
かなり売れている新刊です。読み終わりました!
当たり前ですが、この種類の本はその塾の教え方の良い面しかかかれていません。
悪いところを書くはずがないです。
・・・どうせ塾の宣伝でしょう?と思いましたが、仕方がないから一応読みました。
結論
受験算数の指南書として「最高レベルの良書」です!読んでください。おすすめします。
現場の講師しかわからないレベルで具体的に書かれています。相当な取材を重ねていますね。
どういうことかというと・・・
例えば「アナログ時計を読もう」の章。
算数の「割合」の感覚のもとはアナログ時計にあるという話が書かれています。
現場にいる指導者として、この話はよく理解できます。
実は数年前から「短針」と「長針」の動きを知らない子が増えてきています。小4と小5。「短針が動いているという事実」を認識していない子が多いです。
そんな馬鹿な!嘘でしょう?いや、ほんとうです!笑
SAPIX生のなかで、ある程度賢い生徒でも「長針だけが動いていて、短針は止まっている」と勘違いしている子がかなりの数存在します。はじめは「この教室だけかな?」と思っていましたがそうでもないのです。
子どもをとりまくメディア環境が変化したせいでタブレットしか見ないので、アナログ時計が日常生活のなかにないのです。いまはスマートウォッチをつける子もたくさんいますよね。
ここからは本のなかに書かれていないことですが、少し入試問題を見てみましょう。
どの塾に通っても習う「時計算」の基本問題です。


ふつうの時計の傾きをかえたものです。これが8時15分に見えるという生徒が一定数います。
私「そうみえるけど、短針が動いてるよね?
160ー30×5=10度
ほら、10度短針が動いているよ」
生徒「えっ、短針って動くの?」
私「・・・」
こんなやりとりを何度もやっています。指摘されて、「ああ、そうか。だったら10÷0.5をしなきゃね」と返答できる子が減っています。
このレベルならまあ、修復できる(解けるようになる)のですがなかなか根深いものがあります。
なぜアナログ時計が割合感覚と密接につながっているのかというと
算数のできる子は「15分(3時の位置)」⇒「全体の4分の1」=「0.25時間」と一瞬で考えているので、いちいち頭のなかで60倍して計算をしているわけではないのです。
逆に、ホワイトボードに「4.25時間は□時間△分です」という文をかきます。
もしも小6の時点で、4時間25分と答えているとかなり出願できる学校の幅がせまくなります。
また、この本のいいところは、コツコツ型とひらめき型の学習観に分けて考察しているところです。
努力肌と天才肌といいかえてもいいでしょう。または、解法力型と思考力型でもいいかもしれません。
大学受験まで通じるとても重要なことが書かれています。
「思考力が大事!」とかそういう浅いレベルのはなしではないところがこの本の白眉でしょう。
SAPIXに通っていなくても、「はじめの一冊」としておすすめします。
全体的なバランスのよい、保護者視点の良い本でした。
車から景色を楽しむパピヨンくん。