小5向け記事:6年から成績が落ちる理由。 | 中学受験算数「やまもと算数・数学塾」

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完全マンツーマン指導。JR御茶ノ水駅前にある算数・数学塾。

前回のつづき:

<比の解法をはじめて学ぶから、5年の夏期講習が大事>という話でした。

(以前にも何度もかきましたが、SAPIXとGnobleの5年夏期講習に毎回の確認テストはありません。多くの生徒は、わかっていないのに先に進みます。不思議なことです。)

 

さて、"比を学ぶ"とは、抽象的な世界への移行を意味しています。

 

いままでの世界 350gは100gの何倍?(割合)→3.5倍

 

実際の受験での思考 350:100は? 7:2 と抽象化させます。(比の値は3.5)

 

わかりやすく現時点(5月初旬)での小5の SAPIX 生(Gnoble生)に合わせて説明します。

SAPIX 02テキストより

(3)の正答率は8割程度でしょう。

 

 

なかなかめんどうな処理が必要です。

36、144、324を足してから3でわるのが計算力の要るところ。

つぎの解き方が比による解法

 

式は3行で終わります。スッキリと解けますね。

これが入試本番で使う解法です。これを5年秋~冬に習得します。

算数・数学が苦手な方も、もうすこしお付き合いください💦

 

最近習った習った旅人算(速さ)だと・・・

SAPIX 08テキストより

いまの解き方

和と差に注目しています。これでも答えはでますが・・・

 

つぎの解き方が試験現場での比による解法です。

③:④の距離の比から全体を⑧とかんがえて、2行でサクッと処理します。

 

「比」による解法の習得が5年秋~6年春までのメインです。

 

私は、よく言われる『5年生の算数が大事』というのは二重の意味があると考えています。

①特殊算(旅人算、通過算、流水算、倍数算、年齢算・・・)の習得をするのが大変。

②いままで具体的な数でかんがえてきたものを一度unlearnして、知識をupdateするのが大変

 つまり抽象的な思考である「比」に慣れる、ということです。

 

多くの大手塾は①を強調して、保護者説明会で注意ポイントを指摘する算数講師が多いです。

実際に、特殊算や平面図形の相似に慣れるのは大変でしょう。

しかしながら、難関校へ、最難関校へと考えているのであれば、

ゴールから逆算してかんがえると②の点を無視するのは不可能です。

 

追記:

だからといって、いまからすぐに「比」をやらなければ・・・ではありません。

こんなふうに地道に、地道に。焦らず、焦らず。

何もかもすべて図はノートに書く。

急成長する生徒。やはりノートはしっかりと取りたい。楽しみな子!

石のにおいをかぎ、

花のにおいをかぎ、暖かい季節を感じるパピヨンくん