小満んと小朝の落語をたっぷり | 宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

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鈴本演芸場に行ってきました。 「小満んと小朝のたっぷり寄席」とのお題です。

 

トリは小満んで、「笠碁」。 縁台将棋、碁敵、岡目八目などのマクラから、ゆっくりと話し始める。

大店のご隠居二人が、碁を打ちながら、次第に喧嘩になるところも、ゆっくり、ゆったりと。

 

これが、小満んの味。 絶交してから、我慢できなくて雨の中を会いに行っても、まだ意地の張り合い。

段々とテンポが速くなり、人物のキャラに共感してしまう流れが、上手い。 で、碁盤が濡れる理由は?

 

小朝は、「豊志賀の死」にずばりと入る。 客席の明りが落とされ、小朝の噺がうんうん熱を帯びてくる。

飄々とした表情はいつものままでも、少しずつ圓朝噺に引き込んでいくのが、小朝の技。 

 

新吉と懇ろになりながら、凄惨な過去を語る豊志賀。 無垢な新吉は、その因果の中にいるのを知らない。

純粋なお久に引かれる新吉。 面相が崩れていきながら、狂気に陥る豊志賀。 それが、恐ろしい結末に。

 

南座でなく、寄席で聴く小朝もいい。 途中で美容のくすぐりを入れて、それがまた恐怖を引き立てる。

小満ん、小朝とも、たっぷり30分以上。 メリハリある内容が収まる時間になっているのが、名人芸。

 

それから、今松は「穴どろ」。 淡々と進めながら、終盤大騒ぎになって、ストンと落とすのが自在。

文蔵は、字が読めない弟分に、読めるふりをする兄貴の役者ぶり。 その筋っぽいのが、「手紙無筆」。

 

いつも華がある桃花は、ちょっと危ない「宗論」。 持ち味の軽みで、笑わせ処を押さえている。

文雀は、古びたお堂に泥棒が入って、その10年後にまた入る。 オチを二つ披露する、「七面堂」でした。

 

今日は、業師が揃いました。 色物では、ロスと山形を比べる新ネタで、どたばた毒毒のロケット団。

ものまねはもちろん、話術に磨きがかかってきた猫八が、楽しませてくれました。 ぬー。