映画「愛人 ラマン」 | 日々これ台湾

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私の中の見逃している名作の中に「愛人 ラマン」があった。

マルグリット・デュラスのベストセラーとなった自伝的小説を映画化している。
小説の発売当時、原作を読んだので、映画化された時には観る気になれなかった。
15歳の少女と30歳代の男が、からみあっているシーンの映像に抵抗があったので、、、。
しかし、映画に適した原作だと思っていた。


フランス領インドシナが舞台だ。
メコン川の船の上でフランス人の少女は一回り以上歳上の大金持ちの華僑の青年と出会う。
二人は言葉もろくに交わさず関係を結ぶ。
お互い、相手をよく理解しないままに、惹きつけられ、性愛にのめり込んで行く。
二人の置かれている立場から将来が見えない愛であることがよくわかる。
やがて別れの時がやって来る。

メコン川、ビーチ、畑と水牛、サイゴン、寄宿舎、中華街、黒塗りのリムジン、どれも心に残るシーン。
少しセピア色がかかって見える映像。控え目だが、シーンにピッタリな音楽の使い方。
ラストは小説通りの終わり方をするが、それがまた映画的でこの作品を一つの愛の物語として格調の高い名作にしていると思う。
映像だとイヤらしくなると恐れていたが、違っていた。純愛無垢な愛の世界を見事に描き切っていた。


主演のジェーン・マーチとレオン・カーフェイの二人が小説のイメージ通り。
メーキング映像を見たら、二人を選ぶのに大変苦労したのがわかる。
デュラス役の方は多数の応募者の中から、偶然にも顔が似ている女の子に巡り会えたようだ。
中国人の青年役の方は世界中を探し回り、香港でやっと見つけたようだ。
監督の小説を映画化する際の並々ならぬ苦労と情熱もわかりメーキングも楽しめた。
たったワンシーン撮るために、時間と手間を惜しまない。
映画愛に溢れている様子が素敵。



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