大盛況で千秋楽となった、歌舞伎座の團菊祭五月大歌舞伎。
四世左團次の一年祭追善として、男女蔵と男寅による「毛抜」が上演されました。
場内には、左團次のパネルが展示されていました。
立派な体格、ややくぐもった口調、鋭い目つきで、そこにいるだけで存在感があった役者。
脇役でも、時に主役を食いそうになるのは、若手にはいい修行になったかも。
憎い役でも憎めない、怖い役でも恐ろしくない、そんな独特の愛嬌。
芝居の芯をまかせると、それだけで全体がぐっと引き締まる、稀有な役者。
冗談か本音かわからず、記者泣かせだったとか。 得意演目は、「口上」。 いや、ほんと。
再びの、髭の意休。
どうか、左團次さん、安らかに。
その芸は、息子と孫が継いでいきます。 そうして、滝野屋もいつかは高島屋に。