新春の南座は松竹新喜劇から | 宗方玲・詩人が語る京都と歌舞伎

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毎年恒例となった、南座での、松竹新喜劇の新春お年玉公演。

いつもの2演目による昼・夜二部制が、1演目だけのAプロとBプロになりました。

 

約90分で、どちらも新春ご挨拶付き、料金は少しお得目です。

では、何回か拝見した、「裏町の友情」を。 裏町の商店街が舞台の、昭和の匂いがぷんぷんする一幕です。

 

お隣さんで商売する、クリーニング屋と炭屋の主人は、顔を合わせると喧嘩ばかり。

ああ言えばこう言う、ああ言われんでもこっちから言うたる。 天外と寛太郎が、丁々発止のやり取り。

 

いつもながら、どこまで台本でどこがアドリブやら、ようわからんけど、お上品な大阪弁が、ぽんぽん飛び交います。

噛み噛みっぽいところがあっても、間がずれたところがあっても、それがまたリアル。

 

話はびっくり、クリーニング屋の息子と、炭屋のバツイチ娘が、恋仲に。 扇治郎に、おとぼけ熟練の味。

更に、威勢がいいようで借金に追われる炭屋はんが、とうとう家を売ることに。

 

何や、300万いるんか、そら大変や。 よっしゃわしが何とかしたる、って。 クリーニング屋さんも、ええとこあるわ。

ところが、そこから、お金を置いてきたり、戻ってきたり、渡したり、返されたりの大騒ぎ。

 

このアナログっぽいテンポが、松竹新喜劇の味わい。 結局、借金が返せる目途がついて。

息子と娘の縁談もまとまり、こりゃおめでたい。 せやけど、これからも喧嘩はするでぇ、やて。

 

基本はしっかり押さえながら、毎回違うやり取りをしてそうな、天外と寛太郎がおもろすぎ。

二人の奥さん、川奈美弥生と夢ゆかりが、アクセント。 息子の扇治郎が、一番走り回っていました。