決まってます。まずは、

「詐欺で警察に届け出を出しますよ!!」という

ハッキリとした意思を示す事です。

数日後、彼のもとにショッカー戦闘員が送られて来ました。
写真が無いので、説明だけで想像して下さい。

マスクは、当時市販していたプロレスマスク (現在は絶版)
タイツ部分は、今も売っている黒の全身タイツの頭と足を切った物に
白の合皮を適当に骨の形にして貼ってあったそうです。
フルコスチュームのはずだったのに手袋、ブーツ、ベルトは無し。

その時、一緒に入っていた文書のコピーがこれです。
勿論、写真なんか一枚も同封されていなかったそうです。




さすがにこれはホンモノでは無いと分かった彼は、
警察に届け出ました。
警察のアドパイスとしては、とにかく
" 送って来た物は送り返して返金を求める" というものでした。
そのすぐ後、何万か返金があったようです。
納得出来ない彼は、もう一度警察に相談にいったようですが、
「一部でも返金されていると、詐欺としては成立しないので
 警察としては何も出来ない。 」という回答でした。

"ナ◯ニ" がなかなか逮捕されなかった理由がここにあります。

最終的には全額返して貰ったようですが、
かなり運の良かったケースだと言えます。