南座での、松竹新喜劇による、新春お年玉公演の続きです。
Bプロは、わかぎゑふ作・演出の「蕾(つぼみ)」。 70分の中に、優しさと思いやりが詰まっています。
Aプロと同様、幕前のご挨拶と演目紹介は、天笑、千草明日翔、山田俊でした。
舞台は、大阪船場の老舗料亭・前田。 その離れで、お見合いに使われるのが、「蕾の間」。
そこに出てくる、こんなんあったんやろな~、と思わせる、色々な人たちによる情景。
恥ずかしがりのお二人は、山田俊と山本鈴。 相手が違ったのにうまく行きそうなのは、扇治郎と明日翔。
里美羽衣子と江口直彌の親どうしのお見合なのに、なぜか付き添いで意気投合する、天笑と兵頭有紀。
そこに、しゃべり出したら止まらへん、世話焼きのおばちゃん。 初の女形の一蝶が、ぴったりの味わい。
さて、ここから話が展開。 跡継ぎの長男を亡くして、うろたえっぱなしの店主。 これは、山本喜楽。
それを叱咤激励、よりも煽りっぱなしの、嫁に行った長女の久本雅美。 この、人情味ある毒舌ぶり。
亡くなった長男の嫁には、甲斐甲斐しく働く、いろは。 Aプロのぶっ飛びぶりと違って、しっとりと。
嫁の将来を考えて、家を出てもらうことを画策する、店主と長女。 このやりとりが、おもろすぎ。
お客の老年女性(弥生がしぶい)にほだされた嫁は、驚きの事実を。 ええっ、そんなことがあったんかいな。
そのあと、更に驚きの告白。 ここは、いろはの見せ場。 喜楽と雅美が、びっくりの連続。
と、白黒はっきりしない結末ながら、この先、丸く収まりそうなのが、松竹新喜劇のいいところ。
カーテンコールのご挨拶は、Aプロと同じ若手新体制の、扇治郎、天笑、一蝶、いろは、桃太郎で。
ゲストの雅美の舌がどんどん回り出して。 うれちくびーでハッピーハッピーの、お開きとなりました。