京響のコンサートはプレミアム | 宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

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若手音楽家の育成や、コンサート支援などを行う、ロームミュージックファンデーション。

その設立30周年を記念した、全国各地でのプレミアムコンサートが始まりました。

 

その第一弾は、京都コンサートホールで。 演奏は、もちろん我らが京都市交響楽団です。

そのコンサートを、オンラインで拝聴しました。 

 

 

まずは、色々な映像作品の音楽で活躍する、岩代太郎の「東風 慈音ノ章」。

いきなり、フルオーケストラで始まる曲。 怒涛のように押し寄せる、音の波にびっくり。

 

優しく温かいイメージの「東風」ではなく、革新と変革を連れてくる、前ノリの曲。

これは、京響が得意とするところ。 テクニシャン揃いの楽団をまとめるのは、指揮の角田鋼亮です。

 

次は、エルガーのチェロ協奏曲・ホ短調。 今日は、ドラマチックな曲が選択されています。

どっしりした構成が特徴の作曲家。 第一楽章は、めずらしいカデンツァの連発で始まる。

 

ここは、チェリストの腕の見せどころ。 チェロは、新進気鋭の佐藤晴真。 黒のシックな装いが、かっこいい。

高速のパッセージがぶれずに、クリアな音がPCから響いてくる。 テーマに合った、感情が込められています。 

 

チェロ一人を泳がせずに、他のストリングスが絡んでくるのが、面白い。 若手には、いい武者修行か。

このあとも、ピッチカートと珍しいスピッカート、静寂のアダージョ、爆発のロンドで、全4楽章がまとまりました。

 

 

休憩の後は、たっぷり40分越えで、ドヴォルザークの交響曲第9番です。

司会の浅岡聡さんが、面白おかしく丁寧に、曲の解説をして、キメのフレーズを京響が紹介するのが楽しい。

 

オンラインの楽しみは、楽団員それぞれのアップが見られること。 それぞれの、体の動きに注目。

出番が少ない、楽器にも注目。 ボヘミアの思いを込めた乾坤一擲の一打ち。 第4楽章のシンバルは必聴です。

 

MCは、楽団OBの泉原隆志。 今日は華麗なヴァイオリンソロはなく、楽団のまとめ役に徹します。

バラエティ豊かな全4楽章に、お馴染みのフレーズを楽しみながら、京響の魅力あふれる、「新しい世界」を感じました。