不動産投資編 第7回「安心老後」への道~ロードマップ | 「不動産リテラシーの向上で老後の安心生活を」シリーズ投稿始めます

「不動産リテラシーの向上で老後の安心生活を」シリーズ投稿始めます

中小企業診断士 桑岡伸治のブログです。このたび、「老後の安心生活」実現を目的に、不動産に関する様々な情報を提供するシリーズ投稿をはじめます。
はじめにプロローグをお読み下さい。
ひとりでも多くの方が、Happyになりますように!

 お金持ちの家に生まれた訳でもない、宝くじに当たった訳でもない、フツー国民のあなたが老後不安なく暮らすために、「真水で500万円」の賃貸収入を実現するという目標設定はできた。次は、いよいよ実行段階となる。

 

 はじめに、年間のNOIが150万円の物件を、投資総額3,000万円で取得する。NOI利回り5%だ。頭金は、300万円を用意する。これはなんとか頑張って、貯蓄してほしい。ただし、3,000万円全額の借入、つまりフルローンが可能なら、全額を借り入れて、300万円は手元に残しておく。

 

 長い賃貸期間中には、テナント退去等で賃料が減少する場合がある、物件の修繕等で急な出費に迫られるときもある。300万円は、その時の備えだ。「給与収入が十分にあり、何かあっても対応できる状況にある人なら、そんな心配は不要と思うが、ローン返済が滞ったり、生活資金に支障が出たり、しないようにしておいて欲しい。

 

 3,000万円を、年利1.5%、30年返済の条件で借入できたとすると、ローン返済後の手残りは、毎年26万円(税引前)となる。この26万円は、「儲かった」と消費するのではなく、頭金の300万円と一緒に安全資産で運用しながらとっておく。

 5年経過すると、借入金の残債は2589万円まで減少する、5年間に手元に残ったキャッシュ(インカムの合計)も129万円になっている。仮に、その時点で売却して得られるキャッシュが3,000万円だとすると、残債との差額411万円と191万円の合計、540万円を手にすることができる。同様に、10年後に売却した場合の獲得額は1,112万円となる。

 

 頭金の300万円と合わせて、5年後、10年後にそれぞれ、840万円、1412万円が手元に残ることになる。

ここでは、「5年後に売却した」と仮定して、次に8,000万円の物件を、頭金540万円で購入する(300万円は、手元に残しておく)。

 1件目と同様、NOI利回り5%、借入金7,460万円(年利1・5%、25年返済)、売却で得られるキャッシュ・フローは8,000万円とすると、5年後、10年後の売却後の資金は、それぞれ。2,327万円(2,027万円+300万円)、3,913万円(3,613万円+300万円)となる。

 

 ここまで、2物件の取得と売却という流れで説明してきた。しかし、この2物件の売却にあたっては、いずれも「値上がり益はゼロ」想定である。つまり、インカムゲインだけで、300万円の頭金は、「10年間で2,327万円に」、「15年間で3,913万円に」増えたことになる。

 いうまでもなく、インカムゲインは、テナントが支払ってくれた家賃が原資である。「不労所得」と、はしゃぎたくなる気持ちも分からないではない。(笑)

 

 さて、実際の運用においては、不動産市況や運用状況、具体的な買主からのオファー等によって、運用方法を変えていくことになる。例を挙げれば次のようなことだ。いずれにしても「真水で500万円」の賃貸収入実現に向けて、ここまでくれば「あと少し」だ。

  1.  2物件目を長期運用、追加でもう1物件取得」➡25年経てば、2物件目のローンは完済、その後は、毎年400万円のNOIが全額手元に残る。3物件目の賃料と合わせ、「真水で500万円」は十分可能であろう。毎年の返済後のキャッシュ・フロー42万円も、25年分となれば、1,050万円になっている。
  2. 「4年後、1物件目に、4,000万円での購入希望者が現れた」➡3割以上の値上がり、「キャピタルゲイン」は、目標達成の前倒しに大いに貢献する。金融機関次第では、1億円以上の物件取得にも現実味がでてくるし、目標達成に、グッと近づくことだろう。
  3. 「不動産市況が悪化し、収益物件の価格も下落」➡1物件目の売却は見送り、2物件目の取得に全力をあげる。「不動産価格が下がれば、利回りはアップ」この機に、優良物件の取得を実現しよう。

 さて、ここまでお読みいただいて、なんとなくゴールへの道筋をイメージしていただくことはできただろうか。

 

 何といっても、「家賃収入からローンを返済」するメリットは、とてつもなく大きい。住宅ローンは、労働による所得から支払わなければならないが、こちらは、テナントがローンを肩代わりしてくれているようなものである。最初の頭金300万円を除けば、家計支出に負担をかけることはないので、住宅ローンを組むことも、なんら問題ない。

 

 保有不動産の市場価値と負債のバランス(つまり、残債がいくらか)に、気を配りつつ、時間をかけて、不動産の保有経験も積みながら、資産規模を目標水準に近づけていく。年齢と共に、借入金の残高を減らしてゆくことで、過度なリスクを負うことを回避しつつ、65歳前後には「真水で500万円」を確実なものにできるはずだ。

 そして、その頃には、住宅ローンも払い終わり、無借金の「自宅+収益物件」により、老後の安心を手にすることができるであろう。

 とはいえ、このロードマップ実現のためには、いくつかの条件を満たす必要がある。次回、それを説明したい。