小澤征爾音楽塾のオペラプロジェクトによる、モーツァルトの歌劇、「コジ・ファン・トゥッテ」。
ロームシアター京都、神奈川県民ホール、東京文化会館と、コンサートが続きました。
そのコンサートを記念して、小澤征爾音楽塾展がロームシアターでありました。
更に、関連イベントで、元塾生のNHK交響楽団メンバーによる、オンラインコンサートが配信中です。
ヴァイオリンに大宮臨太郎、ヴィオラに横溝耕一、チェロに宮坂拡志の弦楽三重奏です。
演目は、何とバッハのゴルトベルク変奏曲。 トンコープマンの、しゃらんしゃらんと始まるチェンバロ。
グレングールドのぽろんぽろんと登場するピアノ。 この印象的な、「アリア」はどうなるのか。
そこはもちろん、弦楽器。 断続的に刻まれる印象的な旋律を、連続的に伸びやかに響かせていく。
おや、これはカイザーリンク伯爵もびっくりの、シトコヴェッキーの編曲か。
鍵盤楽器が鳴る音のすき間に、強弱が揺らぐ深淵の宇宙を表現した、グールド。
それと対照的に、この弦楽三重奏は、華やかなハーモニーで空間を埋めていく。
シンプルなメロディーが、ちらし寿司のようにカラフルに広がっていくのは、ストリングスならでは。
このあとは、カノンが特徴的なバリエーションの抜粋。 重厚より華麗さで、これが心地いい。
合間には、師匠の思い出が語られたりして、気持ちのいい1時間が過ぎていきました。