不動産投資編 第4回 不動産投資の醍醐味、「レバレッジ」 | 「不動産リテラシーの向上で老後の安心生活を」シリーズ投稿始めます

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中小企業診断士 桑岡伸治のブログです。このたび、「老後の安心生活」実現を目的に、不動産に関する様々な情報を提供するシリーズ投稿をはじめます。
はじめにプロローグをお読み下さい。
ひとりでも多くの方が、Happyになりますように!

 「不動産投資の一番のメリットは?」と聞かれたら、私は「ローン・レバレッジ」と答える。ちなみに、二番目は、節税につながる不動産固有の「税制」だ。

 

 ローン・レバレッジのメリットとは、その名前(レバレッジ=てこ)の通り、投資額に対するリターンを増幅できることです。「第3回『リターン』を分解してみれば」の説明で使った「年間のインカムが500万円のマンション」を例に説明すると次のようになります。

 5年間のインカムゲインは2500万円、5年後に1億2000万円の売却収入を得ることができれば、キャピタルゲインは2000万円なので、インカム+キャピタル、トータルのリターンは4500万円で、1年あたりの投資利回りは9(4500万円÷1億円÷5年)です。

 

 一方、同じマンションを、年利1%で5000万円のローンを借りて購入することにします。(投資額1億円のうち自己資金が5000万円)

 インカムゲインとキャピタルゲインの総額は、ローンを借りても借りなくても同じ金額4500万円ですが、今度は利息を支払わなければなりません。単純化するために、ここでは、5000万円×1%×5年=250万円を利息の総額とすると…。

 

 5年間に獲得したリターンは、4500万円から利息250万円を引いた4250万円となります。これは、「5000万円の元金が5年で4250万円のリターンを生んだ」ということで、1年あたりの利回りは、4250万円÷5000万円÷5年=17%となり、9%から倍近くに跳ね上がります。このように「レバレッジ」は投資効率を高める大きな武器となります。

 

 

 ところで、既にお気づきのようにレバレッジは「低金利」だからこそ成立する手法といえます。仮に年利が5%だとすると、5年間の支払利息は1,250万円となり、インカムゲインの半分が利息に消えることになります。インカム、キャピタル合わせたリターンは3,250万円となって、1年あたりの利回りは13%、年利8%では、利回り10%まで低下します。

 それでもそこそこの利回りをキープできているのは、2,000万円のキャピタルゲインがあるからで、もしそれがなければリターンはインカムゲインの2,500万円から利息1,250万円を引いた1,250万円だけ。なんのことはない、利回りは5%、つまり「レバレッジ効果はゼロ」です(元々の利回りが年利5%ですからね)。

 

 1億円で取得した不動産が5年後に値上がりしている保証はありません。、キャピタルゲイン狙いの投資は、ちょっと振り返っただけでも、リーマンショックがあったり、コロナ禍があったり、先を読むのは簡単ではなくプロの不動産会社でも読み違えて失敗することがあります。