南座の正月は松竹新喜劇で | 宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

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お正月の恒例となった、南座での「初笑い! 松竹新喜劇」。

大爆笑まではいかなくても、ちょっとレトロで、ひとを傷つけない笑いに、ほんのりします。

 

まずは、Aプロ。 幕前で、扇治郎、泉しずか、森光冬による、ご挨拶を兼ねての演目紹介。

それは、36年ぶりに、村角大洋演出による令和版として復活した、「小判掘出し譚」。 

 

なんでそんなに間があいたんかと言うと、とにかく走る、走るの体力勝負。 

やっと役者が揃って、できるようになったとは扇治郎。 今日は、ロビーでご家族を見かけましたよ。

 

亡くなった父が世話をしていたフラワーショップで、居候をしながら働いている、大西くん。

これが、お届け物の薔薇を人にあげたり、インコのピーちゃんを逃がしてしもたりで、失敗ばかり。

 

この寛美の当たり役には、天笑が挑戦。 おとぼけ味はまだまだ勉強中ですが、几帳面さがいい。

失敗続きで店を追い出された、大西くん。 そのとき、先祖の家から、時下1億円の小判が出たとの知らせが。

 

さあ、ここから、みんなで大西くんを探しての大騒ぎ。 なんにも知らんと、逃げまくる大西くん。

フラワーショップのきつーい奥さんは川奈美弥生、頼りない主人は扇治郎で、これがいいコンビ。

 

これに付き合って、走りまくる知人の玉太呂、主人を追いかける借金取りの光冬が、元気いっぱい。

更に、鮨屋の親父で、いっちょかみの八十吉。 話を聞いて、小判の横取りをたくらむ、一蝶といろは。

 

役者が勢揃いの中で、もう一人。 自転車の練習をしておけと言われた、宅配便役の桃太郎。

なるほど、この宅配がキー。 逃げまくる大西くんを、知らん間に助けとるって。

 

スピーディーな展開にはらはらしているうちに、誤解が解けて丸く収まるのが、松竹新喜劇。

ここで、舞台を締めるのは、フラワー評論家の久本雅美。 なんと、大西くんが薔薇をあげた人。

 

(ここは写真撮影可)

 

大団円で幕となったあとは、カーテンコールでご挨拶。 若手新体制の、扇治郎、天笑、一蝶、いろは、桃太郎。

それぞれが抱負を語ったあとは、ゲストの雅美。 ちょっと噛み噛みながら、うれちくびーでお開きとなりました。